米朝首脳会談は北側の「勝利」 専門家らが警鐘
トランプ米大統領による米朝会談開催提案の受け入れ表明は、当事国のみならず、国際社会全体に波紋を広げております。日本国もまた例外ではなく、開催予定とされる5月までの間、交渉の行方に神経をすり減らさずにはおられない状況が続くことでしょう。メディア等の情報に依りますと、同会談の評価と行方については、およそ、以下の3つの見解に分かれているようです。
第1の見解は、アメリカのトランプ大統領の認識によるものであり、同会談の実現は、アメリカを中心とした軍事・経済両面における国際圧力の賜物である、とするものです。この北朝鮮ギブアップ論に基づきますと、同会談の行方は、北朝鮮による検証可能な方法による核放棄以外にはあり得ず、軍事力を背景としたアメリカの外交的勝利に終わるシナリオが描かれます。ただし、検証可能な非核化の手段をめぐり、北朝鮮が条件闘争を繰り広げたり、同国の保護者として中国が介入する可能性があります。
第2の見解は、第1の北朝鮮ギブアップ論に対して懐疑的な立場の人々によって唱えられています。それは、北朝鮮は米国本土を核攻撃できる能力を遂に保有する段階に至ったため、その成果を対米脅迫の手段とすべく、アメリカを交渉の場に引き出したとするものです。この立場に立脚すれば、米朝会談の行方は、如何なる条件下であれ、北朝鮮の非核化は実現しません。核弾頭の小型化もICBMやSLBM等の開発も既に完了しているならば、アメリカは、北朝鮮の脅しを前にして死活的な決断を迫られることでしょう。仮に脅迫に屈し、北朝鮮の要求を呑むとしますと、NPT体制は崩壊すると共に、トランプ大統領は外交的敗北を喫することとなります。
そして第3の見解とは、今日、メディアが報じている凡その状況に即したものです。乃ち、北朝鮮の核弾頭小型化技術は未熟であり、米本土に到達する能力を有するICBM等を実戦用に配備するほどの段階にはないが、これらの開発停止を制裁緩和の交渉材料として米朝首脳会談に臨むというものです。この立場における交渉の行方は、最も不透明です(米朝合意の内容次第では、日本のみが北朝鮮の核攻撃の対象となる可能性も…)。とは言うものの、たとえ同会談において核放棄に向けた大筋の妥協が成立しても、それは時間稼ぎ、あるいは、ポーズに過ぎず、意図的に交渉を長引かせたり、突然に合意を破棄することで、北朝鮮が米国本土核攻撃能力を備える可能性も否定はできません。この場合、即、第2の立場に移行します。
以上に北朝鮮の核・ミサイル開発のレベルごとにその展開を推測して見ましたが、第3の見解に基づく過去の失敗を繰り返さないためには、アメリカは、北朝鮮の核・ミサイル開発レベルの如何に拘わらず、最低限、検証可能な形で北朝鮮の核放棄を実現する必要があります(北朝鮮が拒否した場合には会談が決裂し、即、軍事制裁となるのでは…)。一方中国は、アメリカが進める北朝鮮の非核化プロセスにおいて、最大限に自国の利益を確保しようと努めることでしょう。果たして、最後に笑うのは誰なのでしょうか。朝鮮半島問題の専門家等の警告として、米朝首脳会談の開催は北朝鮮の“勝利”とする見方も報じられておりますが、無法国家が最後に笑う事態だけは、人類の善き未来のために、何としても避けなければならないと思うのです。
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トランプ米大統領による米朝会談開催提案の受け入れ表明は、当事国のみならず、国際社会全体に波紋を広げております。日本国もまた例外ではなく、開催予定とされる5月までの間、交渉の行方に神経をすり減らさずにはおられない状況が続くことでしょう。メディア等の情報に依りますと、同会談の評価と行方については、およそ、以下の3つの見解に分かれているようです。
第1の見解は、アメリカのトランプ大統領の認識によるものであり、同会談の実現は、アメリカを中心とした軍事・経済両面における国際圧力の賜物である、とするものです。この北朝鮮ギブアップ論に基づきますと、同会談の行方は、北朝鮮による検証可能な方法による核放棄以外にはあり得ず、軍事力を背景としたアメリカの外交的勝利に終わるシナリオが描かれます。ただし、検証可能な非核化の手段をめぐり、北朝鮮が条件闘争を繰り広げたり、同国の保護者として中国が介入する可能性があります。
第2の見解は、第1の北朝鮮ギブアップ論に対して懐疑的な立場の人々によって唱えられています。それは、北朝鮮は米国本土を核攻撃できる能力を遂に保有する段階に至ったため、その成果を対米脅迫の手段とすべく、アメリカを交渉の場に引き出したとするものです。この立場に立脚すれば、米朝会談の行方は、如何なる条件下であれ、北朝鮮の非核化は実現しません。核弾頭の小型化もICBMやSLBM等の開発も既に完了しているならば、アメリカは、北朝鮮の脅しを前にして死活的な決断を迫られることでしょう。仮に脅迫に屈し、北朝鮮の要求を呑むとしますと、NPT体制は崩壊すると共に、トランプ大統領は外交的敗北を喫することとなります。
そして第3の見解とは、今日、メディアが報じている凡その状況に即したものです。乃ち、北朝鮮の核弾頭小型化技術は未熟であり、米本土に到達する能力を有するICBM等を実戦用に配備するほどの段階にはないが、これらの開発停止を制裁緩和の交渉材料として米朝首脳会談に臨むというものです。この立場における交渉の行方は、最も不透明です(米朝合意の内容次第では、日本のみが北朝鮮の核攻撃の対象となる可能性も…)。とは言うものの、たとえ同会談において核放棄に向けた大筋の妥協が成立しても、それは時間稼ぎ、あるいは、ポーズに過ぎず、意図的に交渉を長引かせたり、突然に合意を破棄することで、北朝鮮が米国本土核攻撃能力を備える可能性も否定はできません。この場合、即、第2の立場に移行します。
以上に北朝鮮の核・ミサイル開発のレベルごとにその展開を推測して見ましたが、第3の見解に基づく過去の失敗を繰り返さないためには、アメリカは、北朝鮮の核・ミサイル開発レベルの如何に拘わらず、最低限、検証可能な形で北朝鮮の核放棄を実現する必要があります(北朝鮮が拒否した場合には会談が決裂し、即、軍事制裁となるのでは…)。一方中国は、アメリカが進める北朝鮮の非核化プロセスにおいて、最大限に自国の利益を確保しようと努めることでしょう。果たして、最後に笑うのは誰なのでしょうか。朝鮮半島問題の専門家等の警告として、米朝首脳会談の開催は北朝鮮の“勝利”とする見方も報じられておりますが、無法国家が最後に笑う事態だけは、人類の善き未来のために、何としても避けなければならないと思うのです。
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