何日間かかけて、やっとこの本を読み終えました。「古くてあたらしい仕事」って、本屋さんということみたいでした。
島田さんは、10年やってきたそうです。たったの一人で! 若いのに、しっかり者です。
小さな仕事は、小さなきっかけからはじまる。
だれかの一言から。ふと思い出した記憶から。昨日読んだ本の一節から。
それは、市場に転がっているのではないし、業界内の特別なコネクションのなかにあるのでもない。
それは、人と人とのあいだにある。
だれかを喜ばせたいという気持ちで、なにかをつくろうと考え、そのためにだれかの力を借りる。それはぼくの仕事のように形をともなうものかもしれないし、すぐに消えてなくなってしまうものかもしれない。
でも、だれかのための仕事は、世の中が便利になっても、消えてなくなるものではない。
それが、この仕事を10年続けた、ぼくの結論だ。
『古くてあたらしい仕事』島田潤一郎(新潮社 2019)
島田さんは、ひとり出版社というのをやってきたそうです。そして、本屋さんは、私たちに古くて新しいことを教えてくれるところみたいです。