今月の8月8日、台湾の首都台北市を訪問していた自民党の麻生副総裁の発言が、内外に波紋を広げることとなりました。マスメディアの多くが「戦う覚悟」の表明として報じたため、賛否両論の反応が引き起こされたからです。もっとも、同発言には、‘戦争を起こさないための抑止力’という前置きがあり、必ずしも中国に対する武力行使を訴えたわけではないようです。「日本、台湾、米国をはじめとした有志国に強い抑止力を機能させる覚悟が求められている。戦う覚悟だ」と述べているのですから。しかしながら、麻生副総裁の背景を考慮しますと、「戦う覚悟」発言には、何らかの意図が込められていたようにも思えるのです。
同発言に対する中国側の様子を覗いますと、ヒステリックなまでの過激な反発を見せています。在日中国大使館の報道官は‘身の程知らず’や‘でたらめ’といった罵詈雑言で応じるに留まらず、同談話では、「もし日本の一部の人間が中国内政と日本の安全保障を絡めるなら、日本は誤った道に入ることになる」とも述べています。後者は日本国に対する武力攻撃を含意していますので、台湾有事はもはや中台の二カ国間の問題ではなく、将来的には中国対日本国を含む親台陣営との対立となることを予測しているとも言えましょう。
その一方で、中国側による同恫喝的な過剰反応は、上述した麻生副総裁の「日本、台湾、米国をはじめとした有志国」に対応したものです。麻生副総裁は事前に日本国政府とも調整を図っていますので、同発言は、日本国政府の意向を汲んだものでもあります。この点に注目しますと、国際社会では、日本側の「戦う覚悟」発言⇒中国の反発⇒台湾有事の国際化・・・という流れが生じていることが分かります。アメリカのバイデン政権が近い将来における対中戦争を視野に入れた対中強硬政策に歩を進め、日本国の岸田政権もNATOとの連携を強化していますので、その先には、ユーラシア大陸の西部におけるウクライナ紛争と東部における台湾有事の両者がリンケージする形での第三次世界大戦が待っているかもしれません。第三次世界大戦の対立構図は、アメリカを盟主とする有志陣営対中ロ陣営となるのでしょう。
それでは、第三次世界大戦にまで及びかねない国際社会の潮流は、人類史における自然な流れなのでしょうか。第一次世界大戦並びに第三次世界大戦の事例を見る限り、世界大戦の背景には、巨大な戦争利権を有する国際勢力、否、世界権力が暗躍しているのが常です。過去の世界大戦にあっては黒幕の存在に気がつかずに人類は辛酸を嘗めたのですが、情報化社会を迎えた今日では、多くの人々が世界大戦の計画性を疑っています。今般の麻生副総裁の発言、並びに、中国の過剰反応も、世界権力が温めてきた‘第三次世界大戦シナリオ’、あるいは、‘世界支配工程表’に書き込まれていた可能性も否定はできないのです。
麻生副総裁と言えば、フランシスコというクリスチャンネームを持つイエズス会の信者として知られています。日本国にキリスト教を伝えたのも、イエズス会士のフランシスコ・ザビエルであり、現在のローマ教皇の名も奇しくもフランシスコです。イエズス会はその結成以来、軍隊を模した厳格な組織形態をもって積極的に世界戦略を展開し、各国の政治にも裏から介入してきました。このため、時のローマ教皇から解散命令を下され、各国の君主からも追放される憂き目にもあってきたのですが、今日にあって世界権力の一角を占めています。しかも、イエズス会士にはユダヤ教からの改宗者が多く、ユダヤ系の人脈との繋がりも認められるのです。麻生副総裁も、ロスチャイルド家の分家とされるデホン家に子女を嫁しており、世界権力のメンバーに連なっていると言えましょう。
第三次世界大戦とは、世界権力との戦いともなる三次元戦争という側面があります。麻生副総裁の発言に対してはとりわけ若者層からの反発が強く、‘戦争に巻き込むな’、‘戦争に行かされるのは若者である’、あるいは、‘自らが真っ先に戦場に行け’、といった手厳しい批判の声も聞かれるそうです。極一部の私的利益のために戦争が起こされ、組織的な誘導作戦に騙された罪もない国民が犠牲になることはあってはならず、麻生副総裁の発言は、抑止力の強化が目的と説明されてはいても、時期が時期だけに、世界大戦への導火線である疑いが拭い去れないのです。