夢*想*花

人生○○年!!今までは家族のために頑張った。
これからは、自分のために楽しい、好き、糧になるを目標に過ごしたい。

* 2024・読書 *

2024-12-30 20:58:32 | 読書

元日に100冊読むと決めて、枕元に本を積み重ね就寝前と夜中にトイレに起きて目が覚めると読んで眠くなると寝る。

一日に最低でも50~100ページは読むと決めて、何とか100冊を達成出来ました。

今年、最後に読んだのは「完訳 赤毛のアン シリーズ・全10巻」です。

1,赤毛のアン 2,アンの青春 3,アンの愛情 4,アンの幸福 (ここまでは、昔中学生の時に読んでいました。)

5,アンの夢の家 6,アンの愛の家庭 7,虹の谷のアン 8,アンの娘リラ

(ギルバートと結婚をしたアンの結婚生活や子供たちの事etc 1~8巻までがアンシリーズです。)

9,アンの友達 10,アンをめぐる人々 (この2冊はアンの周りの人たちを描いたものです。)

児童書の棚で、この10冊を見つけた時は、文字も大きく読みやすそうだったので手をかけましたが

全10冊とも400ページ以上有って、読書力が落ちている私には苦痛でした。

何とか、読み終えてホッとしています。

トルストイの「戦争と平和 全4巻」も若い時に読んだままだったので、読み直してみましたが

ロシアとフランス(ナポレオン)の戦争の話ばかりで、私にとってはつまらない作品でした。(人物の名前を覚えるのも大変でした)

今年の本の中で一番印象に残ったのは 

帚木蓬生作 「国銅 上・下」でした。

奈良の大仏建立の為 長門の銅堀職人たちが都に呼ばれて、艱難辛苦大仏を建立する過程が描かれています。

あの大きな大仏が、現在のように機械も道具もなく、如何にして作られたか?

感動しました。一読の価値は有ります。

図書館には読みたい本が沢山有ります。時間が有りませんが出来得る限り読みたいと思っています。

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* 極楽・征夷大将軍 *

2024-09-17 13:56:34 | 読書

第169回直木三十五賞受賞作 (垣根涼介著 極楽征夷大将軍)

やる気なし
使命感なし
執着なし
なぜこんな人間が天下を獲れてしまったのか?

動乱前夜、北条家の独裁政権が続いて、鎌倉府の信用は地に堕ちていた。
足利直義は、怠惰な兄・尊氏を常に励まし、幕府の粛清から足利家を守ろうとする。

やがて後醍醐天皇から北条家討伐の勅命が下り、一族を挙げて反旗を翻した。
一方、足利家の重臣・高師直は倒幕後、朝廷の世が来たことに愕然とする。後醍醐天皇には、武士に政権を委ねるつもりなどなかったのだ。怒り狂う直義と共に、尊氏を抜きにして新生幕府の樹立を画策し始める。(インターネットの書評 より)

(この頃、本のあらすじを上手く説明できなくて、ネットの書評に頼っています。ごめんなさい)

図書館で予約する事半年余り、この本を手にした時500ページ余り、それも二段組活字も細かい。

「読めるだろうか?」との心配が先に立ちました。登場する同じような武士の名前。混乱を極めた時代の動き。

面白かった!

歴史の教科書だけではわからなかった、後醍醐天皇や足利尊氏をはじめとする武士たちの立場や感情が読み取れました。

天皇や、公家たちによって翻弄されざるを得なかった武士たち。

今まで理解できていなかった、室町幕府成立までのいきさつや、楠木正成や新田義貞その他の武士たちの諸々の立場。

たとえ、天皇や幕府が間違っていると判っても、自分の意を殺して従わざるを得なかった理不尽さ、渾沌とした時代の

その結果南北朝に至った経緯などよくわかりました。足利尊氏やこの時代人々への人物像も変わりました。

言いたいことを言って、食べたいものを食べて、気ままに生きていけるこの時代に生まれたことを幸せに思います。

大変だったけれど、一読の価値ある本でした。

 

 
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* 読書・アルジャーノンに花束を *

2024-08-20 22:34:25 | 読書

この夏、どんよりした蒸し暑さに我慢できず、クーラーの部屋でオリンピックの追っかけをするか読書三昧の毎日

これではいけないと一念発起。

友人が「布草履を作ってやるから布を5㌢幅にカットしてきて。」と言われてたのを思い出し

古いテーブルセンタを5㌢幅に線を引きカットする作業に、夢中になって中腰で3時間やりました。

体が固まってしまったのか、昔やったギックリ腰の反対側を痛め立ち上がれなくなったしまいました。

腰は、湿布薬だらけで何とも無様な有様で、寝るしか能がなく、テレビと読書の日々を送っています。

前にNHKの「あさイチ」で紹介された「アルジャーノンに花束を」読みました。

あらすじ

知能指数68の主人公が手術によって天才となる過程を描いた作品で、同じ手術を事前に受けたネズミの

アルジャーノンが驚異的な知能を得たのち、急速なスピードで知能を失うのを見て、主人公が自分の行く末を知る。

ストーリーを要約してしまえば単純な物語である。(文中の解説より)

パン屋で働く主人公が、家族や皆に馬鹿にされ自分では利口になりたいと願い、さきに同じ手術をして利口になった

ネズミのアルジャーノンとテストをして負けてばかり、何とか利口になりたいと手術を受けます。

利口になった彼が、対等に扱ってくれると思っていた職場の仲間からも疎まれ、今まで知らないで良かった人生の悲喜こもごもを

知ることになり、孤独になっていく様子に人生の悲哀を感じます。

私たちは、毎日の暮らしの中で良きも悪きもを飲み込み、それを上手くあしらいながら暮らしています。

何も考えなくて良かった日々から、利口になった途端それらの対処方法も解らないまま苦悩する主人公が哀れです。

それも、短期間で元の知能に帰ってゆく過程を、利口になったばかりに本人が認識しながら戻っていく~

もとのままだった方が、彼は幸せではなかったのか?

ちょっとの間じぶんの知らなかった世間を垣間見たのが幸せであったか?

手術によって知能を変えるなんて、医者や科学者たちの功名心であり、神への冒涜ではないでしょうか!!

色々考えさせられる本でした。

 

 

 

 

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*「人生で二度読む本」*

2024-02-13 21:19:09 | 読書

城山三郎さんと平岩外四さんの共著「人生で二度読む本」を読みました。

勿論、お二人の主観で選ばれた本ですから、賛否両論があると思いますが参考に列挙してみます。

夏目漱石「こころ」 太宰治「人間失格」 カフカ「変身」 中島敦「山月記・季陵」ヘッセ「車輪の下」 

バージニア・ウルフ「ダロウェイ夫人」 リチャード・バック「かもめのジョナサン 」 吉村昭「間宮林蔵」

ヘミングウェイ「老人と海」 シャーウッド・アンダーソン「ワインズバーグ・オハイオ」

各著書について、お二人の読後感が対話方式で表現されています。

私は、若い時に(中学・高校時代)読んだ本も有りますが、内容をすっかり忘れた本も有りますし、

難解で意味が解らなかった本も有ります。

「もう一度、読んでみるのも良いかな!」と、お二人の読後感を参考にしながら、少しずつ挑戦してみようと思います。

 

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* 読書はじめ・石牟礼道子 *

2024-01-04 14:42:48 | 読書

今年も100冊読破目指します

読み始めはどの本にしようか、迷いましたが石牟礼道子さんの「無常の使い」に決めました。

50年位前まで私の村では、人が死ぬと『無常の使い』というものに立って貰った。

必ず二人組で、衣服を改め、死者の縁者の家へ歩いて行ったものである。

「今日は水俣から無常のお使いにあがりました。お宅の親戚の誰それさんが、今朝がた、お果てになりました。

お葬式は何時ころでございます」

口上の言葉はおろそかにしてはならず、死んだとはいわない。

「お果てになりましたとか」「仏様になられました」という。

無常の使者は一組ではなくて、何組も出発させねばならない。その人たちが帰ってきて、

行った先の人たちが何時ごろ来るかを確かめて、葬儀の準備を整えていた。(「無常の使いー序にかえて」より)

本著は、作者が生前交流のあった方々の御霊に捧げる悼詞

荒畑寒村・白川静・鶴見和子・橋川文三・上野栄信・谷川雁・多田富雄・木村栄文各氏 ほか

ほとんどの方が、「チッソ水俣病」の訴訟運動にかかわって、交流のあった人たちです。

記録映画作家・土本典昭さんの「水俣―患者さんとその世界」の中で

名人といわれる人が、タコ採りをする場面がある。場所はチッソの真裏にあたる水俣湾である。

映像であらためて観ると、この海ベがいかに生命感あふれる漁場であったかと胸うたれる。

タコ採り名人の全身的な愛嬌と、生きて動き回るタコの愛嬌とが、軽妙で重層性のある背景音楽に

のって画面いっぱいにひろがるところなど、観る者たちを至福といってよい気分にさせる。

水俣病以前、この地方にはおおらかで上代的な、神遊びに近い漁法がさまざまであった。

今は、考え方も労働も、暮らしの中身も、田舎なりに近代化されたわけだが、

私どもは大切な何かを失った、何を失ったのかさえ、思い出せないかもしれない。(以上文中より)

作者から汲み出される言葉に心打たれました。作者の原点である「苦海浄土」をもう一度読もうと思いました。

注・写真「蠟梅」はM氏提供 Mさん何時も写真ありがとうございます。

 

 

 

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* 旬の食べ物 *

2023-09-12 12:09:36 | 読書

先日読んだ、サライ・インタビュー集「上手な老い方」の、料理研究家の辰巳芳子さんの

「旬のものをきちんと食べている人は、元気なだけでなく、

      人生設計もちゃんとできる人です。」 この言葉が心に沁みました。

旬とは、その季節に、その土地が与えてくれる恵みなんです。

そして土地柄とは、風土の生理のようなもので、人体の生理代謝といつもぴったり一緒です。

だからこの二つの生理は、何時も調子を揃えて向き合っていないと、不自然さが出てくる。

旬から遠ざかり、純正の味も香りも忘れていると、身体の生理が狂ってくるのは当然なんです。

私も、野菜や果物の旬は大事にしています。基本余ほどのことが無い限り冬にトマトやキュウリは買いません。

夏でも、ハウスで栽培された野菜は、露地栽培と味や香りが違います。

幼い時に食べた、野菜や果物の味が懐かしく、出来ないなりに自分で栽培をするのです。

年がら年中出回っている、野菜や果物に接している子供たちに「旬」を尋ねるのは難しいことだと思います。

高い燃料を使って、ハウスで栽培された綺麗な野菜しか買わない、私たち消費者にも責任が有ります。

 

 

 

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* 八月の読書 *

2022-08-31 16:01:22 | 読書

     

八月も今日が最後

テレビ番組も、何処をつけてもお笑い芸人ばかり

お笑い番組が悪いわけではないけれど、私は苦手(バスの乗り継ぎ旅や、食べ歩き・クイズ番組迄進出)

クイズ番組に出るなら、奇をてらうのではなく、もうちょっと勉強して来いヤ~と、言いたい。

(カズレーザは別格。認めています。)

で、高校野球応援のかたわら、読書三昧でした。手当たり次第に13冊読みました。

中でも、今年2月54歳で急逝された「西村賢太」さんを三冊読みました。

「二度はゆけぬ町の地図」「無銭横町」「雨滴は続く」

幼少期は裕福な家庭でしたが、父親の性犯罪で家族が崩壊し

中学卒業後、15歳から日雇い仕事などをしながら一人で生活を立てています。

それを、本にしました。私小説です。従ってどの作品も似通っています。

短編なのでどの作品もすぐ読めますが、むやみに難しい漢字表現で、読み方が解らない、したがって意味も解らない

憶測で読み解いていきました。

毎日追われるような生活の中で書いた小説「苦役列車」で芥川賞を受賞。

(賞を取るってことは凄いことですね。本は売れるし印税が入ってくる。貧乏に喘いでいた作者が一気に大金をつかみました。)

「雨滴は続く」は、彼が無くなったことにより未完の作品、遺作となりました。

苦労の末に、やっとつかみ取った栄光と生活の保障

これからという時の突然の死、西村賢太氏のご冥福をお祈りします。

 

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*「366日文学の名言」*

2022-08-25 19:30:21 | 読書

   毎日、自己の

   きらいなことを

   二つずつ行なうのは

   魂のために

   よいことだ。  サマーセット・モーム「月と六ペンス」より

    

  嫌いなことどころか、好きなことでも毎日一つでもできていない現状において耳の痛い言葉です。

  今の私には、「一日一善」ならぬ「一日一行」を行うのが精一杯です。

  今日は、洗濯をしたから。今日は庭の手入れをしたからと、自分に大甘の生活をしています。

  残り少ない人生、これでは勿体ないと思いながら

  「ああ~今日も無事終わった」と~~~これが私の精一杯です。(せめて「月と六ペンス」を読みなおしましょう!)

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* 366日文学の名言 *

2022-08-07 23:45:14 | 読書

 全英女子オープンゴルフを今朝3時半まで観て、不覚にも目が覚めたのは8時半でした。

 一日中、ボーっとして半分眠りながら「今日は休養日」と食べて高校野球を見て食べてでした。

 今夜も、懲りずに女子ゴルフを見ています。目下2位の渋野選手から目が離せません。

 先日の豪雨で災害に逢われた皆さんは、片付けや精神的な落ち込みでテレビどころではないでしょう。

 お気の毒に思います。

「366日の文学の名言」より

    「みんながみんな、

     なっとくするやり方なんてありません。

     よごれたカネでも、

     つかいみちは

     たっぷりあります」 打海文三「裸者と裸者上孤児部隊の世界永久戦争」角川書店

 災害の被災者に政府がどんな支援の手を差し伸べるのか。

 安倍元首相の国葬に大金を使う政府が!!

 どんな慰めの言葉より、どんな金でも良い、支援の手を差し伸べて下さい。

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* 366日文学の名言 *

2022-07-31 23:43:43 | 読書

今日図書館で、頭木弘樹・品川亮 共著の「366日文学の名言」を見つけました。

「文学の名言」とは、文学作品の中の名言ということで、それを集めたのがこの本です。

日本だけでなく、海外の文学作品からも選ばれています。

コロナに脅かされながら、家に引きこもりただ食べるだけの日常を繰り返して7か月経ってしまいました。

焦りと、反省の日々です。

   あすもまた、同じ日が来るのだろう。

   幸福は一生、来ないのだ。それはわかっている。

   けれども、きっとくる、あすは来る、と信じて

   寝るのがいいのでしょう。

               太宰治著「女生徒」

(1938年19歳の女性読者から送られた日記を題材にして、14歳の女生徒が朝起きてから夜寝るまでの

  一日の心の動きを書いた小説です。)

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* 楠木正成の焼き米を作る *

2022-06-16 17:43:32 | 読書

天津佳之著「尊氏と正成・利生の人」を読んで、私の心に残った一番は尊氏と正成が初めて会見した場面です。

お互いに多くを語りませんが、お互いの胸の内を組んで静かに盃を酌み交わします。

「利生」人が生きる甲斐のある世にする。

これが二人の希望、胸の内です。(人のつつがない生を敬い、人々が生き甲斐の中で懸命に生きるさまを美しいと思い

愛おしんできたこと。)そんな世の中にするために、自身の利害を捨てて戦っているのです。

    

正成が言います。「赤坂、千早と城に籠る時に用意していた糧食が有ります。食は貧しくとも幸せを嚙み締められるものをと

工夫しておりました。我らは「焼き飯」と呼んでおります。

尊氏に鍋と薪を所望します。

「玄米を炒り申す。焦がさぬようゆっくりと、丁寧に」

「飯役は、皆が交代で務めます。私も含めて全員で、持ちまわりで」

「皆の命をつなぐ飯を作るゆえ、これは軍中でもっとも大切な役目ですから」

「誰もが、この役を務めます。傷を負っていようと、この役目は徒や疎かにはできません」

「明日も、この飯を食べるのです。次の日も、その次の日も毎日」

「皆が、明日の皆を生かすために、役割を果たすのです。」

  尊氏「・・・・命を、支えるお役目を、皆で」

 

この焼き飯は、四半刻炒らねばなりません。

一刻は(いっとき)約2時間 半刻は(はんとき)約1時間 四半刻は(しはんとき)約30分

玄米をフライパンに入れて、ガスを一番弱くして炒ってみました。ゆっくりゆっくりと~

10分も経つと疲れて、椅子を持ってきて座って混ぜます。

待ちきれなくて火も少し強めにしました。

30分も経つと、米が爆ぜて白い花が咲く筈なのですが、焦げ色が強くなって火を止めました。

食べてみると、硬くて焦げたせんべいを食べてるみたいです。歯が立ちません。完全に失敗です。(申し訳ないが雀の餌にします)

    私の作った焼き米は花が咲きませんでした。

                焦げるのを心配して、途中でやめてしまった。でも30分以上は炒りました。1~2個は小さな花が咲きました。

「米がおどりだしますぞ」正成の声が弾んだ。

最初はひとつ、ふたつ。炒り米がひとりでにとび跳ね始める。

「こうして深く炒っておけば、生米より多くの水を吸って大きく膨らむのです。」

炒った米を一晩水に浸けて焚くのです。二合もあれば出来上がる焼き飯は一升にもなるという。

 

この焼き飯を二人で食べる描写、静かな余韻が何とも言えず胸を打ちます。

この二人、後醍醐天皇や側近の公家たちによって、敵味方になります。

最後まで、敗けると判っても節を曲げず、天皇方についた正成は家臣と共に切腹します。

その場所に、炒った米が残っていました。明日を信じて家臣と炒っていたのでしょう。もののふの生きざまです。

何べんも読み返したくなる本ですし、息子や孫たちに進めたい一冊です。

 

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* 利生の人(尊氏と正成)*

2022-05-30 10:00:23 | 読書

天津佳之著「尊氏と正成・利生の人」を読みました。

  皆が明日の皆を生かすために、

               役割を果たすのです。

「利生の人」とは、衆生に神仏の利益をもたらすこと。(民のために働くこと)

鎌倉幕府を倒し、人が生きる甲斐のある世を理想に掲げた後醍醐天皇の志に賭けた楠木正成

正成に惚れ込んだ足利尊氏。

たとえ敵味方に分かれようとも、二人はただ、為すべきを為そうとした。(帯封の解説より)

 

二人とも後醍醐天皇の、建武の新政を支えようとするが、武家や公家の私利私欲に翻弄されて

お互いが気持ちを通じ合いながら、敵味方に分かれて戦わねばならなった。

(尊氏は鎌倉方~天皇~幕府と二回寝返りますが、衆生の味方になるという初心を貫いて、足利幕府を興します)

敗けると判っても初志一貫、天皇方として戦った正成に、もののふの生きざまを感じます。

正成と子の正行との、桜井の別れは「楠公の歌・青葉茂れる桜井の」と歌になって後の世にも歌い継がれています。

15章有る歌詞の中に、正成の心持ちや業績を讃えています。

 

年の所為か、理解力が無くなったのか、なかなか本が読み進めません。

久し振りに良い本に出合ったと、満足しています。

私が武士としての生きざまに共感を覚えるのは、「楠木正成と真田幸村」時代は違いますが

この二人の武将の生き方に、初心を曲げない清冽な潔い志を感じます。(二人が行きていたら、のちの世は?)

皇居外苑に「楠木正成公」の銅像が有ります。

 DSC02932.jpg  DSC02948.jpg

 躍動感溢れるこちらの銅像、実は東京三大銅像の一つ。(残り二つは上野の西郷隆盛像と、靖国神社の大村益次郎像)

 像の正面は「記文」がはめ込まれている側になりますが、像の顔は正面とは反対側の皇居側を向いています。

 これは皇居に対して顔を背けるのは失礼にあたるという理由によるもの。

 像の正面から見て顔が反対側を向いているという、珍しいつくりの銅像でもあります。(皇居外苑のサイトより)

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* 村上春樹を読む *

2022-01-27 23:20:52 | 読書

村上春樹著「 猫を棄てる・父親について語るとき 」を読みました。

表題のとおり、作者のお父様の事を書かれたもので、1時間で読めるような小さな本です。

青春時代三度も戦争に駆り出され、最終的には京大に入り国語教師となり満たされなかった、自分の想いを息子に託す。

息子は親の想い通りにはならず我が道を進む。そこに親子の葛藤が生じ20年も疎遠の中になった。

  ー 彼は僕にトップクラスの成績を取って貰いたかったのだと思う。

  そしてじぶんが、時代に邪魔されて歩むことのできなかった人生を自分に変わって僕に歩んでもらいたかったのだと思う。

  僕は今でも、この今に至っても、自分が父をずっと落胆させてきた、その期待を裏切っていた、と言う気持ちを

  ー あるいはその残滓のようなものを ー抱き続けている。と~

  僕がこの文章で書きたかったことのひとつは、戦争というものが一人の人間

  ーごく当たり前の名もなき市民だーの生き方や精神を大きく深く変えてしまえるかということだ~~~

世界の村上春樹が述懐しています。(作家として成功している彼にお父様は満足されてたと、私は思います。)

私は、世界で読まれている「ノルウェイの森」「海辺のカフカ」他沢山の村上作品を読みましたが、

凡庸な私には「どうして騒がれるのか?」理解できませんでした。

唯一面白いと、思ったのは1Q84」だけでした。

唯、まだ若いと思っていた作者が73歳と知って、愕然としています。

何度も候補に挙がって、叶わなかったノーベル文学賞は「もう、無理なのでは?」と

でも、期待しています。

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* 読書 100冊 *

2022-01-25 20:10:26 | 読書

図書館で本を選ぶとき、前に一度読んだ本を忘れてしまって借りることが多々有ります。

で、2013年から簡単な読書ノートをつけることにしました。

作品と作者 簡単な感想文を書くことにしています。

読書録をつけると同時に「年間100冊読む」を一年の計としています。

でも、100冊は簡単なようでなかなかで、毎年70冊から80冊の所を推移しています。

昨年、コロナで巣ごもりが多かったことも有って、110冊を読むことが出来ました。

 

最後に読んだのは2021本屋大賞受賞の「町田そのこ著 52ヘルツのクジラ」でした。

52ヘルツのクジラとは―他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。

たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。

自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。

孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる―。(帯封の紹介分より)

それぞれ、助けの周波数を上げながら、救われることのなかった孤独な女性と少年が出会うことによって

展開する物語に、ホッと救われる心地でした。

(誰も届かない歌声を上げているクジラは存在こそ発見されているけれど、実際の姿は今も確認されていない。)

 

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* 宮本輝「流転の海」 *

2021-12-16 20:20:00 | 読書

       

   宮本輝著「流転の海・全9巻」を読み終えました。

   宮本輝さんのお父様の波乱万丈の人生を描いた作品です。

   作者が第1部の「流転の海」を書き始めたのが34歳の時、それから71歳までの37年間に及ぶ大作です。

   私が、図書館でこの本に出合ったのが、2016年の3月29日から市の図書館を探し回って

   刊行されている8部迄を一気に読み上げたのが7月でした。

   それから、最終章となる9部の発行が待ち遠しくて待ち遠しくて~~

   そのうち、すっかり忘れてしまいました。

   このころ、私は、図書館にある宮本作品を「泥の河」を手始めに眼に付く限りの作品を読んでいました。

   で、先日久しぶりに「宮本作品」は無いかと書棚を見ますと、第9部の「野の春」が有るではないですか。

   2018年10月に発行されていたのに気が付かなかったのです。

   なんと、愚かなこと!!

   5年前に読んだ本ですので、忘れているかもしれないと7部から読み返しました。

   宮本輝さんは、私らと同年代を生きてきた人です。

   作品の中に脈打つ、戦後日本の背景に郷愁を感じます。

  作者の父「松坂熊吾」

   戦後の大阪で、度胸と才覚で戦後を生き抜いた男の人生は壮絶なものでした。

   唯、がむしゃらに稼ぐだけでなく、人への思いやりや暖かい心はすごい魅力でした。

   昔は、こんな器の大きい男の中の男を感じさせる人が居たなぁ~と懐かしさを覚えました。

   それに比べて「今の男の小さいこと」(ごめんなさい)

   興味のある方は、読んでみて下さい。一読の価値ある本だと思います。

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花時計