日曜の朝、二日酔いで気持ち悪かった。まさか、お酒の飲みすぎ? と、あわてて牛乳を二杯くらいのんだけど、もう朝起きた時には、体の中にアルコールは回っていました。もう遅かった。
母に朝になったのに、「まだ酔っぱらってる」なんて言えないし、言ったら、「あんた、調子に乗りすぎて飲むからや!」なんて、お説教されるのはわかってるし、もう、酔いをさますというか、少しでも普通になるために、近所の渡船の乗り場まで歩いて行きました。
すぐに着いてしまって、ボンヤリしていたら、お散歩のおじさんも後ろからやって来ました。
そう言えば、私は誰にも会わないからとマスクもしていませんでした。でも、渡船の乗り場に近づいたら、おじさんは後ろから迫ってくるし、15分ごとに運転しているその時間帯が来たのか、職員の方は船に向かっていました。
二人の職員さんは、私が渡る客と見ているようでした。後ろのおじさんは、散歩ではないらしく、川の向こうに行くみたいでした。おじさんが迫ってくる! ゲートは開いてしまった!
「えーい、船に乗ってしまえ!」
それで、船に乗ったんでしたね。なりゆきまかせ、行き当たりばったりの、いい加減な散歩です。
対岸の町は、倉庫・工場群・フェンスに仕切られた誰も利用できない公園・ほんの少しの住宅、そんななんだか寂しい町でした。
わざわざ行くことはないし、もう少しウォーターフロントの開発でもあればいいんだけど、何もないみたいだった。大阪は、一点豪華主義で、切り捨てる所はとことん切り捨てていて、周辺部や発展の余地がないところは置いてけぼりです。何だかなあ。
いや、倉庫に怪獣の大きな絵を描いたりする時もあったんですね。これもポップだったんだ。もっといろんな人が行ったり来たりしてたらいいのに!
何となく、怪獣はくたびれてたし、倉庫そのものが利用されているのかもわからなかった。
たぶん、何かには使われているんでしょう。そんな、日曜の朝から活動している倉庫街なんてないんです。怪獣は泣いてなかったと思うけど……。
そして、私は川沿いの町を歩いて、上の渡船で実家の町に戻り、遠回りしたけれど、酔いもさめて、帰って来たんでした。
そう、日曜の朝は選挙の朝でしたね。もう遠い昔のことみたい。
怪獣は、海が見たい、人を愛したい、砂漠を抜けてみたい、なんて思うのかな。
歌も歌えたらね。みんなと声を合わせて何かに取り組むなんて、そんなこと、もうオッチャンだから、できないものかな。そりゃ、そんなものかも。しんみりと、怪獣でも描いてたらいいのかもしれないな。
オッチャンにも、望みはあるのさ! なのかな。