報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“新アンドロイドマスター” 「老いらくの恋」

2015-09-07 22:10:49 | アンドロイドマスターシリーズ
[8月31日20:30.埼玉県さいたま市大宮区・JR大宮駅東口 平賀太一&1号機のエミリー]

 エミリーの頭脳に搭載されている通信機。
 そこにシークレットで送信して来た相手は、それは……。
「キール……!?」
{「シッ。静かに」}
 懐かしい声が頭に響いた。
{「すぐ近くに敷島社長か、平賀博士はいるかい?」}
(ドクター平賀が・いる)
{「これはボク達だけの内緒の話だ。平賀博士に気取られてはいけない。もちろん、他のロイド達にもだ」}
(話は・なに?)
{「実は今、ボクは動けない。このままでは、警察隊の捜査網に引っ掛かるのは時間の問題だろう」}
(動けない?どういう・こと?)
{「キミの妹に撃たれた。頭を狙われたのだが、運よく右肩に当たっただけで済んだよ」}
(誰だ?シンディか?アルエットか?)
{「カスタマイズしたライフルを撃ってきた。それで誰か分かるだろう?」}
(シンディ!)
{「そんなことはどうでもいい。それより、助けに来てほしい。ボクはまだまだやらなければならないことがある。キミは信用できる女性だから、是非お願いしたい。キミと行動している平賀博士にこのことが分かったら、博士は警察隊に通報するだろう」}
(どこに・いるの?)
{「ボクの居場所をキミのデータに送信する」}
(私に・オーナーや・ユーザーの・命令に・背けと?)
{「代わりに伝助博士の居場所を教えてあげる」}
(!?)
{「これならいいだろう?キミが正義に背くことはなくなった」}
(ドクター十条伝助を・売るの?)
{「ボクだって、本当はこんなことやりたくなかった。僕が光線銃を撃つ度に、キミから嫌われるのが何よりも嫌だったんだ。ボクを見つけてくれ。そして一緒に逃げるんだ」}
(逃げる?どこへ?)
{「どこでも……外国でもいい。指名手配をされているのは伝助博士だ。ボクはされていない。だから、きっと逃げられる。キミだって、ずっと博物館みたいな所に入れられていい存在じゃないだろう?」}
(私は……。それは・どうでも・いい。オーナーが・そうしろと・命令される・のなら・それに・従うまで・だ。だけど・あなたは・助ける。場所を・教えて)
{「ありがとう」}
 キールが送信してきた場所は、ずっと北の方であった。

 そこへ、上空からヘリコプターが飛んできた。
 と、同時に、
「いやー、お待たせ!」
 車椅子に乗った村中課長と、数人の警官隊がやってきた。
「そんな体でムリを……」
 平賀が半ば呆れた顔をした。
「ああ。ここの捜索は十分だ。1度、本庁へ戻ろう」
「課長は病院へお戻りになった方が……」
「本庁に戻って、本部長に報告してからだ。もちろんその後、キミ達を仙台まで送り届けることを約束する」
「結局、ケンショーレンジャーなるものは一体、何だったんでしょうなぁ……。? エミリー?どうした?」
「……!何でも・ありません」
「早くヘリに乗れ。警視庁まで行くってよ」
「イエス。ドクター平賀」
 こうして、エミリー達は1発の銃も撃たずに、さいたま市内を離脱するに至ったのである。

[同日23:00.宮城県仙台市青葉区 ホテル・ドーミーイン仙台広瀬通 敷島孝夫]

 敷島はホテルの客室で平賀と電話していた。
「そうですか。既に敵は倒れていた状態と……」
{「そうなんです。エミリーは1発も銃弾を撃ってません」}
「なるほどねぇ……」
{「取りあえず、もう夜も遅いので、東京で1泊してから戻ることにします」}
「まあ、それがいいですね。こちらも、さいたま市が封鎖されているので、ホテルに缶詰めですよ」
{「同じホテルですか?」}
「いや、引き払った後で部屋が埋まったらしく、断られましたよ。急いで仙台市内中のホテルを探したら、何とか別のホテルが見つかりました」
{「それは良かったですね」}
「いや、全くです」
{「もし明日、ケンショーレンジャーの脅威が無くなったら、避難指示が解除になると思われます」}
「そうですか。でも、それから完全に交通機関が元に戻るまで、2〜3日は掛かりそうですな」
{「アリスは無事で、先に家に戻れそうです」}
「ありがとうございます。ところで、平賀先生はアリスに何の用があったんですか?」
{「キールの行方ですよ」}
「キールの?」
{「ええ。アリスが以前、実験で得たデータの中に有用なものがあるのを思い出しましてね」}
「私が聞いても分からない専門用語がこの後、出て来そうですな。まあ、技術開発の皆さんにそこはお任せしますよ。私はあくまで、営業マンですから。……分かりました。それでは、私は向こうが復旧次第、戻ります。……はい、それでは」
 敷島は電話を切った。
 その時、部屋のドアがノックされた。
「ん?はいはい」
 ドアを開けると、そこに井辺がいた。
「お疲れさまです。ビールを買ってきましたので」
「おー、悪いな。……風呂上りか?」
「はい。このホテル、大浴場があるんですね。男性用オンリーですけど」
「そうなのか。女性はどうするんだ?」
「近隣にある姉妹店の大浴場をお使いください、とのことです」
「ふーん……。まあ、ロイド達は風呂入らないからいいけどね」
 それに、室内にもバスルームは付いている。
 敷島が驚いたのは、エミリーがシャワーで体を洗っていること。
 敷島の様子を見た南里志郎が不思議そうな顔をして、体が汚れたのだからシャワーを使って何が悪いみたいなことを言っていた記憶がある。
 正しくそうなのだが、ロボットがシャワーだなんてという気持ちがあったのが正直な所だ。
 ロイドが風呂に入っている所を見たのは、鏡音レンが初。
 東北の道の駅には、しばしば温泉施設が併設されていることがあるが、そこでレンが入ってきたことだ。
 で、いきなり水風呂に入りやがった。
 しかし、レンは逆に気持ち良さそうに水に浸かっていたのである。
 ロイドは熱に弱い為、逆に水風呂で体を冷やす方が良いのだとか。
「社長は入られましたか?」
「いや。とても、そんな気になれないよ」
「すいません。先に頂いてしまって……」
「いやいや、キミはいいよ。キミはMEGAbyteのプロデュース業務に専念してくれればいい」
「そのMEGAbyteなんですが……」
「ん?」
「明日、さいたま市内のライブハウスでまたミニライブの予定があったのですが、こんな状況でキャンセルせざるを得なく、とても残念です」
「そのライブハウスは今、どうなのかな?」
「は?」
「いや、もしケンショーレンジャーに破壊されていなかったのなら、もう1度申し込んでみるんだ。こっちが勝手にドタキャンしたわけじゃないんだ。あくまで、テロという災害によるものだ。上手く行けば、またそこでライブはできるようになるかもしれない」
「明日、また運営元に連絡してみます」
「ああ。ビールありがとう。……普通に、俺は部屋の風呂に入るよ」
「はい。おやすみなさい」
「ああ。お疲れさん」

 その後、井辺はロイド達が宿泊している和洋室に向かった。
 ツインのベッドと畳敷きの部屋があり、ちょっとしたお泊り会みたいな感じで、さぞかし盛り上がっていると思いきや……。
「……もうお休みですか。そうですか。さすがロイドの皆さんは、スケジュール設定に忠実ですね」
 部屋をノックしても出てこないので、遠隔監視用のタブレットを見てみたら、全員が充電中のスリープモードに入っていた。
(せめて、仙台で臨時に何か仕事であれば良いのですが……。そう簡単に、思うようにはいきませんね)
 井辺は頭をかいて、自分の宿泊しているシングルルームへ戻った。
 ……まあ、敷島の隣の部屋であるが。
 急な話だったので、ツインは満室で確保できなかったのである。
コメント (3)
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本日の雑感 0907

2015-09-07 00:27:52 | 日記
 ANPさんからの書き込みに関しては、まどマギには興味が無いので終了させて頂きたい。
 どうも掲示板の書き込み的なノリは苦手なので、私はあくまでブログ一辺倒で通させて頂く。

 掲示板と言えば“宿坊の掲示板”。
 2の方はあまり興味が無いが、“フェイク”が掲載されている9の方はたまに見る。
 で、そこにあったのが、これ。
 以下に引用させて頂く。

「中・高等部合宿」の参加者が激減 投稿者:宿坊 投稿日:2015年 8月27日(木)14時40分22秒
 7月25日・26日、大石寺で「第4回法華講中等部・高等部合宿」が行われた。
 機関紙「大白法」(8月1日号)によれば、中等部、高等部合わせて約750人が参加したとのことだが、昨年は約940人だったというから、昨年より2割、実に200人近くも参加者が減ったことになる。

 日顕宗では近年、未成年の信者の育成に力を注いでいるが、うまくいっていないのが現実だ。今年は中・高等部合宿の約3週間前に、申し込み人数が少ないことに焦った宗務院が、「合宿に参加しよう」と題するDVDを末寺に配付して、追加申し込みを促したが、徒労に終わったようだ。

 本年、少年得度の志願者が1桁台にまで落ち込み、日如執行部が各末寺に得度者の勧誘を呼び掛ける異例の事態となっているが、中・高生の信者の実態もこの有り様。またまた、"お先真っ暗"の日顕宗の実情が白日の下にさらされたといえよう。

 以上である。
 まあ、日顕宗は大きなお世話だ。
 参加者数の減少については先日も述べた通り、日蓮正宗も少子化の波に飲み込まれているのだから仕方が無い。
 それでも750人も参加したのだから素晴らしいと思うがね。
 育成と言われても、中高生だって学業が優先だからね、なかなか難しいと思うよ。
 夏休みだって本来、大石寺に行かないで、もっと他に遊びに行きたかったことだろう。
 中には親にうるさく言われて渋々参加した者もいたのではないか。
 私が“フェイク”の記者なら、そんな一見やる気の無さそうな中高生達を取り上げ、
「信心の薄い日顕宗の中高生信者たち」「親に言われて渋々参加」「隠れて飲酒・喫煙も?」
 なんて書いちゃうけどね。
 そうしなかったということは、その辺の裏が取れなかったのだろう。
 唯一取れた裏付けが、参加人数の減少ということとDVDの配布だけだったわけだ。
 もちろん、少子化によるものであり、宗門だけの問題ではないで反論終了だ。
 しかし、私はDVDの存在すら知らなかった。
 青年部員はお呼びでないらしいが、今度紹介者に聞いてみることにしよう。

 少年得度の数に関してだが、他の宗派ではどうなのだろうか?
 曹洞宗など、住職が代々寺を継いでいく方式の宗派では、後継者不足で、やはり寺余り状態らしいが……。
 宗派の規模に対して僧侶の数が足りているのなら、何も問題は無いかと思う。
 山門入り口さんの見解では、日蓮正宗ではむしろ“僧侶余り”の状態らしい。
 でもこれって、僧侶不足で住職のいない寺を多く抱え込んでしまっている他宗派から見れば贅沢な問題らしいよ。
 取りあえずお寺を建てれば、すぐそこに御住職が務まるお坊さんを派遣できる状態なのであればOKなんじゃないかな。

 日蓮正宗とて、宗教法人としては凡夫である。
 それが運営しているわけだから色々と問題点、不安要素もあるだろう。
 正直、安心で明るい未来というわけではない。
 ただ、他の宗派と比べれば、つまり運営自体がそもそも怪しい所が存在する宗教団体のことを考えれば、日蓮正宗はだいぶマシなんじゃないかなって思うわけだ。

 私が顕正会に戻らず、取りあえずまだ宗門に居続ける理由である。
コメント (4)
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