[9月4日17:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション→都営地下鉄森下駅]
愛原:「そろそろ夕方だよ。帰った方がいいんじゃないの?」
夕方の防災無線が流れる頃、私はリサの部屋に行ってみた。
夏のこの時期は、まだまだ明るいが、冬はもう真っ暗の時間だ。
桜谷:「あ、はい。そろそろ帰ります」
リサ:「わたしも、そろそろ脱ぎたい」
そう言ってリサ、黒マントを脱ぎ出す。
愛原:「森下駅まで送るよ。菊川駅よりも、そっちの方がいいんでしょ?」
桜谷:「あ、はい。お願いします」
リサ:「それじゃサクラヤ、着替えよう」
桜谷:「あ、はい」
愛原:「着替えたら出て来て。俺は、リビングにいるから」
リサ:「承知」
桜谷:「分かりました」
桜谷さんは後ろを向いた。
また、左後ろの尻の当たりから、白いショーツがハミパンしてしまっている。
あまり見ると怪しまれる上、リサにも怒られるので、さっさと外に出ることにした。
リサ:「お待たせ」
桜谷:「お待たせしました」
2人の少女が私服に着替えて来た。
リサは黒いノースリーブのTシャツに、デニムのショートパンツ。
桜谷さんは、白いTシャツに、普通のジーンズだった。
これでベレー帽でも被れば、まるで本当の画家……だと思っていたら、本当に被った。
赤いベレー帽だ。
リサ:「サクラヤ、来る時、その帽子被ってた?」
桜谷:「いえ。来る時は風が強かったので」
愛原:「あ、確かにな」
私達は玄関を出て、マンションの外に出た。
台風も過ぎて、暑い空気が私達を包む。
さすがにもう、風は強くない。
新大橋通りを進み、森下駅前交差点の角を曲がる。
リサ:「あ、オリジン弁当だ」
愛原:「こっちにも、弁当屋があるのか。なるほど……」
そして、地上よりは日が当たらないだけ涼しい、地下鉄の駅に入る。
桜谷:「それじゃリサ様、昨日今日とありがとうございました」
リサ:「うむ」
愛原:「でも、まだ完成したわけじゃないだろう?」
桜谷:「まだ下地だけです。だけど、これだけでも一歩前進です。あとは放課後に、協力して頂くだけです」
リサ:「分かった」
愛原:「下校時刻までには帰るんだぞ?」
リサ:「分かってる」
桜谷さんは手持ちのPasmoを改札機に当てて、コンコースに入って行った。
そして、都営大江戸線のホームへと向かって行った。
大きな荷物を持ってはいるが、今日は日曜日で、夕方のラッシュは無いので、そんなに大変ではないだろう。
愛原:「よし。それじゃ、俺達も帰ろうか」
リサ:「先生。お弁当、買って行こ!」
愛原:「え?」
リサ:「今日はお弁当がいい!」
どうやら、肉がたっぷり詰まった弁当を見て、食欲が湧いたらしい。
愛原:「分かったよ。明日の朝飯も買いたいから、100円ローソンにも寄るけどな」
リサ:「分かった!」
私とリサは駅を出ると、オリジン弁当に立ち寄った。
案の定、リサはサーロインステーキ弁当を所望した。
愛原:「そう来ると思った」
リサ:「エヘヘ……」(∀`*ゞ)
リサには定期的に肉を食わせておかないと、暴走する恐れがある。
この程度で暴走が抑えられるのなら、安いもんだ。
エブリンなど、特殊な薬を定期的に注射しないと、通常の25倍の速度で老化するなんて欠点があったそうだからな。
リサ以外の日本版リサ・トレヴァーも、獣肉ではなく、人肉しか受け付けなくなってしまっている。
その理由について、最近になってようやく分かって来た。
定期的に獣肉を摂取しないと、暴走する仕組みになっていたらしい。
その定期的な量は個体差があるが、『2番』のリサはこれでも少量で済んでいる方なのだと。
そして、定期的な量が増えない為にも、やはり人間の血肉を少しは食わせる必要があったらしい。
こっちのリサの場合は、それが『老廃物』と『血液』なのだと思われる。
[同日18:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]
夕食の弁当と、明日の朝食を買ってマンションに戻る。
愛原:「無洗米はあるから、明日はこれで米を焚こう。明日は、朝カレーだ」
リサ:「おー!」
弁当は途中の買い物で、少し冷めてしまったので、電子レンジで温め直した。
リサ:「……フム。桜谷、忘れ物してない」
愛原:「いいことじゃん」
リサ:「先生の為に、ブルマかパンツ1枚忘れて行くのが筋だと思う」
愛原:「いや、そんなことないから」
尚、暴走の兆候が現れると、この思考のズレが酷くなるという。
今のは……まあ、まだ御愛嬌か。
これからサーロインステーキ弁当を食べるのだから、それで修正もされよう。
リサ:「ちょっと待って。着替えて来る」
愛原:「別にいいよ。せめて風呂に入るまでは、その恰好で」
リサ:「そう?」
愛原:「そう。それに、リサは明日も体育があるんだろ?」
リサ:「うん」
愛原:「それなら、今のうちに体操服とかも洗濯しておいた方がいいかもしれない。一晩干しておけば乾くだろう」
リサ:「それもそうだ。さすがは先生」
愛原:「別に俺じゃなくて、高橋がそうしてただろ」
リサ:「ん、確かに」
私達は弁当と、野菜サラダなどをテーブルを置いた。
愛原:「それじゃ、頂きます」
リサ:「頂きます」
最近の弁当屋の弁当は美味い。
そういえば、菊川地区にも“ほっともっと”がある。
リサも絵画制作で、帰りが遅くなるようだし、夕食はこういう弁当に頼っても良いのかもしれない。
私が1人でやっていた頃は、もっと適当な食事だったがな。
リサ:「先生。今日から、頭洗えるんでしょ?」
愛原:「そうだよ」
リサ:「わたしが洗っていい?」
愛原:「あー……と……。気持ちは嬉しいんだが、とてもデリケートなんだよ。自分でも力加減どうしたらいいか分からないから、それはカンベンしてくれ」
リサ:「むー……」
愛原:「もう少し傷が塞がったら、またお願いするよ」
リサ:「……それじゃ意味が無い」
愛原:「なに?何だって?」
リサ:「何でもない……。食べたら、洗濯していい?」
愛原:「その着てる服も洗濯したら?」
リサ:「じゃあ、お風呂入る時?」
愛原:「そう。何なら、乾燥機使うか」
乾燥機は電気代が掛かるので、基本的には使っていない。
だが、こういう急ぎの場合とか、稀に使う程度である。
リサ:「分かった」
リサは頷いた。
リサ:「あの……」
愛原:「ん?」
リサ:「明日の朝は、わたしが作るね」
愛原:「えっ?」
リサ:「夕食、絵画制作のこともあって、作れないと思うからさ」
愛原:「別に、気にしなくていいよ?」
リサ:「ううん。大丈夫。今日買ってきた材料で作ればいいんでしょ?お兄ちゃんから習ってるから大丈夫」
愛原:「あ、ああ、分かった。それじゃ、頼むよ」
リサ:「うん。わたしに任せて」
愛原:「そろそろ夕方だよ。帰った方がいいんじゃないの?」
夕方の防災無線が流れる頃、私はリサの部屋に行ってみた。
夏のこの時期は、まだまだ明るいが、冬はもう真っ暗の時間だ。
桜谷:「あ、はい。そろそろ帰ります」
リサ:「わたしも、そろそろ脱ぎたい」
そう言ってリサ、黒マントを脱ぎ出す。
愛原:「森下駅まで送るよ。菊川駅よりも、そっちの方がいいんでしょ?」
桜谷:「あ、はい。お願いします」
リサ:「それじゃサクラヤ、着替えよう」
桜谷:「あ、はい」
愛原:「着替えたら出て来て。俺は、リビングにいるから」
リサ:「承知」
桜谷:「分かりました」
桜谷さんは後ろを向いた。
また、左後ろの尻の当たりから、白いショーツがハミパンしてしまっている。
あまり見ると怪しまれる上、リサにも怒られるので、さっさと外に出ることにした。
リサ:「お待たせ」
桜谷:「お待たせしました」
2人の少女が私服に着替えて来た。
リサは黒いノースリーブのTシャツに、デニムのショートパンツ。
桜谷さんは、白いTシャツに、普通のジーンズだった。
これでベレー帽でも被れば、まるで本当の画家……だと思っていたら、本当に被った。
赤いベレー帽だ。
リサ:「サクラヤ、来る時、その帽子被ってた?」
桜谷:「いえ。来る時は風が強かったので」
愛原:「あ、確かにな」
私達は玄関を出て、マンションの外に出た。
台風も過ぎて、暑い空気が私達を包む。
さすがにもう、風は強くない。
新大橋通りを進み、森下駅前交差点の角を曲がる。
リサ:「あ、オリジン弁当だ」
愛原:「こっちにも、弁当屋があるのか。なるほど……」
そして、地上よりは日が当たらないだけ涼しい、地下鉄の駅に入る。
桜谷:「それじゃリサ様、昨日今日とありがとうございました」
リサ:「うむ」
愛原:「でも、まだ完成したわけじゃないだろう?」
桜谷:「まだ下地だけです。だけど、これだけでも一歩前進です。あとは放課後に、協力して頂くだけです」
リサ:「分かった」
愛原:「下校時刻までには帰るんだぞ?」
リサ:「分かってる」
桜谷さんは手持ちのPasmoを改札機に当てて、コンコースに入って行った。
そして、都営大江戸線のホームへと向かって行った。
大きな荷物を持ってはいるが、今日は日曜日で、夕方のラッシュは無いので、そんなに大変ではないだろう。
愛原:「よし。それじゃ、俺達も帰ろうか」
リサ:「先生。お弁当、買って行こ!」
愛原:「え?」
リサ:「今日はお弁当がいい!」
どうやら、肉がたっぷり詰まった弁当を見て、食欲が湧いたらしい。
愛原:「分かったよ。明日の朝飯も買いたいから、100円ローソンにも寄るけどな」
リサ:「分かった!」
私とリサは駅を出ると、オリジン弁当に立ち寄った。
案の定、リサはサーロインステーキ弁当を所望した。
愛原:「そう来ると思った」
リサ:「エヘヘ……」(∀`*ゞ)
リサには定期的に肉を食わせておかないと、暴走する恐れがある。
この程度で暴走が抑えられるのなら、安いもんだ。
エブリンなど、特殊な薬を定期的に注射しないと、通常の25倍の速度で老化するなんて欠点があったそうだからな。
リサ以外の日本版リサ・トレヴァーも、獣肉ではなく、人肉しか受け付けなくなってしまっている。
その理由について、最近になってようやく分かって来た。
定期的に獣肉を摂取しないと、暴走する仕組みになっていたらしい。
その定期的な量は個体差があるが、『2番』のリサはこれでも少量で済んでいる方なのだと。
そして、定期的な量が増えない為にも、やはり人間の血肉を少しは食わせる必要があったらしい。
こっちのリサの場合は、それが『老廃物』と『血液』なのだと思われる。
[同日18:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]
夕食の弁当と、明日の朝食を買ってマンションに戻る。
愛原:「無洗米はあるから、明日はこれで米を焚こう。明日は、朝カレーだ」
リサ:「おー!」
弁当は途中の買い物で、少し冷めてしまったので、電子レンジで温め直した。
リサ:「……フム。桜谷、忘れ物してない」
愛原:「いいことじゃん」
リサ:「先生の為に、ブルマかパンツ1枚忘れて行くのが筋だと思う」
愛原:「いや、そんなことないから」
尚、暴走の兆候が現れると、この思考のズレが酷くなるという。
今のは……まあ、まだ御愛嬌か。
これからサーロインステーキ弁当を食べるのだから、それで修正もされよう。
リサ:「ちょっと待って。着替えて来る」
愛原:「別にいいよ。せめて風呂に入るまでは、その恰好で」
リサ:「そう?」
愛原:「そう。それに、リサは明日も体育があるんだろ?」
リサ:「うん」
愛原:「それなら、今のうちに体操服とかも洗濯しておいた方がいいかもしれない。一晩干しておけば乾くだろう」
リサ:「それもそうだ。さすがは先生」
愛原:「別に俺じゃなくて、高橋がそうしてただろ」
リサ:「ん、確かに」
私達は弁当と、野菜サラダなどをテーブルを置いた。
愛原:「それじゃ、頂きます」
リサ:「頂きます」
最近の弁当屋の弁当は美味い。
そういえば、菊川地区にも“ほっともっと”がある。
リサも絵画制作で、帰りが遅くなるようだし、夕食はこういう弁当に頼っても良いのかもしれない。
私が1人でやっていた頃は、もっと適当な食事だったがな。
リサ:「先生。今日から、頭洗えるんでしょ?」
愛原:「そうだよ」
リサ:「わたしが洗っていい?」
愛原:「あー……と……。気持ちは嬉しいんだが、とてもデリケートなんだよ。自分でも力加減どうしたらいいか分からないから、それはカンベンしてくれ」
リサ:「むー……」
愛原:「もう少し傷が塞がったら、またお願いするよ」
リサ:「……それじゃ意味が無い」
愛原:「なに?何だって?」
リサ:「何でもない……。食べたら、洗濯していい?」
愛原:「その着てる服も洗濯したら?」
リサ:「じゃあ、お風呂入る時?」
愛原:「そう。何なら、乾燥機使うか」
乾燥機は電気代が掛かるので、基本的には使っていない。
だが、こういう急ぎの場合とか、稀に使う程度である。
リサ:「分かった」
リサは頷いた。
リサ:「あの……」
愛原:「ん?」
リサ:「明日の朝は、わたしが作るね」
愛原:「えっ?」
リサ:「夕食、絵画制作のこともあって、作れないと思うからさ」
愛原:「別に、気にしなくていいよ?」
リサ:「ううん。大丈夫。今日買ってきた材料で作ればいいんでしょ?お兄ちゃんから習ってるから大丈夫」
愛原:「あ、ああ、分かった。それじゃ、頼むよ」
リサ:「うん。わたしに任せて」