甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

聞きたい私、聞けない私 その2

2021年07月27日 21時41分44秒 | ことば見つけた!

 人から話を引き出すのは簡単なことではありません。自分のことをあれこれ話したい人はいるだろうけど、そういう人の話はわざわざ聞く必要はありません。たぶん、何度も語っているだろうし、みんながここで受けるだろうとか、受けるのがうれしいんでしよう。

 それが芸になっているんだったらいいけど、お仕事としておしゃべりをする人というのは、そんなにペラペラ話さなくなってしまう。噺家の師匠とか、お笑い芸人さんとか、テレビカメラが回ってるときは面白おかしくするだろうけど、カメラがない状態だったら、ブスとしたり、素のその人になってしまうみたいです。タモリさんだって、いつもニコニコしているわけではなかったんです。

 だから、たいていの人は、知らない人にはしゃべりたくないし、自分の中にあれこれしゃべりたいものを持ってても、いろんな局面でブスっとしていることが多いと思います。そして、オッサンは二極化して、あれこれしゃべりたがる人といつもブスっとしている人に分かれてしまう。どちらかというと、7:3くらいの割合でブスとしているひとが多い気がします。だから、オッサンはおしゃべりするには、お酒が必要になるのでしょう。お酒の力で自分のガードを外したいんじゃないかな。

 振り返って私は、外でも、家でもブスとしていて、散歩のときにボソボソとしゃべるくらいで、何にもしゃべらん人になっています。頭の中はカラッポで、自分の中に語るべき何ものもなくて、モンモンとしている日々ですね。

 私に何が語れるというんでしょう。何にもないね。どこかで見つけた何かを、さも大事のようにブログに書いてみるけど、たいていは空っぽです。残念ですね。

 空っぽのくせに、毎日のブログを続けようとしているんだから、大変なことです。



 というんで、聞きたいということ、聞けないということに関してなんです。

 今、マスコミの皆さんは、ニュース性があるというので、卓球の混合ダブルスの二人、毎日プレッシャーに押しつぶされそうになっている柔道の選手たち、スケートボードの最年少金メダルの女の子、体操の内村君、いろんな人からコメントをもらおうと食い下がっています。

「今のお気持ちはどうですか?」
「今このメダルを獲得して、それを誰に伝えたいですか?」
「ご家族の皆さんに一言どうぞ」
「ファンのみなさんにひとことお願いします」

 ああ、もう型通り過ぎて、テレビカメラって、決まりきったことを訊ねて、決まりきったことを答えさせようとしている。そりゃ、人とは違うコメントをできる選手もいるだろうけど、たいていの場合は言葉がなかったり、何とも言えない感情だったり、とても悔しかったり、抑えきれない感情を押し殺して、言えることだけを話したり、あまりマスコミの期待するコメントが言える人はいないみたいです。テレビのインタビュー必要ないくらいに当たり前になっている。それを私たちは求めているの? そうなのかもなあ。

 プロの野球選手たちは、コメント慣れしているのか、こういう風に言いたいとか、こんなコメントでみんなの心に届けたいとか、プレーしている時もそうだけれど、コメントを求められても、イメージを追求しているから(イメージトレーニングしているから)、おもしろおかしいコメントが言えるみたいです。それくらいヒーローインタビューというのが試合の一部になってて、少し軽くなっている。何もコメントできないくらいに感動していて、言葉が出ない野球選手って、長く見てないけど、そういう場面をどこかで見たような気もします。めったに見られません。



 できることなら、心のこもった一言を聞かせてもらって、「ああ、いいものを見た。ステキなことばを聞かせてもらった」というのを見せてほしいけど、テレビカメラでは無理だと思っています。

 そういう場面を見たかったら、ずっとテレビを見続けなきゃいけないし、うちはテレビの部屋にはエアコンはないし、もうテレビはなるべく見たくありません。パソコンもそんなに見たくないんだけど、ついつい癖で見ているだけです。ステキなことばに出会うこともありませんね。本さえ見てないもん。


 まあ、そう短気にならないで、自分の見られる範囲で、たまたま見つけたもので、ステキなのがあったら、「ああ、よかった」と思えばいいわけで、ガシャガシャ言わないのが大事です。

 人は、あまり自分というのを見せたくなくなっている。本当はあれこれ知ってほしい部分もあるんだろうけど、そういうのは他人に見せなくてもいいわけだから、家族や知り合いにポツリと言えばいいんでしょう。

 でも、人は、そういうのこそ聞かせてほしいし、参考にしたいところもあるわけで、いろんな人の間の中で、コメントをどこかから取り出して来ようという人が生まれますけど、たいていは失敗していて、みんなが孤立している。

 ネットには、孤独そうなコメントもあるみたいだけど、そういうのはたいていワナと決まっていて、入ってしまったら大変です。

 というんで、どこにも行けないわけですね。コメントかぁ。そういうの落ちてないんだよなあ。取り出して来なくちゃいけない。

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