甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

別れの予感、当時はわかりませんでした。

2015年03月17日 22時08分02秒 | Back To The 80's
 お風呂に入って、せっかくヒゲ剃っても、小鼻のまわりにちょびヒゲが残ります。もう何年も使っている4枚刃カミソリはよく切れるのに、じいさんになってコバナがどんどんふくらんでしまって、そのまわりまで刃が入り込めません。ザンネンです。だから、別のカミソリで特別に鼻の下やコバナのまわりを剃らなきゃいけません。

 こちらは小回りはきくけれど、肌をいためるのか、鼻の下がテカテカになります。今は1日マスクをしているからバレないけれど、マスクがいらなくなったら、またテカテカの鼻の下を会う人ごとに披露しなくてはならなくて、なんだか恥ずかしいというか、情けないというか、うす汚いというかです。

 まあ、だれも私の鼻の下なんか注目しないでしょう。そりゃもう、フツウにみっともない中年ですから、そんなもんだと思われるだけかな。自分が思うほどよその人は私の顔なんか興味がない、というのはわかってるんですけど……。

 若い頃はどうだったかな。若い頃、私はものすごく狭い範囲のものしか受け入れられませんでした。広い世界があるというのは頭ではわかっていました。けれど、その広い世界を知ろうともせず、自分の知っている小さな世界の中から、特別に自分が選んだものだけを信じて、それにこり固まっていました。それがすべてだと広言していた。強がりなのか、世間知らずなのか、単なるバカなのか、そのすべてか。たぶん、そのすべてですね。



 テレサ・テンさんという歌手がいましたが、演歌なのか、アジア民謡なのか、色物なのか、とにかく冷たい目で見て、はなっから相手にしていませんでした。

 「時の流れに身をまかせ」、あなたの色に染められ、1度の人生それだけ……と、1986年頃には歌って、ヒットしたみたいですが、全く相手にしてないというか、バカにして、そういう曲を好む人たちさえもバカにしていた。

 実は、そういう人たちの方が社会的には安定し、高収入を得て、立派な家庭を築いているのに、そういう立派で安定した生き方からも距離をおいて、何がやりたいのかわからないまま、自分自身は偉そうな態度でいるけれど、お金はなくて、仕事もなくて、とんでもない社会のつまはじきものでした。

 それからしばらくして(何年か経過します)、団体旅行に参加しました。若い人もオバチャンもいろいろな人が一緒にバスに乗っていました。長崎の雲仙から阿蘇経由で博多までの移動です。団体さんなので、みんなが下手くそなカラオケをします。大人も若者も自分の好きな歌を歌いますが、あまり上手に聞かせてくれません。みんなわがままに、好き勝手に歌っています。何だか悲しくなるような団体旅行のバスでした。



 うしろの方でだれかがマイクをにぎり、イントロが始まります。静かな曲らしい。今みたいに、次の歌はこれですとテレビモニターにうつる形ではなかったので、何が始まったのかわかりません。スローテンポで、若い女性の声です。内容がすぐにはつかめないけれど、女と男の別れの歌らしい。なかなか上手だなと思い、外の景色を見ながら、その子の声と歌に聞き惚れていました。

 歌い終わると、万雷の拍手で、ヤンヤヤンヤの大騒ぎ、しばらくのカラオケ地獄を忘れさせてくれて、とてもさわやかな気分になりました。それで、すぐになんていう歌と訊けばいいものを、それを訊くこともせず、とにかくつい今さっき、このバスの空間に流れた高校生らしき女の子の歌をかみしめていました。
 
 といっても、実態がつかめていないので、歌謡曲らしい。この歌を持ち歌にしている歌手はテレサ・テンらしい。というのが、その時につかめた事実で、曲名まではわからなかった。



 今なら、インターネットを駆使して、いろんな曲を聴けば、見つかるかもしれないのに、当時はテレビなどでテレサ・テンさんの歌をチェックするくらいしか、知る方法が無くて、結局、その歌が「別れの予感」であると知ったのは21世紀になってからで、CDをブックオフで買ったのは数年前でした。

 コピーして、またブックオフへ持って行き、パソコンに「別れの予感」と「時の流れに……」の2曲をコピーしただけですが、断然「別れの予感」がよくて、これを聞くだけで、すぐに20数年前のバス旅行の車窓の人になれる感じがします。

 そして、お仕事の帰りに、「泣き出してしまいそう、痛いほど好きだから……」とか、1フレーズ歌ったら満足して、アクセル踏んで帰ってくるだけです。

 ただ、昔の記憶につながるから、今も聞いて楽しんでいるんでしょうか。それもありますが、それだけじゃない気がします。テレサ・テンのくわしいプロフィールは知らないし、自分が痛いほど好きな人と悲しい別れをしたわけでもありませんが、テレサ・テンさんの人生がドーンとやってきて、自分はその何分の一も知らないけれど、少しだけ人生みたいなものを、何となく感じられるような気がして、いいんでしょうか。

 よくわかりません。youtubeを見ていると、岩崎宏美ちゃんも、中森明菜さんも歌っています。でも、歌上手の彼女たちでは何だかダメです。あまりその気になりません。ということは、団体バスの高校生とテレサ・テンさんしか私を感動させてくれない。これはもう出会いですね。もう他の人の歌ではダメなんでしょう。これはたぶんうちの奥さんが歌ってもダメですね。うちの奥さんはもっとかわいらしい歌の方が上手で、うちの奥さんに「別れの予感」は似合いません。

 いい加減なことを書きました。でも、私はこの2、3日はクルマの中で歌いながら帰っています。いい気なものですね。



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