原キョウコ ダンスセラピーラボ

ダンスセラピーという手法を通して心身の解放をサポートし、心と身体と魂をつなぐことを目標に、研究を重ねている場です。

「御渡り」のはなし

2025-01-31 | シャーマンズゲート
諏訪に行くといつも参詣する八剱神社。
ここの宮司さんは代々御渡りの観測を行なうお役目を担っている。

1/18、宮坂宮司さまが御渡りについてのお話をされるということで伺ってきた。

「御渡り」とは:
諏訪湖が全面結氷すると南の岸から北の岸にかけて氷が裂け
高さ30cm〜1,8mくらいの氷の山脈ができる現象

参加のほとんどは氏子、あるいは総代の方々だったが
私のように氏子ではないであろう方々もちらほら。

1/5   観測初日の温度はー6,8度 東側に5mmの薄氷
1/10  ー4,8度 しぶき氷
などなど、まずは今年の氷の状態を説明される。

そしてChanging Climate Changing Lives国際映画祭で
2024年ドキュメンタリー部門で審査員大賞を取った
映画「御渡り」を見せていただく。
日本からは5つの作品がエントリーされたそう。

御渡りは1683年から記録が残っている。
なんと580年分の文書がある。

マイナス10度が3日続くと全面結氷する。
結氷し、日中膨張した氷が夜中に裂け
まるで蛇が通ったかのような軌跡になる。
それを「御渡り(みわたり)」と呼ぶ。
(同様の現象が北海道の屈斜路湖でも観測される。
こちらは約40年前に発見されたそうだ)

氏子さんは観測の3日前から紙垂しめ縄を飾り
3日間精進する。濁ったものは摂らないそうだ。(味噌汁など)
当日はそのしめ縄を身体に巻いてお祓いを受け、観測の港に向かうそうだ。
八剱神社には「御渡り帳」が伝わっているが
諏訪の大祝にも絵図が伝わっている。
大祝からは室町幕府の奉行所、そして京都まで届けられたという。
かつて幕府にしていた報告を
諏訪大社から宮内省に言挙げし今日に至るとのこと。

10年に一度は「明けの海」(御渡りのない状態)であったが
1951~2000は 22回。22/50が明けの海
2000~2023は 16回明けの海であると…

日本人の信仰は自然への「畏れ」から始まったのでは、と宮司は仰る。
自然すべてのものにはいのちが宿っている。
そして自然により季節の移ろいを知る。
気候により風土が生まれ、
風土から生まれた御渡りの拝観。

しかしその気候が狂ってきているのがこの記録を調べてみると
よくわかる、と。

この映画祭には料理家の土井善晴さんのドキュメントもエントリーされていたそうだが、30年後北海道では昆布やワカメが取れなくなるのではという話をされていたとのこと。(海水温上昇ということだろうか)

毎年、寒い中に観測されている宮司さん、総代さん達には頭の下がる思いだが
今年は御渡りが観測されますようにという気持ちも年々強くなっている。

夏の異常な暑さ、そして年々春と秋が曖昧になり短くなっているのも
みなさま感じていらっしゃるでしょう。

一人でも多く
気温や気候、自然の状態を日々感じてみるだけでも
地球環境への意識は変わってくると思いたい。
少なくとも人間にとって快適なことばかりを追求する時代は終わっている。
我々はもっと自然に対して謙虚にならなければいけないよね。

そういう意味でも
今年の御渡りを祈るような気持ちで見つめ続けています。







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