ココロの手帳にメモっとこう

楽しかったこと
うれしかったこと
忘れたくないから心の手帳にメモしておこう

『サマータイム』佐藤多佳子

2007-09-12 23:52:53 | 本のこと

『しゃべれどもしゃべれども』以来すっかり好きになった佐藤多佳子さんのデビュー作。

小学5年生の進と1つ上の姉・佳奈、同じ団地に住む1つ年上の広一くんの
幼い出会いと少しだけオトナになった3人のココロ模様。
3人それぞれの気持ちで語られる4つのお話は季節も4つ移り変わっている。

かっこつけてなくて、かざらない言葉なんだけど
なんだか生き生きしている表現が好きだなー。
今までに読んだ2作にくらべると、もうちょっと3人のかかわりあいを
しっかりと読んでみたかったって言う気もするけど
これはどちらかというと季節の情景を読む感じなんだろうな。
広一くんが片手で弾いたジャズのナンバー♪サマータイム
どんな曲が聴いてみたくなった。
夏の終わりの入道雲、夾竹桃のピンク、透明なボールに入ったミントゼリー、
氷の鍵盤。
そんなものたちに想像力がかきたてられる。

前髪が長いからという理由で佳奈たちに“キタロー”と呼ばれているセンダくん
なんだかとってもいい人だった。


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大正ロマン展

2007-09-12 23:33:38 | 月イチ美博のこと
@池袋三越

ヲタクなアニメ映画を観ようと思って行ったら、なんと立ち見。
ありえん。
そんな人気なのかー。

くやしいのでそのかわりに今月の“月イチ”にするつもりだった
池袋三越でやってる『大正ロマン展』に行ってきた。



入り口に掲げられていたご案内文によれば、大正時代っていうのは
“長い日本の歴史の中にあって他に類を見ない独特な社会と文化が
生まれた時代”だそうで。
女性たちが自我に目覚め“モガ”が誕生したのがこの時代。
そのシックでモダンな文化は近年の海外美術界からも注目をあびているとのこと。

今展では、“昔きもの”のコレクター田中翼(よく)氏のコレクションから
きものや版画、ガラス製品、化粧びん、当時の三越のポスターなどが集められていた。

まず最初に目にとまったのが1900年に解禁されたという私製はがき
まさに大正モダンガールというような女性が描かれたハガキ。
橋本邦助さんという方のは丸い文様がすごくしゃれていた。
姓名その他不詳のSINというサインの入った年賀状はおしゃれで
今そのデザインで年賀状だしたいくらいだった。

それから、白粉ケースにもモガの絵。
当時の三越のポスターに描かれているのも女性ばかり。
女性が生き生きと目覚めていく時代の象徴なんだなぁ。

なんと言っても目をうばわれたのは着物たち。
どれも粋でおしゃれで斬新でゼイタクなものばかり。

濃いえんじ色の地に、水色のしゃれたスーツワンピ、朱の帽子をかぶったモガと
口紅、片方づつの手袋とヒールが描かれた帯がなんともお見事。
おっしゃれだよなー。
どんな女性が身につけていたんだろ。

紫のぼかしの着物もかっこよかったなー。
黒地にオレンジっぽい色のトランプ柄の描かれたのも斬新。
遠めに見たらトランプ柄って分からない感じでおもしろい。
広げて飾ると本当に屏風絵みたいに目で楽しめるような
自然美を描いたもの、などなど。

この中でどれかひとつ着てみていいよ、と言われたら・・・
薄い藤色の斜め市松模様の地に、色とりどりの花が刺繍された訪問着がいいな。
藤色の上品さとお花のかわいらしいさ。
いいね~
あたりまえだけど写真撮れないのが残念。

こういうデパートの展覧会っていうのは、たいてい出たところに関連モノを
販売しているコーナーがあるんだけど今回ももちろんあった。
昔きものの本や日本の色の名前の本、襦袢の柄の本まであった。
あとは『LUNCO』っていう古裂を扱ったお店が出店。
古布かわいいけどけっこうなお値段するんだよねー。
本も前から欲しいと思っていたのもあったけど、いかんせん今はネイルの
おかげで懐がさみしいのでガマンである。
美術館みたいに展示品のポストカードがあればいいのにな。

思った以上に食いついてしまった大正ロマンでした。


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