露、アサド退陣容認 シリア国民の合意 条件(産経新聞) - goo ニュース
シリアで発生した反政府運動は、当初は、アサド独裁体制に対する反乱と見なされていました。しかしながら、ここにきて、アラウィ派とシーア派の対立構図が、背後から浮かび上がってきています。
一般的には、平等の実現を理想に掲げる以上、社会主義体制とは、全ての国民を等しく扱うはず、と信じられてきました。しかしながら、これは、先入観に過ぎず、一皮むけば、先代のアサド大統領の時代から、政権は、アラウィ派の人々によって占められていたそうなのです。シリアのアサド体制とは、1割のアラウィ派が7割のシーア派を含む多の9割を国民を支配する体制であり、政府側が、自国民を虐殺する無慈悲さもまた、宗派対立に起因しています。他の宗派に属する国民は、殺しても構わないと…。そして、反体制派もまた、体制崩壊に至るまで銃を手放さず、断固として戦い続けることでしょう。
シリア内戦の本質が宗派対立にあるならば、これまでのアプローチでは解決するはずもありません。ロシアは、国民の合意を条件に、アサド退陣を容認する一方で、体制の維持を図ろうとしているようですが、体制維持、すなわち、少数者支配の固定化を、他の9割の国民が容認するとは思えないのです。言い換えますと、シリア国民の大多数は、自由に体制を選択できるならば、現体制には、NOを付きつけるであろう、と言うことです。
ですから、この対立を、もし平和裏に解決しようとするならば、普通選挙の導入といった単なる民主化では足りず、民主化を前提としつつも、アラウィ派とシーア派を分離した上で連邦を形成するか、あるいは、少数派に転落するアラウィ派の保護を保障する一方で(報復の対象となる…)、長期的に宗派対立を解消していく、といった方法を取らざるを得ません。社会・共産主義では、多数派であるプロレタリアートの独裁を容認していますが、その実体が、党と一宗派の二重の意味における少数者の権力独占であったことは、シリア問題の解決を、より複雑にしていると思うのです。
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一般的には、平等の実現を理想に掲げる以上、社会主義体制とは、全ての国民を等しく扱うはず、と信じられてきました。しかしながら、これは、先入観に過ぎず、一皮むけば、先代のアサド大統領の時代から、政権は、アラウィ派の人々によって占められていたそうなのです。シリアのアサド体制とは、1割のアラウィ派が7割のシーア派を含む多の9割を国民を支配する体制であり、政府側が、自国民を虐殺する無慈悲さもまた、宗派対立に起因しています。他の宗派に属する国民は、殺しても構わないと…。そして、反体制派もまた、体制崩壊に至るまで銃を手放さず、断固として戦い続けることでしょう。
シリア内戦の本質が宗派対立にあるならば、これまでのアプローチでは解決するはずもありません。ロシアは、国民の合意を条件に、アサド退陣を容認する一方で、体制の維持を図ろうとしているようですが、体制維持、すなわち、少数者支配の固定化を、他の9割の国民が容認するとは思えないのです。言い換えますと、シリア国民の大多数は、自由に体制を選択できるならば、現体制には、NOを付きつけるであろう、と言うことです。
ですから、この対立を、もし平和裏に解決しようとするならば、普通選挙の導入といった単なる民主化では足りず、民主化を前提としつつも、アラウィ派とシーア派を分離した上で連邦を形成するか、あるいは、少数派に転落するアラウィ派の保護を保障する一方で(報復の対象となる…)、長期的に宗派対立を解消していく、といった方法を取らざるを得ません。社会・共産主義では、多数派であるプロレタリアートの独裁を容認していますが、その実体が、党と一宗派の二重の意味における少数者の権力独占であったことは、シリア問題の解決を、より複雑にしていると思うのです。
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