この前、神宮美術館に行きました。そこで平山郁夫さんとか、有名な方の作品が常設でかかっていました。
たくさんある中で、斎藤清さんという版画家を初めて見た、出会った、という感じでした。
ネットから借りてきたものは、もう少しクリアな舞妓さんですけど、神宮美術館で見せてもらった舞妓さんは、もっと真っ暗で、最初は何が描いてあるのか、何の絵なのか、よくはわからなかったのです。
でも、インパクトがあって、その反対側にも斎藤清さんの版画がありましたけど、これも魅入られる感じの絵でした。こんな方がいたとは! と、驚いたものでした。
福島の会津に記念館があるというから、また今度見に行かなくては!
そして、関連は薄いけど、同じように、女の人(女の子?)を横から描いている人を、前から知ってはいましたが、誰なのか、いい加減に放っていたら、今日、たまたま見た映画で、「夜は短し歩けよ乙女」という作品の絵を描いている人だと知ることができたんでした。
のん気に映画を見る時間があったんですね?
夜、少しだけ時間があったのです。それで、見てしまいました。
絵柄がポップで、内容は次から次と不思議な展開で進んでいく一夜の物語でした。さえない先輩の男の子が、京都の夏の夜を舞台に、彼女との接点を求めて出没するし、彼女はわりと天真爛漫で、タフでお酒には強いし、他人に対しては誠心誠意接していくという、天然キャラの女の子でした。
そういう設定には無理があるし、もとからファンタジーにはちがいなくて、男どもの夢見る理想の天真爛漫の子でした。
だから、いろんな変なヤカラがあれこれ形を変えながら出没しても、彼女は素直に状況を受け入れて、次から次と物語が進むのです。
「不思議の国のアリス」が夏の夜の京都を歩いて、何度も何度も同じメンバーと出会い、お酒を飲み、演劇の役者になり、みんなを心配してあげ、実に優しいキャラクター設定になっていました。
そんなのおかしいよと、アリスの世界では言わなくて、理屈抜きでその世界を味わうしかなかったじゃないですか。あのナンセンス世界が許せる人は見ることができて、こんなのおかしいと思ってしまったら、もうそこで止めるしかありません。
私は、とうとう最後まで見てしまった。アリスも好きだったから、この乙女も楽しめました。でも、これをブルーレイに残すのか、少し悩んでいて、しばらく置いておくことにしました。
あと一度見たら、消してもいいかもしれないと思ったのです。
どうして保存版じゃないのだろう?
何となくそんな気がしました。絵は好きなんですけど……。