甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

宇宙ステーションを見あげて

2021年12月09日 21時02分44秒 | 空を見上げて

「あのさあ、5時半過ぎ、35分くらいに宇宙ステーション見えるらしいよ。見てな! 北西の日本海側から南東の太平洋側に向かっていくんやてぇ。空をまたいでいくんやろかなぁ。」

「それ、何の情報?」

「えーっ、ラジオで言うとったよ。もうあとちょっとやよ。」

「あっ、そう。今、夕方の散歩から帰ってきたとこなんだけど、手袋を落としたかもしれないから、真っ暗だから、また明日見に行くことにしたところだよ。」

「はっ、そう。もうすぐやから、見てみてみいな。それ見たら、帰るから!」

「わかった。そいじゃあ。」

「そんなに寒くないやろ、上着とかなくてもOKかなぁ。」

「そいじゃ。」(プチ!)


「あのさあ、今見たら、お月さんの上に木星があるみたい。西の下の方に金星が出とって、お月さんと金星の間に、うすーい土星があるんかなあ。」

「土星? ああ、あれね。お月さんの上は木星?」

「そうやないかなぁ。もうすぐやけど、まだけえへんなあ。こんなに雲も何もないのになぁ。ええ天気やし、寒くもないし、風もないなぁ。」

「いつ帰って来るの?」

「もうすぐ! すぐすぐ。宇宙ステーション見たら、すぐ帰るよ! 今日のゴハンは何?」

「サバみりんと、スパゲッテイサラダと、チンゲン菜と、みそ汁と……」

「ほー、いいよ、いいよ。今日のトリそぼろ弁当、スプーンなしでも食べられたよ。余裕がなくて、昼だいぶ過ぎてから食べたけど……。ほんだら、今から外で見てみいな!」

「うん、わかった」(プチ)



 しばらくしても、なにも空には変化はありませんでした。月はクッキリ浮かんでいるし、木星は月と並んで楽しそうでした。

 遠くを走る電車の音、踏切の音も聞こえたかな。もっと遠くでは救急車が鳴っているような音、風はなくて、街のざわめきだけが聞こえます。

 宇宙ステーションはどんな形で空を駆け抜けていくんだろう。空のはじっこかな。北側? 前に夕方の散歩で南の空の下の方をゆっくり抜けていく光を見たことがあって、あれはUFO? と、少しうれしかったんだけど、実は宇宙ステーションだったそうで、あの時と同じように、空のすみっこをひっそり飛んでいくのかな? という気もしたんです。

 三重の真ん中あたりの空は、南西の潮岬に向かう飛行機と、その東側のラインを北東の中部国際空港へ降りていく飛行機のラインと、その二つの南北のラインだけです。それ以外の空の道はありません。それ以外があると、自衛隊のヘリの編隊だったりします。その南北の空の道に垂直に交わるように、いつもと全く違う方向から、青山や鈴鹿の山々の方角から、フワッとした光がこちらに向かっています。

 どうも、これみたいです!



「ほら、今見てみて! 日本海の方からずっと紀伊半島をななめに、三重県の上を飛んでるで! 外に出てみて!」

「ああ、これね。ゆっくり飛んでるね。」

「こんなに、白い光だけやったかな? そうなんやね。」

「ゆらゆらしているみたいね」

「ゆっくりやね、今、頭の上におるねえ」

「長く飛んでるね。流れ星みたいではないね! 飛行機よりもゆっくりだね。熊野灘に抜けていくの?」

「太平洋をずっと走って行くと思うよ。」

「いつ帰って来るの?」

「もうすぐ帰って来るよ。それでも、長いこと空を飛んでるなあ。」

 それから、私はお仕事をおっぽり出して、帰って来たんですね。はーぁ、のん気なものですなあ。奥さんと一緒に見ればいいのに、ロミオとジュリエットではないし、くたびれた大人なんだけど、まあ、星を見て楽しんでたんですなあ。

(宇宙ステーションは5分くらいかけて三重の空をまたいでいきました。ああ、何だか楽しかった。

 でも、そこにzozoのM沢某さんが乗っているという話を聞いて、何だかゲッソリもしたけど、まあ、それはそれ、空の光を楽しんだのは確かなんだから、まあ、それでいいや!)



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