報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「夏休みの登校日」 3

2021-11-02 20:37:03 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[8月16日11:30.天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校・教育資料館(旧校舎)]

 リサ:「花子大先輩、いますかー?」

 リサは白い仮面を着けて、教育資料館を訪れた。

 花子さん:「おお、来たか」

 リサと同じく、白い仮面を着けてセーラー服を着た“トイレの花子さん”が現れた。

 リサ:「オリンピック観戦、楽しかったですか?」
 花子さん:「まさかこの世にいる間に、2回もオリンピックが観れるとは功徳だな。今度はパラリンピックを観戦するぞ」

 花子さんは校長室に設置されたテレビを指さして言った。

 花子さん:「今ではトイレよりも、ここにいる時間の方が長いくらいだ」
 リサ:「“トイレの花子さん”じゃなくなりましたね」
 花子さん:「それより、憎き白井伝三郎の情報は何か掴んだか?」
 リサ:「まだです。本当に日本にいるのかなぁ……と。先輩は何か思い出されましたか?死ぬ前の人間だった頃の記憶……」
 花子さん:「ダメだ。むしろ、日に日に記憶が薄らいでいくよ。小耳に挟んだ噂では、新校舎だかどこかにも、私みたいな幽霊が棲み付いているらしいな?」
 リサ:「いや、すいません、聞いたことないです。私、霊感は無いんですよ」
 花子さん:「そうか。いや、そいつは長いこと幽霊をやっているうちに、悪霊化してきたというんだな。今もそこにいるのかどうかは分からんが、もしかしたら、私もいずれそうなるのかもしれない」
 リサ:「花子さんは意識がハッキリしていますから、大丈夫なんじゃないですか」
 花子さん:「いや、いずれ私もそうなる。遅いか早いかだけだ。そうなる前に、ここに白井伝三郎を連れて来てもらいたいものだな」
 リサ:「警察か国家機関が逮捕したら、それは無理ですよ」
 花子さん:「ならば、ヤツが逮捕されたら、教えてほしい。オマエの話しぶりからして、かなりの大悪人なのだろう?それが逮捕されれば新聞に載るはずだ。それを持って来てくれればいい」
 リサ:「分かりました。先輩は、ここから出られませんもんね」
 花子さん:「いや、出る方法は1つだけある」
 リサ:「何ですか?」
 花子さん:「オマエに憑依することだ」

 花子さんは青白く冷たい手を、リサの顔に伸ばしてきた。
 思わずリサは、大きく飛び退いた。
 その動きは、さすがBOWといった感じである。
 因みに、ここでのリサは第1形態に戻っている。
 どちらも人外として会っているからだ。

 リサ:「私のこの姿は鬼と呼ばれています。幽霊が鬼に憑りつくなんて、お笑いのネタですよ」
 花子さん:「はは、冗談だ。さすがの私も、憑依するなら人間と思っている。オマエへの憑依は無理だ」
 リサ:「でしょうね。それじゃ、私はこれで」
 花子さん:「その制服、かわいくなったな。私の時なんて、こんな野暮ったいセーラー服だ」
 リサ:「白井は萌えていたようですよ。だから、あなたを模した人体実験者達にセーラー服を着せたんだ」
 花子さん:「気持ち悪い……」

 リサは第0形態に戻り、白い仮面を取った。
 白い仮面は目の部分に横長の切れ込みが入っているだけなので、夏は結構蒸れて暑かったりする。

 絵恋:「お帰り、リサさん」
 リサ:「ただいま」
 絵恋:「花子さんとは会ったの?」
 リサ:「ああ。オリンピック、開会式から閉会式までコンプしたそうだ。今度は、パラリンピック観るんだって」
 絵恋:「テレビが好きなのね」
 リサ:「花子先輩が生きていた頃は、テレビくらいしか無かっただろうからね。私が死んで化けたら、スマホやゲーム機差し入れてもらう」
 絵恋:「リサさんはそんなこと無いから!リサさんはマグナム撃ち込まれても死なないんでしょう!?」
 リサ:「ああ……。まあ、そうだな」

 2人して学校の裏門から出ようとした時だった。

 善場:「登校、ご苦労さま」
 リサ:「善場さん」
 絵恋:「あなたは……」
 善場:「お久しぶりです。NPO法人デイライト東京事務所の善場優菜です。斉藤絵恋さんに、大事なお話があります」
 絵恋:「おあいにくさま、私はリサさんに大事なお話がありますので」
 リサ:「サイトー。善場さんの話、私も一緒に聞く」
 絵恋:「えぇえ?リサさんがそう言うなら、吝かじゃないですがぁ……!」
 善場:「ここでは何ですので、車に乗ってください」

 裏門の前の通りには、黒塗りの高級ミニバンが止まっていた。
 もっとも、絵恋の実家の車の1台と同じ車種なので、絵恋にとっては馴染み深い車種かもしれない。
 また、都内ではたまにタクシー車両に使われていることがあるので、一般人も乗車可能である。

 絵恋:「どこまで行くんですか?」
 善場:「菊川に帰るところでしょう?送って行きますよ」
 絵恋:「はあ……。でも、私、リサさんと昼食……」
 リサ:「サイトー。事務所に行けば、そこで昼食食べれる」
 絵恋:「はあ、分かりました」

 リサ達は車に乗った。

 善場:「じゃ、出して」
 部下:「はい、主任」

 最後に善場が乗り込むと、車が走り出した。

 善場:「斉藤さん、埼玉の実家、リフォーム中なんですって?」
 絵恋:「地下の水道管が故障したので、その修理ですよ。プールが使えなくなって残念です」
 善場:「そう。でも工事しているのは、プールの下じゃないかしら?」
 絵恋:「プールの排水口が詰まったそうで、要はその先の水道管が壊れたわけですから、そうなりますね」
 善場:「ふーん……。最近そのプール、誰か入った?」
 絵恋:「いいえ。これからリサさんと入ろうとしていた矢先に壊れて残念です」
 善場:「あなたはプールの下に行ったことは?」
 絵恋:「は?水道管なんか入れないですよ」
 善場:「誰が水道管だと言ったの?プールの下には、更に地下2階があるんでしょう?」
 絵恋:「ちょっと何仰ってるか分かりません。うちは地下1階までですよ」
 善場:「まあ、いいわ」
 リサ:「サイトー……」

 リサは愛原と高橋が、実際にあのエレベーターで地下2階まで行ったことを言いたい衝動に駆られた。
 実際に絵恋が愛原達の妨害をしたのかの真偽はともかく、地下2階の存在まで否定されると、まるで愛原達が嘘をついていることになってしまうからだった。
 だが、ここでそれを言ってしまうと、余計ややこしくなるような気がしたので、リサは黙っていることにした。
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“慧妙”2021年11月1日号を読んで。

2021-11-02 19:55:58 | 日記
 “慧妙”11月1日号が届いた。
 順不同で感想を述べたいと思う。

 4面のマンガのタイトルが“新・となりの沖田くん”なのに、沖田君が一切登場しないことに、顕正会員や学会員はツッコミを入れても良いかもしれないw
 最近の新規読者は、『沖田君って誰?』って思ってるかもしれないよ。
 アマチュア作家の私だが、さすがにタイトル通りにはしないと。

 1面の体験発表だが、3回も結婚できた妙観講員さん、その経緯をkwsk!

 2面の顕正会教学部の狂学的行動について。
 ぶっちゃけ、浅野氏のことは私は面識は一切無いのでスルーさせて頂く。
 坪田さん、部長にまで出世したのはいいけど、まだいたの!?
 この人とは面識があってね。
 当然向こうは私のことなんて覚えていないだろうけど、何を隠そう、私が初めて顕正会に縁した時の入信勤行の導師役だったんだな。
 まだ本部会館だった頃の東京会館で、時間は夜だった。
 季節は春で、5月くらいだったと思う。
 まだ髪の毛も黒々していて、いかにも敬虔な仏教信者という感じだった。
 今の坪田さんがどんな感じなのかは知らないが、少なくとも“慧妙”を見る限りではだいぶ変わったみたいだね。
 あれから22年になるのか。
 私も歳を取ったし、坪田さんも歳を取った。
 失礼な話ながら、だいぶ髪が薄くなられたようで……い、いや、トチロ~さんのことじゃないっスよ?!
 入信してから足しげく東京会館に通ったが、昼過ぎてから夕勤行の始まる時間前くらいに行くと、坪田さんが会館前の掃除をしていたり、打ち水をしていたりしてね、さすがは敬虔な仏教信者だと思ったものだよ。
 目が合うと、微笑を浮かべながら挨拶してくれたりしてね。
 あの頃の顕正会は楽しかった。
 もちろん、あの当時から謗法団体ではあったが、少なくとも今の顕正会や法華講と比べても面白い所だったんじゃないかな。
 これというのも、克衛さんの存在が大きかったからだろう。

 そういえばケンショーグリーンとして登場して頂いている横田理事も、髪はまだボリュームはあるが、かなりもう白髪が目立っているんだってね。
 あの人は凄く地味な感じで、そのキャラクターがポテンヒットさん不朽の名作、“ケンショーレンジャー”で再現されていたのだが。
 あまりにも面白いので、許可を取って、私の作品で使わせて頂いている。
 残念ながら坪田さんとポテンヒットさんは面識が無かったのが、彼が“ケンショーレンジャー”に登場することはなかった。
 浅野氏は知らんのでスルーさせて頂くが、坪田さんと横田理事には是非とも報恩坊に来て頂きたいものだ。
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