[9月6日15:30.天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校]
〔「生徒会より、生徒の呼び出しを申し上げます。2年5組の愛原リサさん、2年5組の愛原リサさん、至急生徒会室までお越しください」〕
ついにリサが、生徒会からの呼び出しを受けた。
リサ:「来たか。よし、行ってくる」
桜谷:「美術部でのモデルの仕事もあるので、早めにお願いしますね?」
リサ:「分かってる」
リサは生徒会室に向かった。
そこに行くと、生徒会役員の男子はいなくて、女子役員ばかりが集まっていた。
リサ:(やっぱり、ブルマの件か……)
男子役員なんか混ぜると、よほどのフェミニズムか、ゲイでもない限り、ブルマ復活賛成派に回るだろう。
それを防ぐ為の、不公平な裁定だ。
もっとも、ゲイを混ぜたら、『男子用にこそ、ブルマを採用すべき』とか言いそうなので、それも防ぎたかったと思われる。
生徒会長:「本日は御足労ありがとうございます」
私立高校の生徒会役員室らしく、内装はまるで校長室かと思うほどの豪勢ぶりだ。
生徒会長:「生徒会長の城ヶ崎と申します。そこのソファへどうぞ」
金持ちの御嬢様と謳われるだけあって、その振る舞いは御嬢様そのものである。
そこは勝気さを隠さない我那覇絵恋とは違った雰囲気であった。
城ヶ崎:「さて、本日はどのような用件で呼ばれたか、分かりますね?」
リサ:「ブルマの件でしょ?」
城ヶ崎:「その通りです。まずは、あなた達がどのようなつもりで、ブルマを着用しているのか、伺いたいのです」
リサ:「校則に違反していないんだから、問題無いでしょ?」
城ヶ崎:「もちろんです。ただ、せっかく廃止になったものを、どうして復活させようとしているのか、それを伺いたいのです」
リサ:「わたしは穿きたいから穿いてるだけ。校則で禁止されていないから」
城ヶ崎:「しかし、穿いているのはあなただけではない上に、他の人にも強要しているようですが?さすがに強要はマズいと思いませんか?」
リサ:「わたしの周りが穿いているのは、わたしのマネをしているだけ。少なくともわたしは強要していないし、他の人が強要していようが、それはわたしには関係無い」
城ヶ崎:「中にはブルマを穿きたくない人もいるんですよ?」
リサ:「それは勝手にすればいい。校則違反じゃないんだから」
城ヶ崎:「穿きたくない人が、あなた達のムーブメントのせいで穿くハメになっていることについては?」
リサ:「だから知らないって。穿きたくなければ、穿かなければいいだけの話」
城ヶ崎:「……分かりました。つまり、校則で禁止されれば、あなた達のムーブメントも終了するというわけですね」
リサ:「!?」
城ヶ崎:「これ以上、無駄な校則を作りたくはないのですが、仕方ありませんね。後の時代になって、『ブラック校則』と言われるのも心外ですが、ムーブメントの責任者であるあなたがやめないというのなら、もはや校則で禁止する他はありません」
リサ:「ふふ……はははははは!」
城ヶ崎:「何がおかしいのです?」
リサ:「つまり、こういうことだ。私がブルマ復活推進派だとしたら、あなたは反対派の責任者」
城ヶ崎:「それが何か?」
リサ:「いや、反対派のあなたが賛成派に回れば、ブルマ復活は成功したも同然」
城ヶ崎:「あなたこそ、何をバカな事を……」
リサ:「いや、わたしの手に掛かれば、あなたも必ず賛成派に回る」
城ヶ崎:「いくらあなたにカリスマ性があって、インフルエンサーの力があったとしても、一時のムーブメントなんてすぐに終わりますよ?」
リサ:「そう思うのなら、こんな時間の無駄なことをしなくてもいいんじゃないの?だいたい、3年生でブルマを穿いてる人っている?」
城ヶ崎:「私達の代ではいませんが、このままでは発生する恐れがあります」
リサ:「そうかもね」
リサはニヤッと笑った。
頭には栗原蓮華の顔が浮かんだ。
城ヶ崎:「今月末に生徒会の総会があります。ここで、女子生徒での投票を行います」
リサ:「どうして女子生徒だけ?男子には投票させないの?」
城ヶ崎:「ブルマを着用するのは女子だけですから。男子はこの際、関係ありません」
リサ:「まあ、男子なら殆ど賛成するかw」
城ヶ崎:「だから!それも問題なのです!私達が性的な目で見られるのですよ!?」
リサ:「当たり前でしょ?男女共学校なんだから。嫌なら、女子校に行けばいい」
城ヶ崎:「そういう問題ではありません!だいたい、女子校だってブルマは廃止されてるではありませんか!」
リサ:「あれね!何でだろうね?まあ、関係無いけど」
リサは……。
リサ:(『1番』のヤツ、聖クラリスでブルマを復活させれば良かったのに……。まあ、無理か)
と、思った。
まあ、リサだって、愛原に命令されなければ、こんなムーブメントを起こすつもりは無かったのだ。
ここで愛原の名前を出すのは、やめた方がいいと思った。
恐らく、リサの大好きな愛原に迷惑が掛かるだろうからと。
あくまでも、自分が穿きたいから穿いているのであり、校則違反ではない。
そうしたら、周りがリサのマネして一緒にブルマを穿くようになった。
そういうことにしておいた。
リサ:「因みに、生徒会で反対しているのは、ここにいる人達だけ?」
リサは険しい顔をして、自分を取り囲んでいる他の生徒会役員女子達を見回した。
城ヶ崎:「女子役員全員です」
リサ:「なるほど。つまり、あなた達が賛成に回ればOKってことだね?」
城ヶ崎:「だから、何をさっきからバカなことを……」
リサ:「いや、確かに今はバカなことだね。だけど、必ず賛成派に回ることになる」
リサは席を立った。
リサ:「一応、忠告。どうしても、賛成したくないのなら、この生徒会室はしばらく使わない方がいい」
城ヶ崎:「もういいです。さっさと帰りなさい」
リサ:「この後、美術部で絵のモデルがあるから。それじゃ」
リサはそう言って、生徒会室を出た。
リサ:(反対派の幹部が全員集合してくれてたなんて、助かる。これだから、女は……w)
リサはニヤリと笑った。
そして……。
リサ:(オマエ達……ヤれ!)
既に生徒会室に仕掛けておいた、寄生虫達に指令を出したのだった。
〔「生徒会より、生徒の呼び出しを申し上げます。2年5組の愛原リサさん、2年5組の愛原リサさん、至急生徒会室までお越しください」〕
ついにリサが、生徒会からの呼び出しを受けた。
リサ:「来たか。よし、行ってくる」
桜谷:「美術部でのモデルの仕事もあるので、早めにお願いしますね?」
リサ:「分かってる」
リサは生徒会室に向かった。
そこに行くと、生徒会役員の男子はいなくて、女子役員ばかりが集まっていた。
リサ:(やっぱり、ブルマの件か……)
男子役員なんか混ぜると、よほどのフェミニズムか、ゲイでもない限り、ブルマ復活賛成派に回るだろう。
それを防ぐ為の、不公平な裁定だ。
もっとも、ゲイを混ぜたら、『男子用にこそ、ブルマを採用すべき』とか言いそうなので、それも防ぎたかったと思われる。
生徒会長:「本日は御足労ありがとうございます」
私立高校の生徒会役員室らしく、内装はまるで校長室かと思うほどの豪勢ぶりだ。
生徒会長:「生徒会長の城ヶ崎と申します。そこのソファへどうぞ」
金持ちの御嬢様と謳われるだけあって、その振る舞いは御嬢様そのものである。
そこは勝気さを隠さない我那覇絵恋とは違った雰囲気であった。
城ヶ崎:「さて、本日はどのような用件で呼ばれたか、分かりますね?」
リサ:「ブルマの件でしょ?」
城ヶ崎:「その通りです。まずは、あなた達がどのようなつもりで、ブルマを着用しているのか、伺いたいのです」
リサ:「校則に違反していないんだから、問題無いでしょ?」
城ヶ崎:「もちろんです。ただ、せっかく廃止になったものを、どうして復活させようとしているのか、それを伺いたいのです」
リサ:「わたしは穿きたいから穿いてるだけ。校則で禁止されていないから」
城ヶ崎:「しかし、穿いているのはあなただけではない上に、他の人にも強要しているようですが?さすがに強要はマズいと思いませんか?」
リサ:「わたしの周りが穿いているのは、わたしのマネをしているだけ。少なくともわたしは強要していないし、他の人が強要していようが、それはわたしには関係無い」
城ヶ崎:「中にはブルマを穿きたくない人もいるんですよ?」
リサ:「それは勝手にすればいい。校則違反じゃないんだから」
城ヶ崎:「穿きたくない人が、あなた達のムーブメントのせいで穿くハメになっていることについては?」
リサ:「だから知らないって。穿きたくなければ、穿かなければいいだけの話」
城ヶ崎:「……分かりました。つまり、校則で禁止されれば、あなた達のムーブメントも終了するというわけですね」
リサ:「!?」
城ヶ崎:「これ以上、無駄な校則を作りたくはないのですが、仕方ありませんね。後の時代になって、『ブラック校則』と言われるのも心外ですが、ムーブメントの責任者であるあなたがやめないというのなら、もはや校則で禁止する他はありません」
リサ:「ふふ……はははははは!」
城ヶ崎:「何がおかしいのです?」
リサ:「つまり、こういうことだ。私がブルマ復活推進派だとしたら、あなたは反対派の責任者」
城ヶ崎:「それが何か?」
リサ:「いや、反対派のあなたが賛成派に回れば、ブルマ復活は成功したも同然」
城ヶ崎:「あなたこそ、何をバカな事を……」
リサ:「いや、わたしの手に掛かれば、あなたも必ず賛成派に回る」
城ヶ崎:「いくらあなたにカリスマ性があって、インフルエンサーの力があったとしても、一時のムーブメントなんてすぐに終わりますよ?」
リサ:「そう思うのなら、こんな時間の無駄なことをしなくてもいいんじゃないの?だいたい、3年生でブルマを穿いてる人っている?」
城ヶ崎:「私達の代ではいませんが、このままでは発生する恐れがあります」
リサ:「そうかもね」
リサはニヤッと笑った。
頭には栗原蓮華の顔が浮かんだ。
城ヶ崎:「今月末に生徒会の総会があります。ここで、女子生徒での投票を行います」
リサ:「どうして女子生徒だけ?男子には投票させないの?」
城ヶ崎:「ブルマを着用するのは女子だけですから。男子はこの際、関係ありません」
リサ:「まあ、男子なら殆ど賛成するかw」
城ヶ崎:「だから!それも問題なのです!私達が性的な目で見られるのですよ!?」
リサ:「当たり前でしょ?男女共学校なんだから。嫌なら、女子校に行けばいい」
城ヶ崎:「そういう問題ではありません!だいたい、女子校だってブルマは廃止されてるではありませんか!」
リサ:「あれね!何でだろうね?まあ、関係無いけど」
リサは……。
リサ:(『1番』のヤツ、聖クラリスでブルマを復活させれば良かったのに……。まあ、無理か)
と、思った。
まあ、リサだって、愛原に命令されなければ、こんなムーブメントを起こすつもりは無かったのだ。
ここで愛原の名前を出すのは、やめた方がいいと思った。
恐らく、リサの大好きな愛原に迷惑が掛かるだろうからと。
あくまでも、自分が穿きたいから穿いているのであり、校則違反ではない。
そうしたら、周りがリサのマネして一緒にブルマを穿くようになった。
そういうことにしておいた。
リサ:「因みに、生徒会で反対しているのは、ここにいる人達だけ?」
リサは険しい顔をして、自分を取り囲んでいる他の生徒会役員女子達を見回した。
城ヶ崎:「女子役員全員です」
リサ:「なるほど。つまり、あなた達が賛成に回ればOKってことだね?」
城ヶ崎:「だから、何をさっきからバカなことを……」
リサ:「いや、確かに今はバカなことだね。だけど、必ず賛成派に回ることになる」
リサは席を立った。
リサ:「一応、忠告。どうしても、賛成したくないのなら、この生徒会室はしばらく使わない方がいい」
城ヶ崎:「もういいです。さっさと帰りなさい」
リサ:「この後、美術部で絵のモデルがあるから。それじゃ」
リサはそう言って、生徒会室を出た。
リサ:(反対派の幹部が全員集合してくれてたなんて、助かる。これだから、女は……w)
リサはニヤリと笑った。
そして……。
リサ:(オマエ達……ヤれ!)
既に生徒会室に仕掛けておいた、寄生虫達に指令を出したのだった。