甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

ミッション・トゥ・マーズ 2000タッチストーン

2016年08月23日 22時23分22秒 | だいたい映画、ときどきテレビ
↑こちらは、「2001年宇宙の旅」の木星への宇宙船です。こちらはちゃんとしたミニチュアです。


 巨匠B・デ・パルマ(1940~)監督は、この作品で酷評されて、映画作りができなくなったそうです。ちょうど60歳だったと思いますが、それからたいした作品を作っていないのは確かみたいです。

 70~90年代にかけて、話題作を発表し続けた監督の、最後のメジャー作品なのか、それとも巨匠はよみがえるのか、それはわからないけれど、確かに残念なところはあったのかもしれない。

 でも、めったに映画などをみなくなった私なんかが、ついつい見てしまい、最後まで見届けることのできた作品でした。昨夜、BSでやっていました。

 みんなのパーティのシーンが冒頭にあります。いろんな人がワイワイガヤガヤしているようです。何のパーティーなのかというと、その中心人物たちが、火星の調査に行くということでした。

 ウッデイとテリーの夫婦、ジムは奥さんを亡くしたけれど、サポートメンバーとして行く。先発隊はルークで、この4人が主役みたいな感じです。

 ポンと話は進んで、先発隊のルークは、火星の基地にいました。自動操縦の探査機が火星の大きな岩を発見します。どうも人工物のような感じです。というわけで、先発隊の4人は、4人乗りの大型探査機に乗り、岩の手前まで来てみました。

 すると、岩はみるみる表情を変え、そこから砂嵐が恐竜の首のように変化し、3人のメンバーを切り刻んでしまう。残されたルークは、他の3人は殺された。そこには巨大な人工的な岩があるが、どうにもできないし、私ももうダメだと消息を絶ちます。



 さあ、ウッディとテリーの夫婦、ジムともう1人の4人の救出隊が編成され、宇宙ステーションから現地に向かいます。



 この宇宙船、途中に付いているわっかがずっと回転していて、これが重力を発生させるそうです。そうなると、このグルグルの中で行ったり来たるするシーンが生まれて、その中で夫婦のダンスシーンやら、のどかな場面が挿入されます。

 このあたりが、「2001年宇宙の旅」へのオマージュというのか、映画ファンへのくすぐりを用意して、さあ、これからいよいよ何かが始まるよ。私は、ブライアン・デ・パルマという、恐怖シーンを撮らせたら、なかなかの監督なんだよという期待をさせてくれます。

 2001も、木星に向かう宇宙船の中で、コンピューターと人間と大きな石板のドラマがありました。こちらはどうなるのかと見ていたら、火星の大気圏突入を前にして、宇宙の塵嵐に襲われ、宇宙船の燃料パイプに穴が開き、点火と同時に宇宙船は大破してしまいます。

 そのあと4人は、火星の軌道上を走っていた人工衛星に飛び移ることになります。



 これが4人ならんで飛び移る場面です。そこでリーダーのウッデイが勢い余って人工衛星からはずれ、妻のテリーが自分の燃料を使って夫を助けようとします。けれども、どうやっても無理で、夫は妻を助け、妻を諦めさせるため、自分のヘルメットを宇宙空間でとりはずし、瞬時に生命を失ってしまいます。

 これはドキッとする場面でした。

 残された3人は、火星の基地にたどり着いてみますが、そこにはルークはなんとか生きていましたが、帰るすべはもっていなかった。

 それにしても、巨大な石の顔は何だ? と考えるうちに、石から何かの謎が投げかけられているのではないか、どうやらDNAに関する謎かけではないのかと気づき、それを石の顔に答えとして提出してみようということになりました。

 すると、石の顔はわりと素直に開いてくれて、メンバーは、火星に先住生物がいて、彼らが火星を出て行かざるを得ないときに、地球にDNAの種まきをしたのだと、火星人らしき人は教えてくれます。このあたりは、いかにもタッチストーン的な子どもだましというのか、ファンタジー的というのか、とにかくディズニー的テイストにあふれてしまいます。

 そして、ジムは火星人と一緒に旅に出て、残されたメンバーは帰還するという話でした。



 2001年のような、わからなさはなくて、わりとシンプルな、身近な火星のおとぎ話みたいで、ストーリーとして単純すぎたのかなと今は思います。石の顔も、インドかアジア的で、いかにも世界戦略の映画みたいじゃないですか。あまりに大衆受けしようと、こびまくっていたし、2001のいいとこを取ろうとして、どっちつかずになった面もあります。

 監督らしい、恐怖シーンもチラッとありましたが、それほどの冴えはないし、やはりズッコケたのだなと思います。

 近年、火星という近い惑星を題材にいくつか映画が撮られています。それくらい魅力的だし、身近な存在になりつつあるんでしょう。だから、こういう企画が成立した。

 身近とはいえ、ものすごい時間をかけてやっとたどりつける星であり、そこを少し外れると、私たちは簡単に命を落としてしまう。そうした厳しい環境であるというのも知ることができました。

 火星人は、いつも何だかユラユラする存在だし、何となく私たちの火星のイメージがいっぱいつまったお話でした。わりと近未来的なお話です。だから、ついつい、そんなことあり得ないよと、逆にこっちもせっかくのおとぎ話に入り込めないところもあった。

 「トータルリコール」のように、とんでもない奇想天外さはこちらはなかった。だったら、どういう意味があったの? というと、近い存在の火星は、やはり厳しい環境なのだよと知る、教育的な価値だけだったのかもしれない。

 となると、いろんなくすぐりがあっても、よく似たシーン見るよね、懐かしいなあ、だけで終わってしまうところがあって、それが残念でした。

 ああ、デ・パルマさん、基本に戻って、ドキドキする映画を作らなきゃ! メジャーはいらんから、低予算で作ってくれたらいいのに……。

 



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