報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「生徒会と対峙」

2022-12-18 20:05:57 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[9月6日15:30.天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校]

〔「生徒会より、生徒の呼び出しを申し上げます。2年5組の愛原リサさん、2年5組の愛原リサさん、至急生徒会室までお越しください」〕

 ついにリサが、生徒会からの呼び出しを受けた。

 リサ:「来たか。よし、行ってくる」
 桜谷:「美術部でのモデルの仕事もあるので、早めにお願いしますね?」
 リサ:「分かってる」

 リサは生徒会室に向かった。
 そこに行くと、生徒会役員の男子はいなくて、女子役員ばかりが集まっていた。

 リサ:(やっぱり、ブルマの件か……)

 男子役員なんか混ぜると、よほどのフェミニズムか、ゲイでもない限り、ブルマ復活賛成派に回るだろう。
 それを防ぐ為の、不公平な裁定だ。
 もっとも、ゲイを混ぜたら、『男子用にこそ、ブルマを採用すべき』とか言いそうなので、それも防ぎたかったと思われる。

 生徒会長:「本日は御足労ありがとうございます」

 私立高校の生徒会役員室らしく、内装はまるで校長室かと思うほどの豪勢ぶりだ。

 生徒会長:「生徒会長の城ヶ崎と申します。そこのソファへどうぞ」

 金持ちの御嬢様と謳われるだけあって、その振る舞いは御嬢様そのものである。
 そこは勝気さを隠さない我那覇絵恋とは違った雰囲気であった。

 城ヶ崎:「さて、本日はどのような用件で呼ばれたか、分かりますね?」
 リサ:「ブルマの件でしょ?」
 城ヶ崎:「その通りです。まずは、あなた達がどのようなつもりで、ブルマを着用しているのか、伺いたいのです」
 リサ:「校則に違反していないんだから、問題無いでしょ?」
 城ヶ崎:「もちろんです。ただ、せっかく廃止になったものを、どうして復活させようとしているのか、それを伺いたいのです」
 リサ:「わたしは穿きたいから穿いてるだけ。校則で禁止されていないから」
 城ヶ崎:「しかし、穿いているのはあなただけではない上に、他の人にも強要しているようですが?さすがに強要はマズいと思いませんか?」
 リサ:「わたしの周りが穿いているのは、わたしのマネをしているだけ。少なくともわたしは強要していないし、他の人が強要していようが、それはわたしには関係無い」
 城ヶ崎:「中にはブルマを穿きたくない人もいるんですよ?」
 リサ:「それは勝手にすればいい。校則違反じゃないんだから」
 城ヶ崎:「穿きたくない人が、あなた達のムーブメントのせいで穿くハメになっていることについては?」
 リサ:「だから知らないって。穿きたくなければ、穿かなければいいだけの話」
 城ヶ崎:「……分かりました。つまり、校則で禁止されれば、あなた達のムーブメントも終了するというわけですね」
 リサ:「!?」
 城ヶ崎:「これ以上、無駄な校則を作りたくはないのですが、仕方ありませんね。後の時代になって、『ブラック校則』と言われるのも心外ですが、ムーブメントの責任者であるあなたがやめないというのなら、もはや校則で禁止する他はありません」
 リサ:「ふふ……はははははは!」
 城ヶ崎:「何がおかしいのです?」
 リサ:「つまり、こういうことだ。私がブルマ復活推進派だとしたら、あなたは反対派の責任者」
 城ヶ崎:「それが何か?」
 リサ:「いや、反対派のあなたが賛成派に回れば、ブルマ復活は成功したも同然」
 城ヶ崎:「あなたこそ、何をバカな事を……」
 リサ:「いや、わたしの手に掛かれば、あなたも必ず賛成派に回る」
 城ヶ崎:「いくらあなたにカリスマ性があって、インフルエンサーの力があったとしても、一時のムーブメントなんてすぐに終わりますよ?」
 リサ:「そう思うのなら、こんな時間の無駄なことをしなくてもいいんじゃないの?だいたい、3年生でブルマを穿いてる人っている?」
 城ヶ崎:「私達の代ではいませんが、このままでは発生する恐れがあります」
 リサ:「そうかもね」

 リサはニヤッと笑った。
 頭には栗原蓮華の顔が浮かんだ。

 城ヶ崎:「今月末に生徒会の総会があります。ここで、女子生徒での投票を行います」
 リサ:「どうして女子生徒だけ?男子には投票させないの?」
 城ヶ崎:「ブルマを着用するのは女子だけですから。男子はこの際、関係ありません」
 リサ:「まあ、男子なら殆ど賛成するかw」
 城ヶ崎:「だから!それも問題なのです!私達が性的な目で見られるのですよ!?」
 リサ:「当たり前でしょ?男女共学校なんだから。嫌なら、女子校に行けばいい」
 城ヶ崎:「そういう問題ではありません!だいたい、女子校だってブルマは廃止されてるではありませんか!」
 リサ:「あれね!何でだろうね?まあ、関係無いけど」

 リサは……。

 リサ:(『1番』のヤツ、聖クラリスでブルマを復活させれば良かったのに……。まあ、無理か)

 と、思った。
 まあ、リサだって、愛原に命令されなければ、こんなムーブメントを起こすつもりは無かったのだ。
 ここで愛原の名前を出すのは、やめた方がいいと思った。
 恐らく、リサの大好きな愛原に迷惑が掛かるだろうからと。
 あくまでも、自分が穿きたいから穿いているのであり、校則違反ではない。
 そうしたら、周りがリサのマネして一緒にブルマを穿くようになった。
 そういうことにしておいた。

 リサ:「因みに、生徒会で反対しているのは、ここにいる人達だけ?」

 リサは険しい顔をして、自分を取り囲んでいる他の生徒会役員女子達を見回した。

 城ヶ崎:「女子役員全員です」
 リサ:「なるほど。つまり、あなた達が賛成に回ればOKってことだね?」
 城ヶ崎:「だから、何をさっきからバカなことを……」
 リサ:「いや、確かに今はバカなことだね。だけど、必ず賛成派に回ることになる」

 リサは席を立った。

 リサ:「一応、忠告。どうしても、賛成したくないのなら、この生徒会室はしばらく使わない方がいい」
 城ヶ崎:「もういいです。さっさと帰りなさい」
 リサ:「この後、美術部で絵のモデルがあるから。それじゃ」

 リサはそう言って、生徒会室を出た。

 リサ:(反対派の幹部が全員集合してくれてたなんて、助かる。これだから、女は……w)

 リサはニヤリと笑った。
 そして……。

 リサ:(オマエ達……ヤれ!)

 既に生徒会室に仕掛けておいた、寄生虫達に指令を出したのだった。
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“愛原リサの日常” 「東京中央学園ブルマ復活計画」 2

2022-12-18 15:45:01 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[9月5日17:00.天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校・新校舎1F美術室]

 https://www.youtube.com/watch?v=BayW7aXI0zI

 下校のメロディとして流れる“リサのテーマ”。
 放送部員もリサの手に落ちたか。
 文化部は体育以外のブルマ問題とは無縁のようだが、あくまでも『魔王軍』のカテゴリーとしては別である。
 尚、かつては川口オートレースの車券発売締め切りメロディが流れていた。
 で、時間が迫ると“6つのレントラー舞曲”が流れる。

 リサ:「そろそろ、時間」

 リサは美術室の隣の準備室を、更衣室代わりに使っていた。
 黒マントや杖はロッカーに入れておくが、体操着は鞄にしまう。
 また、学校指定ではない紺色ブルマについては、そのまま見せパン用として、穿いたままにしておく。
 その上から、スカートを穿くのである。

 リサ:「ん……?」

 リサは誰かの視線を感じて振り向いた。
 この期に及んでエブリンでも現れたかと思ったが、そんなことは無い。

 リサ:「気のせいか……?」

 着替えが終わると、そのまま帰る準備をする。

 桜谷:「リサ様、今日もありがとうございました」
 リサ:「ん、別にいい。それじゃ、一緒に帰ろう」
 桜谷:「はい!」

 桜谷とリサが下校していると、同じく陸上部での部活を終えた凛がやってくる。

 凛:「そのコが新しい『四天王』ですか?」
 リサ:「そう。リンと同じ1年生」
 凛:「そうですか。文化部が3人、運動部が1人ですね」
 リサ:「淀橋は軽音部、小島は科学部か……」

 学校をあとにし、上野駅に向かう。

 リサ:「生徒会が『魔王軍』の動きに騒いでいるらしい」
 凛:「実は陸上部にも生徒会の女子役員が来て、『陸上部のブルマをハーフパンツに変えたらどう?』とか来たんですよね」
 桜谷:「そういえば、どうして陸上部は未だにブルマなんですか?」
 凛:「もちろん全部の種目で着てるわけじゃないよ?短距離走とかね。とにかく、全速力で走るのが目的の競技だと、なるべく風の抵抗が少ない方がいいの。だから、部長の方で、『これはちゃんとした理由があってそうしているから、変える気はない』って断ったけどね」
 リサ:「うん、それが賢明。リンも短距離走だから、ブルマなんだ」
 凛:「そうです」
 桜谷:「どうします?このままだと、間違いなく生徒会が立ちはだかりますよ?」
 リサ:「うーむ……」
 凛:「職員会とPTAはどうなんだろう?」
 桜谷:「今のところ職員会には、何の動きも無いです。『校則で禁止されているわけではないのだから、まあ……』といった感じです」
 凛:「PTAの方が騒ぎそうだけどね。うちのお母さん達世代でしょ?ブルマが全盛期だったの」
 リサ:「そのトップが愛原先生だから大丈夫」
 凛:「いえ、愛原先生1人だけ賛成していても、お母さん達が反対したらダメですって」
 リサ:「大丈夫。わたしも本来は、お母さん世代」
 凛:「ま、まあ、そうですけどね……」

 リサも日本アンブレラに捕まらず、真っ当な人生を歩いていれば、今頃は50代である。

 リサ:「まずは目立った動きを見始めている生徒会を何とかしよう。生徒会長は……チッ、女子か」
 凛:「斉藤……もとい、我那覇絵恋先輩と同等のお金持ちの御嬢様ですよ。その会長が『生理の時に困る』『ブルマに機能性など無い』『少しでもサイズが合わなくなると心地悪い』とか言っているようです」
 桜谷:「まあ、仰ってることは正論なんですけどね……」
 リサ:「おい!」

 リサ、瞳を赤く光らせて、桜谷を睨み付ける。

 桜谷:「ご、ごめんなさいっ!!」
 凛:「私も生理の時や下り物が多い時は、スパッツに……」
 リサ:「おい!」
 凛:「いや、ですけど……!」
 桜谷:「リサ様や愛原先生の意見が通って、尚且つ反対派の女子達の意見も通る、ウィンウィンな結論になればいいんですよ」
 リサ:「ダメだ。反対派はぶっ潰す!」
 桜谷:「えぇえ!?」
 凛:「さすがは魔王様」
 リサ:「明日、生徒会室にわたしの蟲(寄生虫)を何匹か仕掛ける。それで向こうの動きを監視する」
 凛:「リサ先輩だからこそ、できることですね」
 桜谷:「今の状態が、ウィンウィンだと思うんですけどねぇ……」
 凛:「実質的に、今はブルマでも短パンでもどっちでもいいみたいな状態ですからね。リサ先輩はそこを突いて、ブルマを復活させるつもりでおられるのでしょうけど……」
 桜谷:「生徒会が待ったを掛けて、ついでに本当に廃止に持って行くつもりでいるということです」
 リサ:「だから、それをぶっ潰す!」

 リサはマスクを取って、牙も剥き出しにした。

 リサ:「全ては、愛原先生の為……!」
 凛:「あ、愛原先生にはお世話になりましたから、そこは是非、協力してあげたいと思いますけど……」
 リサ:「それでいいじゃない。サクラヤ、オマエも。家に泊めてあげただろ?」
 桜谷:「は、はい……」
 リサ:「オマエの絵のモデルになってるだろ?」
 桜谷:「はい……」
 リサ:「だから、オマエも協力しろ」
 桜谷:「分かりました……」
 リサ:「あ、因みにリコにも言っといて」
 凛:「えっ?」
 リサ:「『中等部にもブルマを復活させる。そのムーブメント役はオマエだ』って」
 凛:「高等部だけじゃないんですか!?」
 リサ:「当たり前だろ」
 桜谷:「さすがは魔王様……」

[同日18:30.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]

 リサ:「……というわけだから先生、期待してて?必ずブルマを復活させてみせるから」
 愛原:「オマエ、あんまり無理するなよ?」
 リサ:「大丈夫。私はエブリンなんかよりも優秀だから。エブリンのバカみたいに、クリーチャーだらけにして収拾が付かなくなるなんてことはしないから」

 言い出しっぺが愛原なもので、もはや何も言えなくなった愛原だった。

 愛原:「俺も少し調べてみたんだが、東京中央学園のブルマって、中等部用と高等部用があったらしいな」
 リサ:「そうなの!?」

 リサは目を丸くした。

 愛原:「最初はサイズ違いなだけかと思っていたんだが、要はローカットが中等部用、ハイカットが高等部用と別れていたらしいんだ」
 リサ:「それじゃ、わたしが穿いてるのは……」
 愛原:「ローカットだから、本来は中等部用だな」
 リサ:「間違えた!?」
 愛原:「いや、ところが、そうとも言い切れない」
 リサ:「えっ?」
 愛原:「90年代に入ると、その違いが曖昧になってきたそうなんだ。結局、それだけの違いで、色とかデザインが異なるってわけじゃないわけだからな」
 リサ:「はー……」
 愛原:「で、事実上の廃止直前になると、既にローカットかハイカットかの違いが明記されなくなった。ハミパン対策なのか、『自分に合ったサイズで良い』ということになり、高等部に入ってもローカットタイプのブルマを穿く生徒が多く見られたらしい」
 リサ:「そうなんだー」
 愛原:「だからそういった意味では、リサが高等部でローカットタイプを穿いていても、別に廃止直前の状況と同じだから、間違いってわけじゃないんだ」
 リサ:「なるほどなるほど。……ん?だけど、凛が穿いている陸上部のブルマって……」
 愛原:「あれがハイカットタイプだよ。ハイカットの方が、足を大きく動かしやすいのと、より風の抵抗が少なくて済むらしい」
 リサ:「そうなんだ!さすが先生!」
 愛原:「ちょっと調べてみただけだよ」
 リサ:「来年の体育祭までには、全部の女子生徒がブルマを穿くようにするからね?」
 愛原:「崇高な目標だが、無理はするなよ?別に、誓願が達成できなくたって、罰は当たらないんだから」
 リサ:「分かってるよ」

 リサはそう答えて、夕食のハンバーグに食らい付いたのだった。
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“愛原リサの日常” 「東京中央学園ブルマ復活計画」

2022-12-18 11:49:27 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[9月5日15:30.天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校]

 放課後、本来なら校舎内は下校する生徒達で賑わっているはずである。
 また、校庭などを見ても、運動部が元気よく部活動をしているはずであるが、何故か今日はリサの歩く廊下だけは静かだった。

 https://www.youtube.com/watch?v=BayW7aXI0zI
(原曲名“終焉の始まり”。当作中においては、“リサ・トレヴァーのテーマ”“愛原リサのテーマ”“日本のリサ・トレヴァー”である)

 まるでそれが校内放送で流れているかのような雰囲気の中、リサが歩いていると……。

 栗原蓮華:「待ちな」

 背後から声を掛ける者がいた。
 3年生の栗原蓮華である。

 リサ:「何か?」
 蓮華:「ちょっと話があるんだけど?」
 リサ:「今、忙しい。これから、美術部に行く」
 蓮華:「何だい?美術部に入ることにしたのかい?」
 リサ:「ううん。わたしは部活が禁止されてるから。あくまで、絵のモデルを頼まれただけ」
 蓮華:「そうなの。……やっぱり、噂は本当だったんだね?」
 リサ:「何が?」
 蓮華:「1度は廃止されたはずのブルマーを復活させようとしている一団がいると……」
 リサ:「ああ、それね。そうだよ。それ、わたし達のこと」
 蓮華:「一体、どういうつもりなの?あんただけのクラスじゃなく、1年生の一部も穿いているって話じゃない」
 リサ:「全ては愛原先生の為」
 蓮華:「愛原先生の!?」

 蓮華は目を丸くした。
 それに対し、リサはあくまでも真顔で大きく頷く。

 リサ:「そう。愛原先生の為」
 蓮華:「それはどうして?」
 リサ:「愛原先生はブルマが好き。だから、よく部屋で秘蔵動画観てる。そして、『廃止になって残念だぁ』って言ってる」
 蓮華:「あの人……」
 リサ:「昔はこの学園も、ブルマを穿いてたって聞いた。“トイレの花子さん”の時には、既にそうだったんだって」

 リサは半壊状態で、完全に立入禁止となった教育資料館(旧校舎)を指さした。
 このまま取り壊すのか、それとも再建するのかで、職員会やPTA、そして生徒会でも意見が割れている。
 今はまだ警察やBSAAの捜査中ということで、保存命令が出されている。
 教育資料館の中は、東京中央学園の長い歴史を今に伝える資料が展示されていた。
 今から数十年前の修学旅行の写真や、入学式や卒業式の写真の他、体育祭の写真も展示されている。
 時代によっては、その写真に写る女子生徒はブルマを穿いていた。
 “トイレの花子さん”は、もし今も生きていれば60代の女性である。
 何せ、あの白井伝三郎と同級生だったのだから。
 彼女が現役高校生だった50年前、つまり1970年代の頃には、既にブルマが使用されていただろう。
 また、教育資料館には昔の制服なども展示されているが、その中に体操服もあり、そこにはブルマもあった。
 但し、中古品を展示している為、どこのメーカーのタグなのかは判別できないという。
 どうもいくつか取引先が変わっていることもあり、時代によってメーカーが変わっている。
 リサが何とか学販衣料店で手に入れたブルマも、廃止直前まで取引していた業者のメーカーであり、資料館で展示されているものとは違う(色合いは同じ)。

 蓮華:「まあ、昔はどこもそうだっただろうけどね」

 尚、噂では最後(2000年代?)までブルマを着用していたのは跡見学園だったという。

 蓮華:「それを令和の今、復活させようと?」
 リサ:「うん。愛原先生の為」
 蓮華:「生徒会が騒ぎ出しているらしいよ?」
 リサ:「そんなの知らない。わたしは、ただ愛原先生の為にやるだけ」
 蓮華:「愛原先生が……あんたにそう命令したの?」
 リサ:「うん」
 蓮華:「そうなの!?本当に!?」
 リサ:「うん」

 但し、その時の愛原は多少酔っ払っていたが。
 と、そこへ……。

 上野凛:「その話なら、私も聞きました!」
 リサ:「リン」
 蓮華:「あんたは……」
 凛:「1年生の上野凛です。この前は、ご馳走様でした」
 蓮華:「ああ、そうだったね。あんたも、ブルマを穿いてるの?」
 リサ:「はい。ただ、私は陸上部なので、陸上部のユニフォームとして穿いているだけです」
 蓮華:「ああ、そんなこと言ってたね」
 凛:「私はそれで許してもらっています」
 リサ:「あくまでも猶予だからな?先生は『陸上ユニと体操服は別ジャンル』だと仰っている。早いとこオマエも体育でブルマを穿かないと……!」

 リサはギラリと瞳を赤く光らせた。

 凛:「は、はいっ!な、なるべく早く!早期に!実現したいと思います!」
 蓮華:「なに政治家みたいなこと言ってんの」
 リサ:「鬼斬り先輩も愛原先生に喜んでもらいたかったら、体育でブルマを穿くといいよ?」
 蓮華:「あんたねぇ……」

 蓮華は呆れた顔をした。

 リサ:「それとも、その義足じゃ、穿きにくくてしょうがないですか?」
 蓮華:「キサマ……!」
 凛:「リサ先輩、それは……」
 蓮華:「……っ!今は穿いてるわけ?」
 リサ:「はい」

 リサはスカートを捲くってみせた。
 確かに、モスグリーンのスカートの下には、かつてこの学園の女子指定体操着としてのブルマがあった。

 リサ:「因みにリンは?」

 リサは、軽く瞳を赤く光らせた。

 凛:「ちゃ、ちゃんと穿いてます。陸上部のですけど……」
 リサ:「だから、それは別だ。ちゃんと愛原先生の為にブルマを穿け」
 凛:「は、はい!」
 蓮華:「……岸田総理じゃないけど、私も検討するわ。で、それはどこで買ったの?」

 リサは自分が購入した学販衣料店の名前を言った。

 蓮華:「……なるほど」
 リサ:「在庫が少ないから、ネットで買うのも手だよ」
 蓮華:「ネットでも売ってるの!?あの……エロ目的の中古品じゃなく?」
 リサ:「もちろん。ちゃんとした新品且つコスプレ用じゃない方」
 凛:「ていうか、今、リサ先輩の穿いているヤツがそうですよね?」
 リサ:「そう。本当にお店で買った物は、今洗濯中」
 蓮華:「そ、そうなの。まるで、本物そっくりだね」
 リサ:「元々、本当にそういう物を作っていたメーカーらしいから。だから、実際に体育で使っても、何の違和感も無い」
 蓮華:「な、なるほど。それを穿けば、愛原先生は喜ばれるんだね?」
 リサ:「もち!」
 凛:「く、栗原先輩、まさか……」
 蓮華:「き、岸田総理の如く、検討だけするだけよ!」

 廊下で立ち話をしていると、桜谷が呼びに来た。

 桜谷:「あっ、リサ様!ここにいらっしゃったんですか!もう、美術部の皆さんがお待ちですよ!」
 リサ:「うん、分かった。今行く。それじゃ、そういうことで」

 リサと桜谷は、美術部の部室(美術室)へ向かった。
 それを見送った3年生の鬼斬りと、半鬼の1年生は……。

 凛:「あの桜谷さんってコ、新たにリサ先輩の『四天王』に格上げされたコです」
 蓮華:「そんなことより、本当にAmazonで売ってる!」

 蓮華は自分のスマホで、Amazonのサイトにアクセスした。

 凛:「ええっ?」
 蓮華:「ど、どうする?一緒に買う?」
 凛:「本気で言ってるんですか!?……あ、あの、先にお店で直接見てからの方が……」
 蓮華:「そ、それもそうだね」

 リサの計画、着々と進行中。

 リサ:「サクラヤ」
 桜谷:「な、何でしょう?」
 リサ:「わたし達の計画、生徒会が邪魔しようとしているって本当?」
 桜谷:「わ、私は1年生なので、よく分かりません。確か、副部長のクラスに、生徒会役員がいるので、聞いてみます」
 リサ:「頼む」
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