コロナ禍・家で出来ること。ガーデニングと読書(一番しなければいけないことは終活ですが?)
8月から新潮社の「山本周五郎長編小説全集」に挑んでいます。(15巻まで読みました。)
全26巻で大体ページ数600枚弱です。下段に難しい言葉や時代用語の注釈付きで、若い人でも読みやすいと思います。
第1巻目と2巻目は代表作とも言える「樅ノ木は残った」です。
NHKの大河ドラマや歌舞伎の「伽羅先代萩」でも有名なので、ご存じの方もいらっしゃるでしょう。
江戸時代初期の万治三年、仙台藩主・伊達綱宗は、幕府から突然の逼塞を命じられる。
事件の陰に潜む幕府老中・酒井雅樂頭と、伊達一門・伊達兵部(一関伊達氏)の密約。
(徳川幕府は、伊達藩・島津藩・毛利藩の三大藩を弱小藩にしたかった)
仙台藩宿老・原田甲斐の幕が切って落とされた。
原田甲斐曰く、
「侍にとって『忠死』が本望であることに間違いはない、しかし侍の『道』のためには、
時には不忠不臣の名も甘受しなければならぬ」
極悪人の烙印を押された原田甲斐の人間像を、鮮やかに覆した歴史小説の傑作(巻末のあらすじ より)
作者の言葉
身を捨てて苦心経営し、危うくその目的を果たしたが、彼とその家族(母、妻、子、孫たち)は、
奸族の名によって罪死した。彼は名門に生まれたが剛勇烈士の類ではなかった。
酒を好み、女を愛し、美食を楽しむことを知っていた。
彼には逸話は残っていない。ただ一つ彼は一本の樅ノ木を愛した。
それは芝増上寺の塔頭「良源院」の庭にあり、明治中期までそこに立っていたという。
彼は伊達陸奥守の家臣で、名を原田甲斐宗輔と言った。
日本経済新聞(昭和29年7月6日)
私も歌舞伎などで見る限り、原田甲斐は「お家乗っ取りを企んだ悪人」の印象でした。
お家騒動と取られると「幕府が狙っている藩の取りつぶし」になります。
いかにして幕府から藩を守るか?
その一念で自身を投げ出し、一族郎党幼い孫迄を犠牲にします。
武士のお家大事・藩や領主に対する忠義心、理解出来ないことばかりでした。
女性の目から見れば、切ない物語でした。
でも、読み応えが有ります。
新潮社の「山本周五郎全集」は26巻まであります。
中身の濃い作品や、さっと読める本など種々です。
文章が読みやすくもあり、頑張って読破しようと。
藤沢周平さんや葉室麟さんも逝かれて、武士の時代を暖かく描く作家さんが居なくなったのは、寂しい限りです。
やはり「樅ノ木は残った」が発端です。
今や、目や頭も悪くなり読む気力も無くなってしまいました。