万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

ワクチン接種後の有害事象の報道について

2021年03月05日 13時12分00秒 | 国際政治

 厚生労働省によりますと、今月2日、ワクチンを接種した60代の女性の方が亡くなられたそうです。死因はくも膜下出血と推定され、ワクチン接種との因果関係は不明とされています。マスメディアが一斉に報じるところとなったのですが、同報道に対しては、’国民を怖がらせる’として批判する声も少なくありません。それでは、因果関係が証明されていない限り、ワクチン接種後に発生したあらゆる有害事象は、国民に対して報告すべきではないのでしょうか。

 

 同報道に対して批判を浴びせている人々の大半は、ワクチン接種推進の立場にある人々でることは想像に難くはありません。何故ならば、マスメディアが大々的に報じる程、国民の多くがワクチン接種の副反応を恐れ、接種率が下がることが予測されるからです。政府、並びに、ワクチン接種派の人々の目的は集団免疫の成立ですので、できる限り多くの人々にワクチンを接種させたいのでしょう。この目的からしますと、ワクチン接種後の死亡はあってはならず、できる事ならば、封印してしまいたいマイナス情報なのです。

 

 報じられている通り、ワクチン接種との関連性は現段階では不明であり、くも膜下出血であればあり得ないとする専門家の方による指摘もあります。くも膜下出血では、大抵、血管の破裂に先立って長期間にわたる動脈瘤の形成がありますので、確かに偶然なのかもしれません。その一方で、厚労省の発表によりますと、くも膜下出血という死因は’推定’とされています。真の死因がくも膜下出血でなければ、因果関係が全くないとは言い切れなくなってきます。例えば、突然に脳内の血管が梗塞する、血小板の減少により僅かな脳内出血が止まらなくなる、あるいは、脳機能が突然不全状態となる、といった事態もあり得ないことではなさそうです。また、投与されたmRNAによって有害蛋白質が産生されてしまったり、’抗体’もしくはワクチン添加物が体内の生命維持に必要な何らかの酵素を活性化させる、あるいは、阻害してしまうということも考えられましょう。

 

  そもそも、ワクチンの接種に際しては、国民の各自は、メリットとリスクを比較考量して判断します。言い換えますと、情報がなくては自らが納得する判断はできないと言うことになりましょう。新型コロナウイルスよる死亡者数につきましても、明確な因果関係が明らかにされていないケースも含まれているとされていますので、ここは、フェアな精神に徹し、因果関係が証明されていない段階にあっても、確定情報ではなく、未確認であることを断った上で、潜在的なリスク情報として国民に提供されるべきように思えます。判断するのは国民なのですから。また、仮に、後々、因果関係が証明された場合、重大な情報を隠したとして政府もメディアも責任を問われることともなりましょう。

 

 そして、不思議に思うのは、ワクチン接種に対するマイナス情報や慎重論が登場する度に、こうした情報を発信することに自体に対して反対するワクチン接種派の人々が、大量に湧いて出てくることです。ワクチン接種派の人々は、マイナス情報を知りたいとは思わないのでしょうか。自らの命や健康に直接的にかかわりますので、常識的に考えれば、マイナス情報に目を瞑ることは自殺行為ともなりかねません。リスク発信者が’悪者’、あるいは、’邪魔者’扱いされる背景に政治的思惑や経済的利権が隠れているとしますと、ワクチン接種誘導に向けた不自然な言論封殺や同調圧力は、そのシグナルなのかもしれません。

コメント (2)
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