用事があって、R42を南下して、きれいなモクレンが夕暮れの光の中に浮かんでる姿を見て、なんでもいいから写真を撮れたらいいなあ、と勝手に思ったんです。
それくらい、少しだけ温かで、夕空は光が残ってるし、黄砂が飛んでいるという話でしたけど、夕暮れの駅に行ってみようとしました。
夕暮れの駅に、何かドラマがあるんじゃないかと思ったのかな。
何度か来たことがある駅でした。ここで乗り降りしたことはなかったと思います。トイレとか、人を待つとか、そんな用事だったでしょうか。
お客は、誰もいないし、電車もしばらく来ないようでした。下り線はさっき見かけたし、単線だから、上り線は時差をつけて来るしかありません。駅の時刻表を見たら、あと20分ほどは来ないみたいでした。
駅の案内図を見てみたら、神社があるみたいで、そこにお参りして、しばらく待つことにしました。せっかく来たのだから、駅に来る電車を見てみたかった。
冬の夕暮れと違い、いつまでもトローンとして、暮れない夕暮れでした。
駅に戻って見たら、お客さんが一人。オジサンが上りの亀山行きを待っていました。まあ、ここは若い人がたくさん利用する駅ではないみたいでした。
オジサンは、これからどこに行くんでしょう。帰るのかな。仕事帰りなのか。でも、仕事だったら、クルマだろうし、抱えた荷物は何だったんだろう。
しばらく停車しているようでした。ひょっとして、特急でも来るのか? だったら、跨線橋で待ち伏せしようと、上がってみました。
向こうに信号が見えて、点滅しているから、特急が来るのか? だったら、早くおいで!
ずっと待ってても、動きはないようで、やがて電車は町の方へオジサンを乗せて向かって行きました。
駅は私しかいなくなって、オジサンがいたベンチを撮ったら、私も帰ったんでした。先ほどの電車が向かった方角に、私の家もあるんでした。