ココロの手帳にメモっとこう

楽しかったこと
うれしかったこと
忘れたくないから心の手帳にメモしておこう

劇団☆新感線『犬顔家の一族の陰謀~金田真一耕助之介の事件です。ノート』

2007-09-07 23:28:41 | ├お芝居のこと

劇団☆新感線 2007年夏休みチャンピオン祭り

@サンシャイン劇場

作・演出:いのうえひでのり

出演:古田新太・宮藤官九郎・勝地涼・橋本じゅん・高田聖子
    小松和重・粟根まこと・逆木圭一郎・右近健一・河野まさと
    村木よし子・インディ高橋・山本カナコ・磯野慎吾・吉田メタル
    中谷さとみ・保坂エマ・村木仁・川原正嗣・前田悟
    木野花・池田成志

上演時間:3時間(休憩20分)

新感線の“チャンピオン祭り”こと“ネタもの”
ストーリーはタイトルのまんま、『犬神家の一族』のパクリ、いやパロディ。
演出のいのうえひでのりさん曰く、“涙なし、感動なし、あるのは笑いだけ”
というだけあって最初から3時間笑いっぱなしで
ある意味観るのがすごく疲れる舞台。

探偵・金田真一耕助之介(かねだしんいちこうずけのすけ)にクドカン
遺言を残して死んだお屋敷の当主に橋本じゅんさん
その娘姉妹に高田聖子さん、客演の木野花さん
娘婿に古田さん、客演の池田成志さん
弁護士に粟根さん

サンシャイン劇場はこじんまりしたところなので、いつもの“いのうえ歌舞伎”の
ときのような大掛かりで豪華なセットではないけど、
映像をうまいこと使った舞台運び。
オープニングから映画の“松竹”をパクリ、“映倫”じゃなくて“絶倫”みたいな。

とにかくどこもかしこも、パロディだらけ。
冒頭のミュージカルは『オペラ座の怪人』だし、『キャッツ』はあるし。
殺された舞台女優大地マヤの髪型はまるで大地真央。
『千の風になって』の熱唱なんてもう、そこまでやっちゃっていいのかーってくらい。
あと、高田さんのアンジェラアキ。
似てて爆笑だった。
木野花さんがつれてきた電気うなぎの名前が“こういち”で
電気にやられたときに“衝撃ショック!”と言ってたのが個人的にツボ。

笑えるところをあげたらキリがないけど、この日は逆木圭一郎さんが
舞台から落ちるというハプニング有り。
最初はネタかと思ったんだけど、クドカンが本気でうけてて
“今日はもうこれ以上の事件は起きないよー”っと言っちゃうくらい
マジ落ちだったらしい。
いやー、びっくり。
出演者も笑っちゃうっていうところがイイ。
タタリに憑かれた橋本さんの発作は、美空ひばりさんのマネで始まり
途中は日替わりのアドリブらしく、この日はパバロッティ
そんなむちゃブリにもかかわらず、橋本さんはオペラ風に熱唱。
古田さんのさらなるむちゃブリは“板垣退助”
そんなのどうやってマネすんだい?と思ったら
さすがにキビシイらしく、“民衆よ”みたいなこと言ってバタン。
シメは“森繁久弥→まだ生きてるよ”でおしまい。
板垣退助をふられた橋本さんは“幕末は苦手なんだって”と言っていたけど
そのあとの出番のときに“楽屋で思い出したー”と
“板垣死すとも自由は死なず”と言ってた。
おみごと。
橋本さんの“やずや”も大爆笑。

で、サブタイトルの『金田真一耕助之介の事件です。ノート』も実はネタで
事件です。ノート=デスノートっていう。
さらに最後に事件がいちおー解決してクドカンが帰って行く駅の名前が
『犬顔家』にふさわしく『おかわり駅』なんだけど
クドカンが電車と壁に頭をはさまれる衝撃で“おかわり”の“か”の文字が
落っこちて“おわり”になるっていうネタぶり。

いやー本当にみごとなまでのバカバカしさ。
バカバカしいことを本気でやるすごさ。
まずはやってる方が楽しまなくちゃ客席に楽しんでもらえないんじゃないのって
いう姿勢がイイ。
露天風呂でまっぱでアホな歌詞の歌を歌ってるんだけど、
実はすんごい歌唱力だったり、
犬顔家のたたりのきっかけでもある昔話のシーンで
さわやか勝地くんが桃太郎を演じるんだけど、それだけの場面なのに
勝地くんの殺陣さばきが見事に決まってるとか。
あたり前のことなんだろうけどスゴイなぁと思う。

古田さんはいのうえ歌舞伎での悪役がすごく色っぽくてかっこよくて
好きなんだけど、こういうネタもののときのおバカっぷりもまたすごい。
空中横っとびしてたもんね。
この横っとびがまた滞空時間が長いというかいい飛びっぷりなんだな。
カーテンコールのときの水しぶきもほれぼれ。

ぐっさんの席運にあやかって10列目なんていうナイスなお席。
通路をびゅーんっと役者さんたちが走っていくときの風を感じちゃいました。
クドカンは細かったなー。
でも意外とセリフは聞きやすかった。

それから、内容と同じくすんばらしいのがパンフ@2800-



書類袋に入った昭和風な大学ノートなんだけど、この薄れ汚れ具合がたまらない。



一緒に入ってる勝地くんのプロマイドは全部で6種類あるらしい。
さらにすごいのがおまけの文庫本



装丁までもまんまパロディなんだけど、中にはさんであるしおりには
“おしりとしてお使い下さい”って書いてある。
なんて芸が細かいんだ。
巻末の“新感線文庫目録”に並ぶのは“我輩は石である 夏目隕石”とか
“たべくらべ 樋口胃腸”とかネタのオンパレード。
一体ここまで誰が考えるんだろ。
もうお見事、あっぱれです。
やっぱりいいぞ、新感線。

そう言えば、開演前と終演後のロビーにいのうえひでのりさんがいた。
『メタルマクベス』のTシャツ着て、キャップかぶってた。
フツー過ぎ。
あの人から、こんなネタものやあんな歌舞いたものが創りだされるんだなー。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする