甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

あこがれの場所

2023年01月10日 21時36分58秒 | きたぐにへの旅

 越前大野を朝早いバスで出ることにしました。駅に着いた時は、空には朝焼けがありました。百名山にも数えられている荒島岳というのが近くにあるそうですけど、私にはどれも雪が積もった山にしか見えない。

 今回、晴れた時もあったのですが、「あれが白山かもしれない」と自信を持って言えそうな山は見つけられなかったし、私には独立峰がデーンとある時くらいしか見分けがつきません。まあ、山と向き合うことなんて、したことがありませんでしたから。いつまでも「きれいな山だね」「雪が降ってるね」「富士山見えないね」くらいのことしか言えません。

 山らしい山を麓から見上げるのは好きなんだけどな。


 予定していたバス停でおりて、歩道は雪が積んであるのでハラハラしながら車道を歩き、右折すると「平泉寺白山神社」があるはずでした。地図で見たら、簡単に行けそうでした。それはまあ、地図上のことであって、なかなか現実は難しかったりします。

 その方向に巨大なお城が見えて、これは全くのノーマークで、どうしてこんなところにお城があるのか、わかりませんでした。あとで調べてみたら、それはお城博物館ということになっていて、お城に関係するいろいろなものを集めたものだったようです。なんと石垣には龍が浮き出ているレリーフがあって、博物館という名前は付いているけれど、エンターテイメント的なところもあるようです。そして、ここも冬季閉鎖されていました。

 一体、ちゃんと見させてもらうところはどこにあるというんだろう。いや、そもそもどうしてこんな連日の雪の警報やらがでいるところにノコノコと出かけたのか、それが問題です。

 何もかも悪いのは、すべての責任は私にあったようです。



 はるか彼方には、有名な越前大仏の清大寺というのが見えます。塔と大仏殿みたいなのがあります。これは、京都と大阪でタクシー会社を経営して財を成した方が建てたお寺だというのは知っていました。だから、もちろん私は行かない。そんな、何千円も出して作り物の大仏を見るなんて、宗教を持たない私ですけど、いくら何でも無責任すぎるのです。

 大きくて立派な大仏を建てた。さあ、お客さん、寄ってらっしゃい、見てらっしゃいだなんて、それは心がなさすぎです。千円くらいなら、寄付だと思って払いましょう。それが千年、数百年も維持されるように、現代の私たちが支えなくてはならない、それはとても分かりやすい理屈です。

 お金持ちになったお方が、ふるさとに錦を飾る意味でも、巨大な観光施設をお寺風に作ったなんて、あまりに見え透いているし、私は賛同する気にはなれませんでした。この大仏様が、管理不足で朽ち果てるとか、誰も訪れる人がいなくて荒れ果てている、ということになれば、人生の勉強に来たいとは思うけれど、今はまだピカピカでしょう。

 そして、調べてみたら、この姫路城風の博物館も、大仏さんの経営者の方が建てたものらしい。どこまでも経済で、お寺もお城もできているらしい。あと何十年経ったら廃墟になるのか、それまで私は生きていられるのか、わかりませんけど、とりあえず、観光地には行かないという気持ちもあって、とりあえず目印として見ることができました。

 このお城から、あと二キロほど歩かなくてはならないようです。下調べした時とだいぶ違います。そして、何千人ものお坊さんたちが住んでいたという宗教都市、まるで高野山か、比叡山みたいなところがあるようですが、それは坂道をずっと上り続けねばならないようでした。

 歩く人はいない。クルマはごくたまに走り去ります。二キロというのであれば、数十分でたどり着けるはずだけど、坂道にはばててしまっていて、何かブツブツひとりごとでも言わないと気持ちが折れてしまいそうな、長い長い坂道、そして、大きくカーブしているし、先は見えないし、雪深い山の奥に入っていく感じでした。ただ、それなりの集落というか、人がたくさん住めそうなところというのが、イメージできませんでした。

 高野山みたいな盆地ではないようです。比叡山みたいに、あちらこちらに段々畑的に分散していくつもの坊があるはずです。

 あとで教えてもらったのは、この平泉寺白山神社は最盛期には六千坊もあったそうです。そんな巨大な町のあとに向かっているらしいけれど、気配はないのです。ああ……。



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