庭の水やりが終わって、7時朝食の準備をしていると、前の道で車いすのおじいさんが
犬の散歩の若いご婦人に、道を聞かれている様子。
なかなか通じなくて困っているみたいだったので、近くだったら送ってあげようと思って、お節介婆さんが登場。
「お家はどこですか?」
「川崎」
「川崎から、親戚のお家に来ていらっしゃるの?」
「違う、駅の方に行きたいのだが」
「そこにお家が有るの?」
「いいや、婆さん達が歌ったり体操するところが有るだろう」
「老人ホームかしら?」
「違う、社長が死んじゃって、社長はいい人だったんだがね」
住所も、名前も電話番号も解らず、まったく、話がかみ合わない。車いすの座席の後ろに黒いバックが積んであったので。
「悪いけど、その中を見せて」と、開けて貰いました。
(ぱんぱんに膨れている中には、カップラーメン・お菓子・ペットボトル・テレビのリモコンを見つけた時は)
こりゃダメだ!「110番してくるから、この方がどこにも行かないように見ててください」と、ご婦人に言って110番通報
「もうすぐお巡りさんが来るから、待っててね」
「警察か?前に何回かお世話になっているから、また、あのじじいか?って言われちゃう」
麦茶を飲ませて、起きてきた主人も一緒に話していると、バックの中から薬袋が出てきました。
それには、ご本人の名前が書いてあって、薬局も近くの名前でした。(近くの方だと確信しました)
湿布薬です。 主人が「僕と同じ湿布薬だ」
「これちっとも効かないよ」だって~
15分経っても、お巡りさんが来ないので再度110番。近くまで来ているので、待っててくださいとの事。
バイクで若いお巡りさんが来て
「何度も迷子になっているようだから、家を教えて頂ければこの次見つけた時に、こちらで処理できますけれど、」
守秘義務が有って、家は教えられないけれど、奥さんが一緒に来てくれれば分かりますから。
お家は、道一本隔てたアパートでした。同じアパートに介護事務所が有って、昼間はそこの方たちがお世話をなさっているそうです。
夜は、独りぼっち。で、朝早く車いすで出てきた様子。
(部屋の戸は開けたままで、不自由な体で狭い玄関を車いすを出すのも容易ではありません。)
食事などは、どうなさっているのか? 余り深く聞けませんが、同じ老人として身につまされます。
主人も、可哀そうに可哀そうにと、身につまされた様子。つくづく主人より先に死ねないなぁ~~~と