宮本輝の「田園発 港行き自転車 上・下」を読みました。
「泥の河」以来大好きな作家の一人で、折に触れて読んでいますが
このところ、ご無沙汰でした。
久しぶりに5月に「にぎやかな大地 上・下」を読んだ時、やはり宮本作品はよいなぁ~と!
この作品の主人公は、求めに応じてこの世で一冊の本を作る作家。
求めに応じて、いろいろなジャンルの本を手がけます。
日本の発酵食品を一冊の本にする。お金に糸目をつけず一冊100万円くらいの本です。
そのために、醤油はどこの何・味噌はと全国を巡るなんとも贅沢な話です。
これが本物のセレブな暮らしだと思います。
話は、これを中心に展開していくのですが、登場人物がよい人ばかりで読後優しい気持ちになります。
この本を、廻した友人は「せめてお塩だけは良い物をつかいたい」と言ってました。
私は、塩はすでに使ってますし、味噌も手作りです。
糠みそ(これも発酵食品です)を良い状態にと、毎日手入れを怠りません。
贅沢はせずに、なるべく本物のよい食品を口にしたいと、心がけています。
「田園発。。。。」は京都・富山・東京、三都市の家族の「縁」という不思議な糸で繋がっている
運命が、知らず知らずに繋がって行く。
この作品も「慈しみの心」を持った、優しい人ばかりで心が洗われる作品です。
中流な人を描いていますが、崇高な心を持った人ばかりだなぁとうらやましい限りです。
作者の品性が表れているのでは!と思います。
特に、富山湾に沿った北国街道。
この美しい景色が文章に滲み出ています。
昔、黒部峡谷・宇奈月温泉を旅行した折、魚津から乗ったホクホク線。
車窓の左側に見える富山湾を眺めての田園風景。海も空もきれいだったことを思い出します。
のんびりとこの風景を歩いてみたい、との思いに捕らわれます。
富山~滑川~魚津~黒部~入善とたどって見たい過程です。
興味のある方は、この二作品是非読んでみてください。
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