いくら嘆いても、今さらどうしようもないこと、たくさんありますね。
この1970年にアメリカでナンバーワンになったという「遥かなる影 Close to you」という曲、今日たまたまお仕事帰りに、AMもFMもダメだったから、仕方なくクルマのハードディスクから適当に選んで、次から次とホイホイとかけていました。
何だか気持ちもパッとしないから、明るくカーペンターズにしよう。トップ・オブ・ザ・ワールドにしようなんて、調子よくやっていました。
あなたは、私を世界の一番のところに連れてってくれる、だなんて、そんな歌を聞かされたら、もうショボくれオッサンの私でも、それなら頑張ろうか、という気持ちになるくらい、素敵なうたでした。
今の世の中の人々に、どれくらい訴えかけられるか、簡単にはいかなくて、若い人を引き込むには、この歌の背後に何か物語をつけてあげなきゃいけないんでしょうね。
ドラマ、動画、映画、物語、なんでもいいから、この歌に人の気持ちが込められているというドラマを見せてあげると、若い人は感動して飛びつくだろうし、何度目かのカーペンターズ・リバイバルになることでしょう。
そうしたら、若い人たちの心に、古くて新しい70年代ポップスがクラシックになるのになあ。
何度もカバーされている「遥かなる影」というのは、その冒頭はこんな内容でした。
Why do birds
Suddenly appear?
Everytime you are near
Just like me
They long to me
Close to you
どうしてトリたちは、
突然あらわれたりするんだろう?
いつも、あなたのそばにやってくるみたい
私みたいに。
私があなたに近づくのを待ち望んでいるみたいに。
歌った人はたくさんいますけど、一番有名なのはカーペンターズなんだけど、そして、そんなに強いインパクトのある曲ではないんだけど、何だかテーマが、あなたのそばにいたいのよ。いろんな幸せがやって来るのよ。星だって、空だって、生き物たちだって。
みたいに、優しいラブソングでした。強引な「アイ・ラブ・ユー」ではなくて、とても自然にそばにちか寄るための空気みたいな歌でした。
それで、アッと気づきました。先日亡くなったバート・バカラックさんの曲だったんだ、と今さらながら気づきました。
何だか、自然にバカラックさんにたどり着いていました。何となく、ゆったりのんびりと優しい声にひたりたかったみたい。
そんなの、いつも味わってるんじゃないの?
ゆったりのんびりは日々しているつもりでしたけど、やはり、何だかどこか落ち着かない気持ちを抱えていました。
バカラックさん、ありがとうございました。これも、やはり、若い人たちに伝えなきゃいけないと思いました。物語をつけてあげなきゃな。そうしたら、自然に聞くようになると思うんです。