米大統領、元慰安婦を抱擁=歴史問題クローズアップ―韓国
アメリカのトランプ大統領は、アジア歴訪の最初の訪問国である日本国を発ち、次なる訪問国である韓国に到着しました。北朝鮮問題の緊迫化を考慮すれば、大統領訪韓を機に日米韓の結束が謳われるはずなのですが、当地の様子は、一般の常識的予測とは随分と違っているようです。
まずもって驚かされたのは、晩餐会(公式夕食会)における韓国人元慰安婦の招待、並びに、“独島エビ”のメニューです。大統領主催の晩餐会とは外交上の行事ですので、元慰安婦の招待は昨年末の日韓慰安婦合意に反する行為ですし、“独島エビ”は、明らかに日韓間の国際紛争である竹島問題を米韓関係に持ち込んでおります。“反日晩餐会”といってもよい程の過剰な反日演出なのですが、この意図するところは、何処にあるのでしょうか。
韓国側には、少なくともトランプ大統領を賓客として温かく迎え、心置きなく楽しんでもらうつもりは毛頭ないようです。慰安婦問題も竹島問題もアメリカは当事者ではありませんので、晩餐会の席において日韓の対立関係を仄めかす言動があったとすれば、そこには、明らかなるホスト国である韓国側からの政治メッセージが込められていると解するしかありません。それは、両問題については、“アメリカには韓国側の立場を支持してほしい”、あるいは、“韓国と対立している日本国とは距離を置いてほしい”、というメッセージとなります。日韓ともに同盟国とするアメリカは、二者択一を迫るようなこの種のメッセージには当惑するしかなく、せっかくの晩餐会の豪華なメニューの品々も喉を通らなかったかもしれません。
何かと日本国に対してライバル心を燃やしている韓国の世論からしますと、韓国側の政治的メッセージは前者であり、晩餐会における反日アピールは、韓国政府が“国民受け”を狙ったものとも推測されます。しかしながら、日韓関係の悪化は今に始まったことではなく、過去における歴代米大統領の訪韓に際にはこうした露骨な反日演出はありませんので、他の要因が強く働いたものと推測されます。そしてそれこそが、第三番目の訪問先となる中国の意向なのではないかと思うのです。
トランプ大統領のアジア歴訪に先立って、韓国は、THAAD運用の対北限定や日米間の軍事同盟化の否定など、中国に対して決定的な譲歩を見せています。THAAD配備をめぐって冷却していた中韓関係は大幅に改善される見通しとなりましたが、このことは、韓国が軍国主義国家中国の軍門に下ったことを意味します。すなわち、米韓関係の手前、韓国側は、朴前政権と同様に“バランス外交”の名目を以って親中政策を採っていますが、対中包囲網の一翼を担う国として、日米ともに韓国に期待することはもはや不可能となったのです。
直近の中韓関係の劇的な改善を考慮しますと、今般の韓国側のトランプ大統領に対する“反日晩餐会”の演出は、今般の訪中を機にトランプ大統領に“新たなる大国関係”への合意を迫ると同時に、対中包囲網となり得る日米、日韓、米韓の二国関係から日米韓の多角関係まで、全ての関係をずたずたに寸断したい中国にとっての“接客”の第一歩なのでしょう。トランプ大統領は、権謀術数が渦巻き、客人と雖も一瞬の油断も許されない中国という国の玄関口に、既に足を踏み入れているのかもしれないのです。
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アメリカのトランプ大統領は、アジア歴訪の最初の訪問国である日本国を発ち、次なる訪問国である韓国に到着しました。北朝鮮問題の緊迫化を考慮すれば、大統領訪韓を機に日米韓の結束が謳われるはずなのですが、当地の様子は、一般の常識的予測とは随分と違っているようです。
まずもって驚かされたのは、晩餐会(公式夕食会)における韓国人元慰安婦の招待、並びに、“独島エビ”のメニューです。大統領主催の晩餐会とは外交上の行事ですので、元慰安婦の招待は昨年末の日韓慰安婦合意に反する行為ですし、“独島エビ”は、明らかに日韓間の国際紛争である竹島問題を米韓関係に持ち込んでおります。“反日晩餐会”といってもよい程の過剰な反日演出なのですが、この意図するところは、何処にあるのでしょうか。
韓国側には、少なくともトランプ大統領を賓客として温かく迎え、心置きなく楽しんでもらうつもりは毛頭ないようです。慰安婦問題も竹島問題もアメリカは当事者ではありませんので、晩餐会の席において日韓の対立関係を仄めかす言動があったとすれば、そこには、明らかなるホスト国である韓国側からの政治メッセージが込められていると解するしかありません。それは、両問題については、“アメリカには韓国側の立場を支持してほしい”、あるいは、“韓国と対立している日本国とは距離を置いてほしい”、というメッセージとなります。日韓ともに同盟国とするアメリカは、二者択一を迫るようなこの種のメッセージには当惑するしかなく、せっかくの晩餐会の豪華なメニューの品々も喉を通らなかったかもしれません。
何かと日本国に対してライバル心を燃やしている韓国の世論からしますと、韓国側の政治的メッセージは前者であり、晩餐会における反日アピールは、韓国政府が“国民受け”を狙ったものとも推測されます。しかしながら、日韓関係の悪化は今に始まったことではなく、過去における歴代米大統領の訪韓に際にはこうした露骨な反日演出はありませんので、他の要因が強く働いたものと推測されます。そしてそれこそが、第三番目の訪問先となる中国の意向なのではないかと思うのです。
トランプ大統領のアジア歴訪に先立って、韓国は、THAAD運用の対北限定や日米間の軍事同盟化の否定など、中国に対して決定的な譲歩を見せています。THAAD配備をめぐって冷却していた中韓関係は大幅に改善される見通しとなりましたが、このことは、韓国が軍国主義国家中国の軍門に下ったことを意味します。すなわち、米韓関係の手前、韓国側は、朴前政権と同様に“バランス外交”の名目を以って親中政策を採っていますが、対中包囲網の一翼を担う国として、日米ともに韓国に期待することはもはや不可能となったのです。
直近の中韓関係の劇的な改善を考慮しますと、今般の韓国側のトランプ大統領に対する“反日晩餐会”の演出は、今般の訪中を機にトランプ大統領に“新たなる大国関係”への合意を迫ると同時に、対中包囲網となり得る日米、日韓、米韓の二国関係から日米韓の多角関係まで、全ての関係をずたずたに寸断したい中国にとっての“接客”の第一歩なのでしょう。トランプ大統領は、権謀術数が渦巻き、客人と雖も一瞬の油断も許されない中国という国の玄関口に、既に足を踏み入れているのかもしれないのです。
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