BSプレミアムで、21時から90分、映画を見ました。いろんな人が「イイ」というし、あまりよくはわからないのに、見てしまった。
それで、感想は? 調べてみると、現在サンドラさんは51歳になっておられて、2013年公開だから、今から5年前になるわけで、当時は46歳くらいの作品だったのだとビックリしました。アメリカの女優さんの鍛えた体に感心しました。そして、こんなに映画で自分をさらけ出してしまったら、こりゃ、次に出る映画がないだろうなと思ったんでした。
もう美人女優としてやっていけないし、アクション派になることもできないし、次に行く道がなくなった感があります。それくらい突き詰めてしまった。
物語は、スペースシャトルで船外活動をしていたところで、突然に軌道上に人工衛星の破片が来るよと言われて、あわてて中へ入ろうとしたけれども、みんなシャトルの外に放り出され、一人は即死、内部にいた人たちも死んでしまい、残されたのはジョージ・クルーニーさんとサンドラ・ブロックさんだけになります。ここから始まっていく。
二人は協力して、ロシアの宇宙船に移動したのはいいけれど、クルーニーさんはうまく着地ができなくて、そのまま宇宙に流されてしまいます。
残るはサンドラさんだけで、彼女は何度か諦めたけれども、最後は中国の宇宙船に乗り移ることに成功して、みごとに大気圏突入もこなして、重力(gravity)のある地球に帰ってきます。
そうした事件を淡々と進めていく映画でした。
サンドラさんだけが生き残る。でも、サンドラさんは、イリノイ州におうちがあるそうですが、そこで待ってくれている人はいなくて、娘さんを4歳でなくしてしまって、それ以来、仕事をムチャクチャ頑張って、あとはぼんやりクルマに乗る日々だったということを語ったりしていました。
サンドラさん、クルーニーさん、それぞれの昔話が断片的に語られる。お客はそれらをつなぎ合わせて、登場人物の生きていく方向を見つめていく。
ソユーズ宇宙船が全く作動しない時、サンドラさんは死を覚悟して、船内の酸素を落として静かに死のうと考えたり、宇宙の彼方へ消えたはずのクルーニーさんが現れたり、ところどころで映画的な要素はあるものの、わりとリアルに絵作りをしていこうとしていて、そうした真面目さにも好感は持てました。
最初にも書いたけれど、この映画の後、サンドラさんは脱力したというのか、彼女のキャリアはめぼしいものがなくなってしまっています。
きっとドラマとか、演劇とか、そういうライブの仕事に切り替えて、映画女優ではなく、俳優としてやっているのかもしれないです。
そうした転機になるくらい、彼女のパワーというのか、出尽くしてしまった気がします。もう他にどんな仕事をするのかという感じです。今さら恋愛ドラマでもないし、史劇ものを作ってもヒットする時代じゃないし、SFはこりごりだろうし、やる仕事がなくなったんじゃないかな。
クルーニーさんは、メインではないし、引き立て役だから、今でも仕事ができているだろうけど、サンドラさんは、やれなくなった。長いスランプのあと、誰か変てこりんな監督が現れ、声をかけてくれない限り、彼女は復活できないのではないか、それくらい頑張っていました。かわいそうなくらい。私は、彼女のファンではなかったけれど、サンドラさんが地球に帰ってよかったと思うけれど、サンドラ・ブロックという女優さんのキャリアとしては、かわいそうな映画になりました。
もういいや、演劇でがんばってもらおう! 日本の私たちに顔を見せてくれなくても、私はもう満足です。