女子スピードスケートの韓国チームは、パシュート(追い抜き)種目では、準々決勝で敗れたそうです。直後のインタビューにおいて、中心選手の1人が遅れた選手を責める発言を行い、残りの人と一緒に遅れた1人を無視する行動を取ったということがあったんだとか……。
何事にも闘志むき出しで向かうのが韓国流かなと思っていました。ですから、女子であろうが、アイススケートであろうが、ガンガン闘志をお互いに投げ合うものなのだと理解しています。だから、今回報じられた行動・言動も韓国では当たり前なのではないかと思いました。
「お前のせいで私たちはチームとして負けた。私はそれが悔しい。お前がもう少し頑張ればチームは勝てた」という論理は、よくあることではないかと。
もちろん、遅れた選手は大泣きして責任を十分自覚していたでしょう。まあ、日本チームのように練りに練ったチームではなかったのだから、個々がばらばらでほころぶのは当たり前なのに、遅れたことは許されず、あなたのせいで負けたと二人は責めてしまった。
同じチームとしてやってきたのだから、本来であれば、「仕方がない」「私たちみんなの力が足りなかったのだ」「遅れたかもしれないけど、あなたは頑張ったのよ、それは仕方がない。また次の機会に挽回するんだ」と、ねぎらわねばならないところを、かくも切り捨てた二人。なんと韓国の人々は抗議やら非難が殺到させ、二人をナショナルチームとして恥ずかしい発言・行為であり、追放すべきだという声が起こったということでした。
部外者の私なんかは、この韓国の人々の反応の方が意外で、ああ、そういう反応もできるんだと見直したくらいでした。もっとコテコテの個人主義で、自分さえよければいいみたいな感じが広がっているのかと思っていました。でも、そうではなかった。
なにごともとことんまでやらねば気が済まない韓国流ではあるけれど、二人のスポンサーは打ち切りを宣言し、追放も考えられているという話でした。続報は知らないけれど、そんなにいっぺんに手のひらを反すようなことはしてはいけないし、十分社会的な制裁は受けたのではないかと思います。この前、ネットのニュースで書かれていたところでは、自分たちの行動・言動を反省しているということでした。
そんなにいっぺんに態度を変えるのもどうかと思うけれど、チームの仲間を問い詰めるような態度はよくなかったと他人ながら思います。やはり、いたわりあって欲しかったな。
そして、韓国世論も、よくぞわがまま・無責任・自分本位の選手を問い詰めたとほめてあげたいです。
仲間を、だれかに売り渡したり、平気で責めたり、無視したり、仲間の悪口を広言したり、そんなことはしてはいけない。
あれ、そうだ。これは今の世の中のSNSとかで広く行われていることらしい。それを実生活で、それもトップ選手たちが堂々としてしまった。いくら普段みんながそうしているとしても、堂々と見せられたら、それはいかんだろうと社会的な制裁が下ったということじゃないかな。
二人を責めた世論を作った人々も、実は実社会では同じことをしているのだと思います。それを自省はこめずに、ひたすら突出した人を責めることにした。これが私たちの社会なのだと思われます。
普段の自分は問わない。とにかく目立ったり、仲間を売り渡すようなことは許さない。たとえ自分がこっそりしていたとしても、それは許す。ああ、なんということだ。
オリンピックのトップアスリートは、それなりの人々だと思っていましたが、それは一部の人であって、たいていは私たちレベルのとんでもない人々だったのだと思われます。
ああ、そんなものか。
それから、同じ日に、スケートで負け続けていたアメリカのNBCの女性キャスターは、「オランダはすべての道が凍って、スケートが普通の交通手段として使われています」とかなんとか言ってしまったそうです。悪いジョークを言ってしまったもので、これまた問責されたとか。みんな、どいつもこいつも、いい加減なことを言い、それで平気だけど、あとでとっちめられたら、「スミマセン」で済ましてしまうなんて! まるで私みたいです。
反省しなくては!