データの整理してたら、こんなのも書いてたんだなぁ……。
ちょっと脚色して公開。
[5月某日 仙台市青葉区 広瀬川河川敷 敷島孝夫、鏡音リン・レン]
「なかなか釣れませんねぇ……」
レンは釣り糸を垂らしていた。
「実際ヒマなんだから、気長にやろうや」
敷島も隣で釣り糸を垂らしている。
「鯉コクって、料理なの?」
更にその隣のリンが言った。
「ああ。ここは1つ、立派な鯉を釣り上げて、所長にギャフンと言わせてみようや」
「エミリーを連れて来て、電流を放ってもらえば、魚は浮き上がりますよ?」
レンが根も葉もないことを言う。
「それじゃ釣りの意味が無いだろ?」
敷島は苦笑した。
「人間は非効率なことが好きですね」
「効率性は仕事、非効率は楽しみだ。日暮れまでに1匹でも釣れりゃ、それで誓願達成だよ」
「そうですか」
すると、リンがブーツを脱いでバシャバシャと川の中に入って行った。
「何やってんだ、リン?」
腕の黒いパーツも外し、素手の状態になる。
「……うん……。てやっ!」
そして、狙いを定めてバシャッと右手を川の中に突っ込んだ。
「…………」
敷島とレンの前に、一匹のみずみずしい鯉が落ちてきて、ビチビチと跳ねる。
「はい、セーガン達成✌」
「……今、飢えた熊みたいに取らなかったか?」
「ていうかプロデューサー、こんなに近くにいて釣れないんですか?」
「おっかしいなぁ……。エサ間違えたか?そんなはずは無いんだけどなぁ……」
敷島は首を傾げた。
「でも、これで所長へのお土産ができましたね」
「せっかくだから、もう1匹頑張ってみるか。まだ時間あるし」
「えっ?でも、釣れないじゃないですか。もう1度、リンに捕まえてもらうんですか?」
「いや、運が良ければ釣れる!……はずだ」
「はずだって……」
「とにかく、頑張れば運は天から落ちてくるよ」
「そう、ですかねぇ……」
レンが首を傾げた。
と、その時!
ガッシャーン!
「うん?!」
「うあっ!?」
釣りをしている敷島達のすぐ横の橋の上で、衝撃音がしたと思うと、欄干を破壊して1台の車が落ちて来た。
「くっ、くくく……」
激しい水しぶきを浴びた敷島達は、ずぶぬれになってしまった。
「落ちて来たのは運じゃなくて、車でしたねぇ……」
「リン達、防水仕様になってて良かったね」
リンは頭の白いリボンを外して、ギュウと絞った。
絞った後で、また頭にリボンを着ける。その時、リンは気付いた。
「ああっ!?」
それがただの事故ではないことを。
「一体、何なんだ?事故か?」
リンが恐怖の顔になって、橋の上を見上げている。
敷島も橋の上を見た。
「うおっ!?」
「フフフ……」
そこには邪悪な笑みを浮かべて見下ろすシンディの姿があった。
「鯉コクねぇ……」
「お前も釣りやりに来たのか!?橋ブッ壊して!」
「そうねぇ。私は人コクでも作ろうかしら?」
「なにっ!?」
シンディは左手を変形させると、その中からフック付きのワイヤーを飛ばしてきた。
「うっ!?」
敷島の襟首を引っ掛かって、
「あははははは!!」
エミリーと同じ超小型のジェットエンジンを吹かして、飛び上がった。
「うああっ!兄ちゃんが釣られたYo!?」
「プロデューサーを放せ!」
ボーカロイドの師弟は悲痛な叫びを上げた。
「敷島の人コク作って、南里に送ってやるわ!」
シンディは高らかな笑い声を上げると、敷島を拉致して飛び去って行った。
「緊急!緊急!」
レンは研究所に向かって、直ちにエマージェンシー信号を送った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
作者の自分が言うのも何だが、シンディ怖いわ。
人コクって……。
因みに作者は、鯉コクを食べたことがありません。
どこに行ったら、食べられるんだろう……?
ちょっと脚色して公開。
[5月某日 仙台市青葉区 広瀬川河川敷 敷島孝夫、鏡音リン・レン]
「なかなか釣れませんねぇ……」
レンは釣り糸を垂らしていた。
「実際ヒマなんだから、気長にやろうや」
敷島も隣で釣り糸を垂らしている。
「鯉コクって、料理なの?」
更にその隣のリンが言った。
「ああ。ここは1つ、立派な鯉を釣り上げて、所長にギャフンと言わせてみようや」
「エミリーを連れて来て、電流を放ってもらえば、魚は浮き上がりますよ?」
レンが根も葉もないことを言う。
「それじゃ釣りの意味が無いだろ?」
敷島は苦笑した。
「人間は非効率なことが好きですね」
「効率性は仕事、非効率は楽しみだ。日暮れまでに1匹でも釣れりゃ、それで誓願達成だよ」
「そうですか」
すると、リンがブーツを脱いでバシャバシャと川の中に入って行った。
「何やってんだ、リン?」
腕の黒いパーツも外し、素手の状態になる。
「……うん……。てやっ!」
そして、狙いを定めてバシャッと右手を川の中に突っ込んだ。
「…………」
敷島とレンの前に、一匹のみずみずしい鯉が落ちてきて、ビチビチと跳ねる。
「はい、セーガン達成✌」
「……今、飢えた熊みたいに取らなかったか?」
「ていうかプロデューサー、こんなに近くにいて釣れないんですか?」
「おっかしいなぁ……。エサ間違えたか?そんなはずは無いんだけどなぁ……」
敷島は首を傾げた。
「でも、これで所長へのお土産ができましたね」
「せっかくだから、もう1匹頑張ってみるか。まだ時間あるし」
「えっ?でも、釣れないじゃないですか。もう1度、リンに捕まえてもらうんですか?」
「いや、運が良ければ釣れる!……はずだ」
「はずだって……」
「とにかく、頑張れば運は天から落ちてくるよ」
「そう、ですかねぇ……」
レンが首を傾げた。
と、その時!
ガッシャーン!
「うん?!」
「うあっ!?」
釣りをしている敷島達のすぐ横の橋の上で、衝撃音がしたと思うと、欄干を破壊して1台の車が落ちて来た。
「くっ、くくく……」
激しい水しぶきを浴びた敷島達は、ずぶぬれになってしまった。
「落ちて来たのは運じゃなくて、車でしたねぇ……」
「リン達、防水仕様になってて良かったね」
リンは頭の白いリボンを外して、ギュウと絞った。
絞った後で、また頭にリボンを着ける。その時、リンは気付いた。
「ああっ!?」
それがただの事故ではないことを。
「一体、何なんだ?事故か?」
リンが恐怖の顔になって、橋の上を見上げている。
敷島も橋の上を見た。
「うおっ!?」
「フフフ……」
そこには邪悪な笑みを浮かべて見下ろすシンディの姿があった。
「鯉コクねぇ……」
「お前も釣りやりに来たのか!?橋ブッ壊して!」
「そうねぇ。私は人コクでも作ろうかしら?」
「なにっ!?」
シンディは左手を変形させると、その中からフック付きのワイヤーを飛ばしてきた。
「うっ!?」
敷島の襟首を引っ掛かって、
「あははははは!!」
エミリーと同じ超小型のジェットエンジンを吹かして、飛び上がった。
「うああっ!兄ちゃんが釣られたYo!?」
「プロデューサーを放せ!」
ボーカロイドの師弟は悲痛な叫びを上げた。
「敷島の人コク作って、南里に送ってやるわ!」
シンディは高らかな笑い声を上げると、敷島を拉致して飛び去って行った。
「緊急!緊急!」
レンは研究所に向かって、直ちにエマージェンシー信号を送った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
作者の自分が言うのも何だが、シンディ怖いわ。
人コクって……。
因みに作者は、鯉コクを食べたことがありません。
どこに行ったら、食べられるんだろう……?
感動した!おめでとう!!!