この前の土曜日、草むしりをしていたら、小さなオニフスベみたいなのを見つけて、あら、もうそんな季節? とか、のん気に思って、オニフスベは放置して、他の草をむしっていました。
その時の私は、レンギョウ(連翹)が次から次と枯れて、ボッカリと空いたスペースにどんどん広がっているアジサイを植えたらいいけど、穴を掘り、アジサイを掘り起こし、植え替えるという作業は大変だなと、そちらばかり気を取られていました(そんな大工事はよほどの覚悟が必要です)。
家に広がるルドベキアたち、こちらは勝手に好きなところに伸びて、大きくなったり小さくなったり、それはやはり早く根付いた株が大きくなるし、栄養のある場所でどんどん大きくなるみたいですが、これはわりと自由に根付いてしまうので、私たちが歩くところに根付いたものは、移動させたりします。でも、自分で見つけたところではないので、すぐにルドベキアは倒れたり、高さだけ大きくなるけど、花がイマイチだったり、簡単に折れたり、もういろいろです。
あまりにルドベキアを可愛がり過ぎて、つっかえ棒立てたり、余分な草をのぞいたりするうちに、奥さんがチョウを呼ぶための何とかという草を植えていて、「絶対抜かないでよ」と聞いていたにもかかわらず、その時はあらまあ、雑草がたくさん生えてると根っこごと抜いてしまいました。
日曜のお昼に、それはもうプンプンで奥さんにしても鬼婆の怒りで、しつこく怒られました。ルドベキアたちを邪魔しているというのか、背後でコソコソ伸びてる草が雑草に見えたようです。
そう、日曜の昼からはずっと険悪な雰囲気になったんだった。どうして言われたことをちゃんとできないんだろう。どうして何ごともいい加減にしか聞けてないんだろう。自分でも情けなかったけれど、いざという時にはルドベキアしか見えてなかった。そんな、もとから雑草だらけと、よその人には見える庭なんだから、草ならそのまま生やしておけばいいものを、ルドベキアのそばにあったせいで、抜いてしまいました。日曜の午後は、奥さんはそれらをまた植え直さなくてはなりませんでした。
さて、土曜日はケンカもしてなかったから、仲良く草むしりでもしてたんでしょうか。
奥さんが見てみると、「あれ、タマゴ」と言うのです。
えっ、オニフスベっていうキノコじゃないの?
「ほら、そっちにも!」
確かに、もう一つ、白い楕円形のものが落ちていました。この夏の長雨の十日間ずっと親鳥は巣の上で温めていたタマゴでした。それが諦めたのか、落ちたのか、二つとも巣の下に落ちていたようでした。
手に取って確かめませんでした。たぶん、何もないように見えたし、十日間温めたけれど孵化しなかったようです。じっと雨の中、我慢して巣の中で耐えていた結果が、これだったようです。
何度も何度も、うちで巣作りをして、何度も失敗するハトたち。今年は実に真面目にしていたから、今度こそ育つのかと思ってみていましたが、やはりダメだった。そう思うと、心から残念な気持ちになりました。
巣をつくり始めた頃は、「こいつらアホやなあ。何べん失敗したら気が済むんやろ」と悪口言ってたのに、いざ失敗してみたら、残念な気持ちになるなんて、なんて私って、その場の空気に流されやすいんだろう。
いっそのこと、巣作りの時に嫌がらせして、ハト夫婦が集めてきた小枝を吹っ飛ばしてやったらよかったんだろうけど、ホッタラカシのうちのことですから、そのままにしているうちに、そんなことになってしまいました。
私たちは、こんな風にして、何度も失敗して、何度もまわりからバカにされながらも、決められたことをそれらしくやっていくものなんでしょう。
できたら、たくさんの賛同が得られたらいいけど、得られない時は、どんなに逆風でも、やるもんなんでしょう。ハトたちを笑っていられない。私たちも同じでした。
もう決めたものは予定通りにやる。決して止めない。これが偉い人たちの道なんでしょうね。そう、いろんなトリたちが子育てするけれど、何度も何度もあちらこちらで失敗しながら、トリたちは自分たちの決めたルールでしかやれない。
かたわらで偉そうなことを言うだけでは何にもならないわけです。偉そうなコメンテーターになりません。ハトたちが賢くなるのを待ちましょう。でも、またうちの木は短くサンパツするつもりです。ハトたち、寄り付かなくなるかなあ。