今回は「大阪都市魅力創造戦略」のお話でっせ。
2015年にオープンした大阪市の「てんしば」と
堺市にオープンした「利昌の杜」を総括しまひょ。
堺市の施設は「りしょのもり」と言いますんや。
まずは「てんしば」でっけど2015年10月1日に
近鉄不動産(近鉄グループ)が大阪市から天王寺公園の
エントランス部分の約25000㎡を賃貸で受託して
7000㎡の芝生ゾーンとカフェやレストランの
ゾーン他を完成して、取りあえずスタートしましたんや。
(てんしば コーポレート)
(てんしばの 出入り口)
地方自治体が観光PR等の文化施設を建設する際には、普通は
委託料を民間業者に支払い事業の運営を任せ、予算を設定して
管理料を払い、利益がでれば自治体の会計に繰り入れるそうですわ。
当然ながら赤字がでれば税金で毎年補填することになりまんな。
全国で自治体が造った施設は殆どが赤字だと聞いてまっけど。
(大阪市の マンホールの蓋)
「てんしば」は新しい方式で、近鉄不動産と契約が結ばれ
年間3000万円の公園使用料を納めてもらえば、20年間
管理や運営には大阪市は一切の介入をしないんだって。
2035年9月30日までの長期契約とか恐れ入りますな。
契約終了の際には、更地に戻して大阪市に返却だって。
だから~黙っていて、年間3000万円が儲かる訳でんな。
今まで従事していた人件費や管理費がゼロで一石二鳥でおます。
人員は他の部門へ異動させ市民サービスの向上に向けるとの事。
地元の近鉄さんが手を挙げたから、特殊の例かもしれないけど。
(昔の天王寺公園 東側出入り口)
2013年(平成25年)までのお話でっけど。
ドーム型の天井が見える所で大人1名150円の入場料でした。
申し訳程度の花壇やベンチが置かれているだけでボッタクリやと
市民からの批判があり、入場者は年間で18万人~19万人前後。
イベントが行われても150円を徴収されるので不評でんがな。
誰が考え出したのかは知りまへんけど、天王寺公園の一部を
民間企業に貸し出して、天王寺・阿部野地区を活性化する。
橋下市長の置き土産の感じで民間に委託を公募しましたんや。
(改修工事中の天王寺公園)
あべのハルカスを中心とする天王寺・阿部野地区に全力を掛ける
近畿日本鉄道が名乗りを挙げたのが2014年10月でした。
「民が主役 行政はサポート役」これが合言葉でしたかな。
流石は民間企業でっせ、1年間で「てんしば」オープンですわ。
近鉄さんは約13億円~14億円を投入したとの噂でっけど。
それに対して大阪市は周辺整備に4億円ぐらいで収まったとか。
トイレなどが凄く綺麗になったのには感心しまっせ。
有料の施設は有るけど、入場料がゼロとは有り難いでっせ。
「あべのハルカス」や通天閣などを含めて、夜景の新しい
スポットとしても、売り出し中とも聞いてまんねん。
(てんしば 内部の画像)
「てんしば」の愛称になっている芝生広場は人工芝じゃなく
天然の芝生を植えて、子供やカップルに喜んでもらうとか。
でも~ 大勢の人が芝生広場に入るので、今後の管理や維持に
近鉄不動産は予想外の経費が増えるのではと心配に?
カフェやコンビニやレストランから賃料などが、近鉄さんに
入るけど年間3000万円なら赤字は間違いないかも。
「あべのハルカス」や天王寺・阿倍野地区が活性化すれば
年間の1000万円~1500万円の赤字は安いかな?
一方、「てんしば」より半年ほど早くオープンした堺市の
「利昌の杜」のお話をさせてもらいまひょ。
(堺市 利昌の杜=りしょのもり)
ここは堺市の市立病院の跡地で20年間ぐらい放置されていた?
反大阪維新の竹山市長の率いる堺市が約40億円を投入して
完成後は民間に委託料や管理費を支払って運営する従来型。
この施設は堺市が生んだ茶人の「千利休」と同じく歌人の
「与謝野晶子」を合わせて「利昌の杜」と名付けたそうですわ。
この建物に隣接する「スターバツクス」のカフェや豆腐料理の
「梅の花」は和風の建物で、凄く人気のある施設になってまっせ。
でも昨年の入館者数が無料含む約45万人に対して有料の方が
約16万人と聞きますので、初年度から赤字ではないかと?
テナント料と駐車料金を含めて年間収入が約1億円ぐらいかな。
この「利昌の杜」に関する堺市の年間予算が約2億円超との事。
差し引き、年間で約1億円ぐらいの赤字が続くようでっせ。
(利昌の杜 館内の展示物)
鉄ちゃん爺やも、一度だけ訪れたんでっけど、殆どが複製ばかり
与謝野晶子の本が展示されているぐらいとの話でスルーしました。
(利昌の杜 反対側が千利休の屋敷跡)
この辺りは、昭和20年のアメリカ軍の空襲で殆どが焼失でした。
こじつけで、井戸や敷石がおますけど、歴史的には疑問符が?
(堺市 利昌の杜PR 花壇)
千利休や与謝野晶子に興味の有る方は一度は訪れるでしょうが
リピーターとなれば、期待は出来ないんではと考える次第。
今から思えば、ホテルの誘致をした方が良かったかもとの噂。
毎年ながら約1億円以上の赤字を、何年ぐらい続けるのかしら?
従来型の「行政が主役 民間がサポート役」の典型でっしゃろ!
再び大阪市の「てんしば」に戻りまひょ。
(天王寺動物園と てんしばの連絡口)
天王寺公園は動物園を含めると約28万㎡もある大阪市の施設。
天王寺動物園も平松元市長の時代に投資がゼロに減らされて
年間入場者が約190万人から約116万人まで急落。
橋下前市長の時代に新しい園長を迎え戦略の練り直しがおました。
「ナイトZOO!」という志向で夜の動物園を一般に公開。
これが~ 人気で「てんしば」の評判と合わさって平成27年度
動物園の入館者は約160万人に盛り返してきたとの事。
平成29年度の目標は約260万人との強気の姿勢でっせ。
「てんしば」が工事中の平成26年度の入場者は約136万人。
近鉄グループとテナント各社さんの腕の見せ処でっしゃろな。
この5月中は「オクトーバーフェスト2016」のイベントで
ドイツのビールを招いて、賑やかな催しをやっているんだって。
昔は10月頃のイベントだったけど細かい事は言いまへん!
(てんしば テナント施設附近)
「てんしば」はオープンした2015年10月の1か月間で
入場者が約45万人に達したと発表されてまんな。
広場は無料なので、どうしてカウントしたのかは不明?
でも~ 子供連れのリピーターは多いように感じまっせ。
有料だけど、子供が安心して遊べるキッズランドや愛犬の
ドッグランやトリミングができる施設などもおますんや。
他にもフットサルの施設やオープンカフェにピッツアや
肉の炉端を売りにするレストラン等。
やはり民間ならではのアイデアが人気を呼んでますかな。
これからも年内にオープン予定のゲストハウス(宿泊施設)に
国際観光案内所と観光バスの待合室などが予定されてまっせ。
あべのハルカスの近くには大型バスを駐車する場所がおまへん。
天王寺公園の南側に路上のスペースを設けている程度で
それも10台前後しか停められないのでこれは良いアイデア。
最後に珍しい画像を2枚だけ貼り付けて置きまひょ。
(現在の JR天王寺駅ビル)
(昭和40年頃の 国鉄・天王寺駅ビル)
鉄ちゃん爺やの高校卒業後に天王寺駅ビルは完成。
当時は天王寺ステーションビルと呼んでましたな。
当時に流行した「民衆駅ビル」で国鉄に近鉄や南海
都ホテル等が参加した大阪では初の駅ビルだっかも?
画像の右手にMIOビルが加わったけど左側は現在も
都ホテルなどで、当時と外壁の色が変わっただけかな。
懐かしい、大阪に市電が走っている風景でっせ。
ほんなら、今日はこれで、さいなら~♪