(これは大洞山から見た高見山でしょうか。突出していて孤高です!)
月曜日、実家から家に帰ってみたら、なんと「スーパーマン」(1981)をBSでやっていました。最後の方だけ少し見させてもらいました。
レックス・ルーサー(ジーン・ハックマン)がカリフォルニアの断層めがけてミサイルを発射して、目論見通りに断層が大きく動き、大地震が起きました。けれども、スーパーマンの活躍で地震源は抑えつけられ、小さな被害だけになった。
たまたまそこを取材していたデイリーポスト(?)の女性記者(マーゴット・ギダー)は地震に巻き込まれ命を落としてしまう。
地球の歴史を変えてはならない、という父の教えがあったけれど、スーパーマンは地球の時間を逆回転させ、彼女を救い出し、レックス・ルーサーも捕まえて刑務所に放り込みます。
そして、彼はゆっくりと去っていくのでした。このシーンは、ワイヤーでつるされてるので、動きがゆるやかで、それがとても自然で、スーパーマンの空を移動する速さは自在で、浮遊しているのかと思えば、地球だって逆回転させる力もあるし、変幻自在なのです。
そうした映像というのは、今の若い人たちにはとてもチープに見えるんだと思われます。それが残念です。みんなCGによってイメージは作られてるから、もっと速い動きでも着いて行けるし、むしろそっちの方に魅力を感じるのだと思われます。
私みたいな、ミニチュアや、ストップモーションや、アナログ特殊撮影育ちの人間は、そうしたものから自分でイメージを再構成させて取り入れてたのだと思いますが、若い人は瞬間的で猛烈なスピードの刺激を受け入れてるから、ダメかもしれません。
でも、そうした世代の人たちも、あと何十年もしたら、80~2000年代までのCGを使わない特殊撮影の魅力を感じる時がきっと来ると思います。
それまで、あとしばらく、スーパーマンは休息が必要です。今風のCGスーパーマンなんて作ってはいけない。
そして、主役のクリストファー・リーブさんは、もうかなり昔に、落馬事故があり、体が不自由になり、それでも活動されてたけれど、亡くなってしまわれました。
体が不自由になってから、こうしてチャレンジする姿をみんなに見せていきたいと頑張っておられたのに、私はそういうところまではフォローできなくて、気づいた時にはもう新聞の小さな欄にお名前が出ているだけでした。
きっとリーブさんの伝記はアメリカでは出ていると思います。私は、そういうのを読めないはずだから、ただいつか「スーパーマン」が復活する日を夢見ています。そして、毎日、クルマの中でテーマ曲を聞いて、感動しつつ、寂しい気持ちにもなって、気づいたら家に帰ってたりするのです。
そして、スーパーマンは実在しないかもしれないけど、イメージでは飛ばせることができるし、自分のイメージが空を浮遊することだってできてしまう。
別に霊魂にならなくても、私たち古い世代は、空から地表を見下ろすイメージ力はずっと育ててきたような気がしているんです。気のせいかもしれないけど、そう思いたいのです。