報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「斉藤秀樹との再会」

2025-01-25 20:47:59 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[7月1日18時00分 天候:雨 群馬県吾妻郡東吾妻町某所 ペンション『いたち草』2階205号室→3階301号室]

 パールとの電話の後、私は善場係長にも電話を入れた。
 そしてパールとの電話のやり取りを報告した後、高橋が再逮捕されたのは本当かどうか聞いてみた。
 そしたら係長は、『一報は聞いている』とのことだった。
 そして、『まだ詳細は不明で確認中』とした。

 善場「日曜日を挟む関係もあって、詳細が分かるのは来週以降になると思います」

 とのことだった。
 その後、私達に危険が及んでないか確認されたが、特に無いと報告した。
 実際その通りであるので。
 電話が終わると、一旦部屋に戻り、使用したタオルをタオル掛けに掛けておいて干す。
 今夜また入るかもしれないし、明日の朝、入るかもしれないからだ。
 あと、フェイスタオルは洗面所で顔を洗う時とかも使うので。

 愛原「もうすぐ18時だ。そろそろ3階に行くぞ」
 リサ「続きは夕食食べた後だね?」
 愛原「いやいや。その後は、オーナーと会うことになってる」
 リサ「ちぇっ!」
 愛原「おいおい。俺達は仕事で来たんだぞ?」
 リサ「分かってるよぉ……」

 それでもリサは、少しがっかりした感じだった。

 愛原「高級料理とか出てくるだろうから、ちゃんと服着て」

 リサは制服は着てるのだが、ポロシャツはボタンを全部外し、その隙間からブラが覗いていた。
 どうやらスポブラではなく、普通のブラを着けているらしい。
 ショーツがそうだったから、当然か。
 私に言われて、リサは渋々と第1ボタンだけは外した状態で、その下のボタンは締めた。

 愛原「それじゃ、行こう」

 部屋から出ると、スペードの鍵でドアを施錠する。
 それから近くの階段を昇って3階に向かった。
 それにしても、このペンションにはエレベーターは無いのだろうか?
 3階にも客室があるようだが、そこから地下1階の大浴場を往復しようとすると結構キツいぞ?

 愛原「えーと……ここだな」

 3階はファミリールームとか、スイートルームがあるようだ。
 一部屋が広い為、ドアの間隔も広い。
 そのうちの角部屋である301号室に来た。
 いや、何か……夕食会場というよりは、普通の客室のドアなんだが???

 愛原「こ、ここでいいのか?」
 リサ「いいみたいだよ」

 リサはドアを指さした。
 確かにドアには、『205号室 愛原様 夕食会場』と書かれた貼り紙がしてあった。
 手書きではなく、パソコンのワードで印刷した感じ。

 愛原「と、とにかくノックをして入ろう」
 リサ「『パンツを脱いで入る』んじゃないの?」

 リサは自分のスカートに手を入れ、自分のショーツを脱ごうとした。
 一瞬チラッと見えた白い布がショーツだとしたら、ブルマは穿いていないらしい。

 愛原「それはあの執事がいる時の暗号だよ。今はいないんだから、ノックでいいの」

 私は部屋のドアをノックした。

 ???「どうぞ」

 すると、中から男の声がした。
 執事の声ではない。
 しかし、どこかで聞いたことあるような声だ。

 愛原「失礼します」

 私はドアを開けた。

 

 中はスイートルームになっていた。
 ダブルサイズのベッドが2つ置いてあり、1階ロビーにあるような古い家具や調度品が置かれている。
 ソファの他に、ダイニングテーブルや椅子もあり、そこで夕食の用意がされていた。
 いかにも高そうな部屋だ。
 そして、そこにあの人物がいた。

 斉藤秀樹「こんばんは、愛原さん。お久しぶりですね?」
 愛原「さ、斉藤社長!?」
 リサ「!!!」
 斉藤「久しぶりだね?リサ・トレヴァー『2番』」

 リサはサッと顔色を変え、鬼化すると、白い仮面を着けた。
 そして、右手の爪を鋭く長く伸ばし……。

 リサ「こ、ころっ……殺……ころ……!!」
 愛原「待て待て待て、リサ!!」

 斉藤元社長に飛び掛かろうとしたリサを私は強く制した。

 リサ「先生!?」
 愛原「斉藤元社長は、恐らく悪くない。もちろん、これから話を聞いてからだが、今はやめろ!」
 リサ「うっ……!」

 『私の命令は絶対』と、私からも高橋からも刷り込まれているリサは動きを止めた。

 斉藤「今回は互いの近況を確認したくて、お招きしたのです。夕食でも食べながらどうぞ」
 愛原「いいんですか?斉藤元社長は今、追われてる身でしょう?」
 斉藤「愛原さんに真実をお話ししてから、また消えますよ。ここのオーナーとも、後で話をされるのでしょう?まずは、私と話をしてからにしませんか?」
 愛原「いいでしょう。リサ、仮面を取って人間形態へ」
 リサ「無理だよ……」

 リサは仮面は取ったが、興奮状態のあまり、人間形態には戻れないようだ。

 斉藤「まあ、いいでしょう。ここの人達は、皆彼女の正体は知っていますので」
 愛原「やっぱり……」

 恐らくあの執事も、元・日本アンブレラの社員か何かだったのだろう。
 それも、リサの正体を知れる立場にあるほどの。
 私は椅子に座った。
 リサも憮然としたまま、私の隣に座る。
 斉藤元社長も、私の向かいに座った。
 既にテーブルの上には純白のテーブルクロスが敷かれ、ナイフやフォークがセッティングされていた。
 どうやら、本格的なフランス料理のフルコースが出てくるようだ。

 斉藤「あ、そうそう。今の私は何の肩書もありません。『元社長』なんて言いにくい呼び方はやめて、『さん付け』で結構です」
 愛原「分かりました。宜しくお願いしますよ、斉藤さん」
 斉藤「今宵の夕食代は私が持ちましょう」
 愛原「持ちましょうって、私は1泊2食付きのプランで予約してるんですけど?」
 斉藤「それは普通の、スタンダードのプランですね?フランス料理フルコースプランもあるんですよ」
 愛原「凄く高いプラン……」
 斉藤「コースの変更は差額が発生しますが、その差額分は私が出しましょう」

 いいんだろうか?
 しかし、逃亡者たる斉藤元社長のどこにその資金があるのか、それを調べる為にも、あえて奢られた方が良いのかもしれない。
 あくまで調査だ。

 愛原「分かりました。今回は、お言葉に甘えさせて頂きます」
 斉藤「そうと決まれば、まずはドリンクから決めましょう。何でも好きな物頼んでください。……おっと!キミは、ソフトドリンクで頼むよ?」
 リサ「……エレンが死んだのに、悲しくないの?」
 斉藤「その事についても、後で話すよ」
 リサ「……オレンジジュース」
 愛原「じゃあ、私はビールでお願いします」
 斉藤「分かりました」

 斉藤元社長は手元にある電話で、どこかに掛けた。
 どうやらこの部屋には、固定電話があるらしい。
 電話は西洋風のダイヤル式の電話だった。
 こちらもアンティーク感がある。

 斉藤「それでは、始めてください。ドリンクはオレンジジュースにアサヒスーパードライ、それから赤の……」

 斉藤元社長は、赤ワインを注文した。
 こうして、夕食会が始まった。
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“私立探偵 愛原学” 「ペンション『いたち草』」 3

2025-01-25 16:21:18 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[7月1日16時40分 天候:雨 群馬県吾妻郡東吾妻町某所 ペンション『いたち草』地下1階・大浴場]

 やはり、このペンションは何かおかしい。
 大浴場はやはり男女別になっていた。
 他に貸切風呂もあるようだが、その入口には鍵が掛かっていた。
 どうやら、そちらは予約制らしい。
 それはいいのだが、共用の大浴場にも他の宿泊客がいない。
 一体どうなっているんだ?
 ダブルルームは本当に満室なのか?

 

 広い大浴場を貸し切りで使っているようなものだ。
 この大浴場には露天風呂もある。
 外は雨が降って来たようだが、屋根は付いているようなので、多分大丈夫だろう。

 

 因みに地下1階といっても、本当に地面の下というわけではなく、1階部分より更に掘り下げられた場所に設けられているので、フロア案内上、地下としているだけのようだ。
 高台にあるホテルなどではよく見られる事だが、この場合、本当に地面の下以外の最下層部分を1階とすることが多い。
 天気が良ければ山なみが見えるのだろうが、今見えるのは、雨に霞む山だ。
 山の頂上付近を見ると、時々光っているから、向こうは雷が鳴っているらしい。
 曇の動き的に、その雷雲は近いうち、ここまで来るだろう。
 入浴が終わったら夕食であるが……。

 リサ「せーんせっ!」
 愛原「! リサ!?」

 何故かリサの声がした。
 まさかあいつ、男に侵入して!?
 だとしたら、どこから?
 ダクトか!?

 リサ「先生、こっちこっち!」
 愛原「んっ!?」

 露天風呂も男女別になっているが、当然壁で仕切られている。
 リサは壁の切れている所から手を出してヒラヒラ振っていた。
 浴槽から身を乗り出す形になるから、結構危ない体勢だと思うが。

 リサ「先生、覗いてみて?わたし、何にも隠してないよ?」
 愛原「かなり身を乗り出さないとダメなんだ。危険過ぎる。というか、女湯には他に誰かいるか?」
 リサ「ぜーんぜん!誰もいないよ?」

 女湯も誰もいないだと?
 ますます怪しい。

 リサ「そっちは誰かいる?」
 愛原「いや、誰もいない。……なぁ?本当にこのペンションは、部屋が満室なのか?」
 リサ「んー……何か違うと思うな。あまり、人間の匂いがしないし」

 そうか!
 リサは人間の血肉に関しては鼻が利く!

 リサ「何か、色んな匂いが混じってよく分かんないんだよねー!」

 それは私も感じていた。
 古い建物の匂いやら、それを隠す為なのか、芳香剤の匂いとか……。
 やはり、何かの罠が仕掛けられているのだろうか?
 私がそんなことを考えていると……。

 リサ「ねぇ?今なら先生、こっちに来ても誰も騒がないよ?それとも、わたしがそっちに行こうか?」
 愛原「いや、それはダメだ。今は貸切状態でも、そういう時に限って、どっちかがどっちかに行ったりした瞬間、誰かが入って来るパターンなんだ」
 リサ「なるほど。マンガやドラマあるあるだね。じゃあさ、誰かが入って来ても誤魔化せる程度のことはしようよ」
 愛原「どういうことだ?」
 リサ「んー……。ねぇ、先生。そこから女湯に向かって、手を入れられる?」
 愛原「結構、掴まってないと危ないな」

 何故か手すりはある。
 それに掴まれば何とか……。
 何かくれるのだろうか?

 愛原「ほら、リサ」
 リサ「ありがとう。そのまま……動かないでね」
 愛原「!!!」

 リサは私の指を咥えると、まるでフェラチオのような口使いをした。
 ジュルジュルジュポジュポと響くリサの口使いの音がいやらしい。

 愛原「はうっ!お、おま……どこでそんな……!?」

 するとリサは一旦口を放して答えた。

 リサ「先生の動画と、友達から借りたエロ動画。オナニー用のディルドで練習した」

 そう言うと、また私の指を咥える。

 愛原「そ、そんな……!」
 リサ「先生……ダーリンの為だよ」

 指から射精しそうになる。

 愛原「リサ、もういい!」

 私は指を引っ込めた。

 リサ「えー……。じゃあ、続きは部屋でね💖」

 リサはそう言うと、また手をヒラヒラさせた。
 その手の爪は鋭く尖っていたから、鬼化したのだろう。
 危うく鬼娘に食われるところだった。
 疑似フェラされたことで勃起した下半身を冷たいシャワーで冷やしたが収まらず、リサの唾液まみれの左手でオナニーした。

 リサ……あんなに可愛かったっけ?

[同日17時30分 天候:雨 同ペンション1階ロビー]

 オナニーで時間を取ったせいでリサを待たせてしまったかと思ったが、そうでもなかった。
 もしかして、リサも……?
 リサは私の顔を見て、赤らめた顔で微笑を浮かべているだけだった。
 私の左腕に、自分の腕を絡めて来る。
 そして、地下1階から1階へ上がった。
 建物の構造上、そこから更に上に上がるには、ロビーを通る必要がある。
 相変わらず、ロビーには誰もいない。
 だからこそ、広いダイニングではなく、個室か何かを夕食会場に充てられたのだろうか?

 執事「あっ、愛原様」

 フロントデスクには、あの執事がいた。

 愛原「な、何ですか?」
 執事「愛原学探偵事務所の霧崎様という方から、お電話が入りました。至急、御連絡したいことがあるとのことです」
 愛原「パールが?……分かりました」

 私は壁際のアンティークな公衆電話に近づいた。
 百円玉を確保しておいて良かった。
 まだ、事務所にいるだろうか?
 スマホより固定電話の方が、まだ電話料金は安いんだよなぁ……。

 

 パール「愛原学探偵事務所でございます」
 愛原「あっ、パールか?俺だ。愛原だ」
 パール「愛原先生!」
 愛原「何かあったのか?」
 パール「マサが……マサが再逮捕されました!」
 愛原「なにぃっ!?何の容疑で!?」
 パール「特定の情報をテロ組織に流した罪とかで……。事務所からデイライト様の書類を流していたのがバレたみたいでして……」
 愛原「紛失はしてないはずだが……?」
 パール「コピーしたりしてたみたいです。よくマサ、コピーとかシュレッダーとかしてたじゃないですか」
 愛原「あ、ああ、まあ確かに……」

 デイライトさんとのやり取りの中には、BSAAの情報とか、バイオテロ組織『コネクション』の事とかあったな……。
 あいつ、それをテロ組織に流してたのか。
 特定秘密保護法違反とかか?

 パール「一刻も早くお教えしたかったのですが、スマホが繋がらなくて……」
 愛原「ああ。何か、圏外なんだよな。良かった良かった。ここの電話番号教えておいて」

 私に対する傷害罪だけで済まなくなってしまったか……。
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