近ごろ、ずっとお片づけをしています。エンピツだって、もう少し手元に転がっててもいいはずなのに、どういうわけか、みんな箱に入れられてたり、ペン立てに入れられています。
さあ、何か書こうという時には、転がっているのはボールペンたちでした。それは各種ありますけど、最近は無印の0.38mmと0.5mmを使っています。あいかわらずブルーブラックが好きなんだけど、黒も混ざってて、書いてみたら真っ黒けでドキッとします。鮮やかな黒い文字というのは、それはわかりやすいんだろうけど、私みたいなアヤフヤな人間には、ブルーブラックの何とも言えない色合いが落ち着きます。
まあ、なかなかペンで書かせてもらうチャンスはないし、たまに何かを書いて、「あら、これブルーブラックですね」と不満そうな声を聞くと、悲しくなります。こんなにブルーブラックに市民権がないなんて、世の中はどこまでも黒文字で進んでいるようです。
私は変てこなものが好きらしい。
もう、かなり昔のこと、十数年前でしょうか。刈谷の美術館で、チェコのアニメーション作家たちの展覧会というのがありました。
その中のメインの人が、イジー・トゥルンカという人で、代表作はいろいろあるみたいなんだけど、私はどれを見たのかはっきり憶えていません。
でも、どれも何だか魅力的で、それぞれのお人形さんたちのいじらしいこと。人間にもそういういいところがあるのだとは思うけれど、作られたキャラクターが、作家のイメージ通りに動いてくれると、もう純粋な何ものかを伝えてもらう感じで、好きになりました。
でも、あれから、DVDもブルーレイも買わないで、棚ぼたでテレビでやる時に見ようと思っていたら、もう十何年です。こんな風にしていたら、二度と会えないから、動画コンテンツで見ればいいんでしょうけど、なかなかそこまでしようとは思わない。
何かきっかけが必要です。小さい子がいれば、一緒に見て、その反応を楽しむんだけど、うちには小さい子はいません。アホウのおっさんの私と、その妻と子で、小さい子はいなかった。
せめてもの記念のペンケース。大事に袋に入れてたのに、ある時気づいたら、奥さんが何かの機会にペンケースが必要になって、持って行ったことがありました。その時だけでしたが、もう袋はなくなっていた。
それで、そのままその辺りに転がっています。私さえ、大事にしてあげたら、むしろバンバン使ってあげたらいいのに、ペンケースを使うという習慣がなくなっていました。
またいつか、うちのペンケースが輝く時、いつか来るでしょう。新しいのは買いません。今のを大事にします。トゥルンカも、そのうち動画で見てみましょう。なかなか動画というと、ハードルが高くなります。どうしてなんだか?