私の最初の冨田勲さん体験は、「新日本紀行」だったのか、それとも「リボンの騎士」だったのか。
小さい頃から、どこにも行けないからなのか、どこかに行きたいのか、「新日本紀行」は見させてもらいました。そんなに感動したわけではないと思うけど、なんだか気になって、チャンスがあれば見ていました。月曜の七時半からだったですか? 違う日だったかな。
特に感動ということがなくて、日本のいたるところにいろんな人がいて、それぞれの生き方をしている。細かいことまでわかるわけじゃないけど、そういう街角に行きたいな、いつか、一つ一つ訪ねることができたらなんていう夢みたいなことを考えてたでしょうか。
でも、ミーハーでもあるので、風景的にすごいところ、大雪、高い山、深い谷、古くからの祭り、人々の信仰、島の暮らし、ずっと続けてきた行事、少しずつ日本というのを勉強できてたのかもしれません。よその土地の人と交流できることって、あこがれはありました。
今、違った形だけど、それらしいものができてるのかもしれません。
久しぶりに、アマゾンでCDを買いました。冨田勲さんの「TOMITA ON NHK」という2003に出た編集版のようです。
「チンギスハーン」(1992)というのをNHKで取り上げた時があって、それは今までの冨田さんの作品の延長でできたんでしょうね。
クラシックのドビュッシー、ムソルグスキー、ホルスト、バッハ、プロコフィエフ、いろんな作品を取り上げて、冨田さん風に作品に仕立てるお仕事をずっと70年代からされてきて、シルクロードに向かったんですね。そのあと、「始皇帝」というのも冨田さんだったでしょうか。
自分の世界を作り上げるクラシックをシンセサイザーアレンジする曲と、冨田さんオリジナルの作品のテーマ曲となる作品をコンスタントに作る。
NHKとは、大河ドラマで、「花の生涯」(1963)、「天と地と」(1969)、「新平家物語」(1972)、「勝海舟」(1974)、「徳川家康」(1983)と担当したそうです。
私がちゃんと見た大河ドラマは、仲代達矢さんが平清盛を演じた「新平家」と、渡哲也さんが最初の数回で途中から松方弘樹さんに代わった「勝海舟」この2本だけで、2つとも冨田さんがテーマ曲を作ってくださっていて、とうとう1973年の「国盗り物語」も見ましたっけ。この3つでしたね。
そして、48年ぶりに先祖返りして、CDも買いました。私はどこへ行くんでしょう。70年代ばかりふり返っていそうで、何だか怖くなりますね。
それを今に生かすにはどうしたらいいんだろう。誰も今の若い人はふり返ってくれないだろうな。やはりコトバが必要なのかもしれない。
私は、少しコトバが足りないのかな……。
まあ、ひとりで冨田勲さん聞きます。