
孔子さんのお弟子さんの冉有(ぜんゆう)さんと季路(きろ)さんが、魯の国の季氏さんのところでお勤めしていた時の話です。
いつも権力者は自らの権力の拡大を図ります。現状維持で満足する権力者なんていません。世の中は食うか食われるかの流れがありました。弟子たちを教えている孔子先生のところに、二人はやってきます。どうもスカッとする感じではなくて、何だか言い訳に来た感じです。
季氏(きし)、将(まさ)に顓臾(せんゆ)を伐たんとす。冉有・季路、孔子に見(まみ)えて曰わく、「季氏将に顓臾(せんゆ)に事(こと)あらんとす。
魯の国の家老である季孫が、保護国の顓臾を攻め取ろうとする状況でした。冉有と子路が孔先生にお会いしていいました。「季孫さまが顓臾の国を占領しようという状況になっております。先生、何か私どもにお話しくださることはありませんでしょうか。」
魯の国の家老である季孫が、保護国の顓臾を攻め取ろうとする状況でした。冉有と子路が孔先生にお会いしていいました。「季孫さまが顓臾の国を占領しようという状況になっております。先生、何か私どもにお話しくださることはありませんでしょうか。」
「あなたたち、戦争を前にしてノコノコと私の前に現れるなんて、私に何ができるんだよ! バカ! 私に戦争を認めろと言うのかよ!」なんて、孔子先生は絶対にそんなことは言いませんよ。弟子たちはどうしてそんな直前に来たんでしょう。それを踏みとどまらせる努力をしたんでしょうか。それとも、焚きつけたのか? いや、そもそもどうしてそんな好戦的な権力者のところで仕事しているんだろう。根本が間違っていますね。
いや、権力者なんて、本質は同じだから、みんな権力拡大を目指すんですね。ブレインとしてのお仕事は、そういう権力者をいかに平和的に指導していくか、それが大事でした。基本は、とんでもない主君のところへ飛び込んでいくんでした。戦争・殺人・虚偽なんでもありの恐ろしい世界で仕事をする、そういう気構えが必要なんですね。

孔子曰わく、「求よ、すなわち爾(なんじ)是(これ)過(あやま)てること無からんや。夫(それ)顓臾(せんゆ)は、昔者(むかし)先王(せんおう)以て東蒙(とうもう)の主と為(な)し、かつ邦域(ほういき)の中にあり。是(これ)社稷(しゃしょく)の臣(しん)なり。何を以てか伐つことを為さん。
先生はおっしゃいます。「求くんや、あなたは間違っていないですか。あの顓臾という国は、はるか昔の周の王さまが東蒙の山のあるじとされた国です。それくらいに古くから認められていた国でした。しかも、もともと魯の領土の一部として存在していました。ということは、私たちの国の魯の国の譜代の家来でしたよ。それをどうして侵攻しなくてはならないんですか。」
何の言い訳もできないですよ。権力者は、自国の領土内の自治州みたいなところを直接統治するというのか、自分の領地にしたかっただけなのです。東京都が山梨県を併合するとか、大阪府が和歌山県を併合するとか、そんなのあり得ません。実は住民はどっちだっていいけれど、権力者たちがムダな戦争やら、言い争いやら、人を無理やり酷使したり、ムチャなことをされるのが一番迷惑なんです。でも、権力者はやりたいらしい。
先生はおっしゃいます。「求くんや、あなたは間違っていないですか。あの顓臾という国は、はるか昔の周の王さまが東蒙の山のあるじとされた国です。それくらいに古くから認められていた国でした。しかも、もともと魯の領土の一部として存在していました。ということは、私たちの国の魯の国の譜代の家来でしたよ。それをどうして侵攻しなくてはならないんですか。」
何の言い訳もできないですよ。権力者は、自国の領土内の自治州みたいなところを直接統治するというのか、自分の領地にしたかっただけなのです。東京都が山梨県を併合するとか、大阪府が和歌山県を併合するとか、そんなのあり得ません。実は住民はどっちだっていいけれど、権力者たちがムダな戦争やら、言い争いやら、人を無理やり酷使したり、ムチャなことをされるのが一番迷惑なんです。でも、権力者はやりたいらしい。

そうだ、大阪の権力者たちは、関西圏というのを作ると主張して、そこのトップに立って、独立国みたいにして、「活性化・地域再生」とか言えばいいや。すべてはムダなんだけど、奴らなら言いかねないな。
冉有(ぜんゆう)曰わく、「夫(か)の子(し)これを欲(ほっ)す。吾れ二臣(にしん)は皆な欲(ほつ)せざるなり。
冉有が答えます。「先生、それは私たちのご主君のお考えなのです。私たち二人はその考えには反対しております。」
冉有(ぜんゆう)曰わく、「夫(か)の子(し)これを欲(ほっ)す。吾れ二臣(にしん)は皆な欲(ほつ)せざるなり。
冉有が答えます。「先生、それは私たちのご主君のお考えなのです。私たち二人はその考えには反対しております。」
さあ、わかっていたら、それを止めなさいよ。というのは理屈です。でも、お仕事というのは、わかっていても、理屈ではいけないことだと思いつつも、仕方なくやらざるを得ないものかもしれません。でも、自分に正直な生き方ではないし、ものすごくストレスフルな生き方です。
いや、ストレスをもみ消して、冷血漢として、淡々と戦争を始めますか。戦争を現場でさせられる兵士はたまったものではありません。でも、たいてい戦争というのは個人の感情など無視して、行われるものでした。徹底的に非人間的な行為でありながら、人間だからこそ引き起こす、とんでもない人間的な行為でしたね。

さあ、どうなるんでしょう。続きは今度にします。
今朝のニュースでは、「ロシアは近いうちに侵攻するだろう」とバイデンさんは語ったそうです。これがもっと若い大統領だったら、すぐにモスクワに飛べたでしょうか。いや、プーチンさんに直接会っても事態は何ともならないかな。ブリンケンさんが行っても、とぼけたお役人風のラブロフさんが取り合わないかもしれないな。ラブロフさんなんて、王様にお仕えする道化なんですから、つまらないギャグは言えるだろうけど、真実の言葉は吐けないや。彼には意志なんてものはないんだから。すべての意思はプーチンさんの胸の中なのか。
ああ、ロシアって、どうして独裁者が好きなんだろうな。というか、独裁者しか国を取り仕切れないのかなあ。