報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“ボーカロイドマスター” ボツネタ

2014-04-09 18:01:19 | 日記
 データの整理してたら、こんなのも書いてたんだなぁ……。
 ちょっと脚色して公開。

[5月某日 仙台市青葉区 広瀬川河川敷 敷島孝夫、鏡音リン・レン]

「なかなか釣れませんねぇ……」
 レンは釣り糸を垂らしていた。
「実際ヒマなんだから、気長にやろうや」
 敷島も隣で釣り糸を垂らしている。
「鯉コクって、料理なの?」
 更にその隣のリンが言った。
「ああ。ここは1つ、立派な鯉を釣り上げて、所長にギャフンと言わせてみようや」
「エミリーを連れて来て、電流を放ってもらえば、魚は浮き上がりますよ?」
 レンが根も葉もないことを言う。
「それじゃ釣りの意味が無いだろ?」
 敷島は苦笑した。
「人間は非効率なことが好きですね」
「効率性は仕事、非効率は楽しみだ。日暮れまでに1匹でも釣れりゃ、それで誓願達成だよ」
「そうですか」
 すると、リンがブーツを脱いでバシャバシャと川の中に入って行った。
「何やってんだ、リン?」
 腕の黒いパーツも外し、素手の状態になる。
「……うん……。てやっ!」
 そして、狙いを定めてバシャッと右手を川の中に突っ込んだ。
「…………」
 敷島とレンの前に、一匹のみずみずしい鯉が落ちてきて、ビチビチと跳ねる。
「はい、セーガン達成✌」
「……今、飢えた熊みたいに取らなかったか?」
「ていうかプロデューサー、こんなに近くにいて釣れないんですか?」
「おっかしいなぁ……。エサ間違えたか?そんなはずは無いんだけどなぁ……」
 敷島は首を傾げた。
「でも、これで所長へのお土産ができましたね」
「せっかくだから、もう1匹頑張ってみるか。まだ時間あるし」
「えっ?でも、釣れないじゃないですか。もう1度、リンに捕まえてもらうんですか?」
「いや、運が良ければ釣れる!……はずだ」
「はずだって……」
「とにかく、頑張れば運は天から落ちてくるよ」
「そう、ですかねぇ……」
 レンが首を傾げた。
 と、その時!

 ガッシャーン!

「うん?!」
「うあっ!?」
 釣りをしている敷島達のすぐ横の橋の上で、衝撃音がしたと思うと、欄干を破壊して1台の車が落ちて来た。
「くっ、くくく……」
 激しい水しぶきを浴びた敷島達は、ずぶぬれになってしまった。
「落ちて来たのは運じゃなくて、車でしたねぇ……」
「リン達、防水仕様になってて良かったね」
 リンは頭の白いリボンを外して、ギュウと絞った。
 絞った後で、また頭にリボンを着ける。その時、リンは気付いた。
「ああっ!?」
 それがただの事故ではないことを。
「一体、何なんだ?事故か?」
 リンが恐怖の顔になって、橋の上を見上げている。
 敷島も橋の上を見た。
「うおっ!?」
「フフフ……」
 そこには邪悪な笑みを浮かべて見下ろすシンディの姿があった。
「鯉コクねぇ……」
「お前も釣りやりに来たのか!?橋ブッ壊して!」
「そうねぇ。私は人コクでも作ろうかしら?」
「なにっ!?」
 シンディは左手を変形させると、その中からフック付きのワイヤーを飛ばしてきた。
「うっ!?」
 敷島の襟首を引っ掛かって、
「あははははは!!」
 エミリーと同じ超小型のジェットエンジンを吹かして、飛び上がった。
「うああっ!兄ちゃんが釣られたYo!?」
「プロデューサーを放せ!」
 ボーカロイドの師弟は悲痛な叫びを上げた。
「敷島の人コク作って、南里に送ってやるわ!」
 シンディは高らかな笑い声を上げると、敷島を拉致して飛び去って行った。
「緊急!緊急!」
 レンは研究所に向かって、直ちにエマージェンシー信号を送った。

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 作者の自分が言うのも何だが、シンディ怖いわ。
 人コクって……。
 因みに作者は、鯉コクを食べたことがありません。
 どこに行ったら、食べられるんだろう……?

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1 コメント

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Unknown (ANP)
2014-04-11 21:14:09
咲-saki-全国編

感動した!おめでとう!!!
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