報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“Gynoid Multitype Cindy” 「ジャニスとボス戦」

2016-09-10 23:20:42 | アンドロイドマスターシリーズ
[9月1日14:16.天候:晴 宮城県仙台市泉区 宮城県警泉北警察署]

 敷島:「警部補、ここは1つ、どうか!」
 荒井:「いや、だからまあ……」

 敷島は当然、シンディが大芝居打っていることを見抜いていた。
 そもそも今のジャニスとルディは、GPSを搭載していない。
 もししていたら、とっくにこっちの鋼鉄姉妹が発見している。
 それが無いから、所在を掴むのに苦労しているのだ。
 と、そこへ、別の刑事が取調室に入って来た。

 刑事C:「荒井警部補!ちょっと、よろしいですか!?」
 荒井:「何だ?……あ、ちょっとそこで待っててください」
 敷島:「はい」

 荒井警部補と別の刑事が取調室を出る。
 そして、すぐに戻ってきた。

 荒井:「敷島社長、今日はありがとうございました。これで本日の聴取は終わりにします」
 敷島:「と、言いますと?」
 荒井:「そこのロボットのお姉さんの言う通りでしたよ!」
 敷島:「ええっ!?マジでホントだったの!?」
 荒井:「ん?」
 敷島:「あ、いや……!あの暴走兄妹はとても危険です!普通のお巡りさんが行ったんじゃ、返り討ちが濃厚ですよ!うちのシンディを向かわせましょう」
 荒井:「そんな余計なことされては……」
 刑事C:「それが……平賀教授と、もう1つのロボットは一緒に行っちゃいました」
 荒井:「なにいっ?!」
 敷島:「平賀先生、早っ!」
 シンディ:「姉さん、早っ!」

 敷島達は荒井と八木の覆面パトカーに便乗し、現場に向かった。
 その間、敷島のスマホに着信があった。

 敷島:「……おんや、鷲田警視?お久しぶりです。はっきり言って、今の読者さんは鷲田警視の存在を知らないと思いますよ?」
 鷲田:「また何をワケの分からん事を……。せっかく、KR団の情報を提供してやろうと思ったのに」
 敷島:「あれぇ?この前、『警察業務に一般人は関わらないでもらえるか?』なんて言ってませんでした?」
 鷲田:「埼玉県警の幹部からぼんやり聞いた話なのだが、この前、西武バスを無断拝借してロボット軍団へ強行突入した件について、オマエを検挙してやろうかと言っている幹部がいるらしいぞ?私達が警視庁として、それは待ってくれと頼んでいるのだが、それもそろそろ潮時かな……」
 敷島:「分かりましたよ。何をすればいいんですか?」
 鷲田:「うむ。実は、オマエ達がアメリカで戦ったというポンコツ暴走ロボット兄妹のことなんだが……。どうも、東北にKR団の残党が集結しているらしくてな、どうやらそこに匿ってもらっているのではという可能性が濃厚になってきた」
 敷島:「さすがは鷲田警視、素晴らしい内偵調査で。でも安心。そのうちの1機は、まもなく鉄塊となりますから」
 鷲田:「なに?どういうことだ?」
 敷島:「その東北地方のとある住宅街の一角に、ジャニスらしきヤツが現れたってんで、今、宮城県警の皆さんと現場に向かっているところですよ」
 鷲田:「なにぃっ!?お、おい!担当刑事は誰だ!?」
 敷島:「今、代わります。荒井警部補、警視庁の鷲田警視からです」
 荒井:「今、緊急走行中だ!ハンズフリーにできんのか!?」
 敷島:「そうでした」

 ピッピッと敷島、画面をタップしてハンズフリーにする。

 鷲田:「警視庁の鷲田警視ですが……」
 荒井:「こ、これは、どうも。宮城県警泉北警察署の荒井警部補です」
 鷲田:「何故、敷島を乗せて緊急走行してるんだ?宮城県警さんでは、一般人をタクシー代わりに乗せているのか?」
 荒井:「い、いえ、とんでもない!これはその……」
 敷島:「捜査協力ですよ、鷲田警視!」
 鷲田:「オマエには聞いとらん!」
 敷島:「だって相手はマルチタイプですよ?アメリカじゃ、マフィア組織やテロ組織の2〜3個はブッ潰している活躍をした奴らですから、日本の警察が勝てる気がしないんですよ」
 鷲田:「警察をナメてるのか、オマエは?!」
 敷島:「前期型のシンディに機動隊全滅させられたくせに、何言ってんスか!こっちにはそれの強化版たる後期タイプがいますんでね、警視総監賞と金一封用意して待っててくださいよ?」
 鷲田:「……荒井警部補、このバカの為に留置場空けておいてくれないか?」
 荒井:「了解しました!」
 敷島:「マジかよ……orz」

[同日14:31.天候:晴 宮城県仙台市泉区 佐久間家]

 ジャボジャボと灯油を家中、敷地内にばら撒くジャニス。

 ジャニス:「ひひひひひひ……。これで、証拠隠滅だよォ……」

 灯油を撒き終わると、空になったポリタンクをそこら辺に投げ捨てる。
 そして、右手の人差し指からライターほどの大きさの火を出した。

 ジャニス:「ふふふふふふふふ……」

 ジャニスが灯油に火を点けようとした時だった。

 ジャニス:「……はっ!?」

 遠くから銃声がした為、ジャニスは咄嗟に転がった。
 すると、今まで自分がいた所に銃弾が当たる。

 ジャニス:「この弾は、ライフル……?」

 と、今度はパトカーのサイレンの音が聞こえた。

 ジャニス:「警察か……。笑わせる」

 ジャニスはバッと飛び上がった。
 と、またライフルが飛んできた。

 ジャニス:「ちっ!」

 ジャニスは弾を避けると、すぐに物陰に隠れた。

 シンディ:「ちっ、さすがは1度壊れてもマルチタイプだね」

 シンディはパトカーを降りて、マンションの屋上にいた。
 そこがジャニスへの狙撃ポイントである。
 だが、向こうもマルチタイプ。
 シンディがライフルを放つと、すぐにその銃声を聞きつけて避けてしまうのだ。

 シンディ:「!?」

 と、今度はシンディにライフル弾が飛んできた。
 物陰に隠れていたジャニスが、いち早くシンディの位置をスキャンして撃って来たのだった。
 1度壊れても、さすがは最新型だ。
 その辺は早い。
 シンディはその場を離脱しようとした。

 エミリー:「シンディ、お前は・そこに・いて」

 だがそこへ、姉機からの無線通信が飛んできた。

 シンディ:「姉さん?でもジャニスは、私の弾を避けてしまうし、向こうからも狙われてるのよ?」
 エミリー:「大丈夫。私が・ジャニスを・攻撃できないように・する。だから・シンディは・別の・ロボットを・狙って」
 シンディ:「別の……?あっ!」

 シンディが目(カメラ)をズームにすると、佐久間家の庭の地面という地面から、バージョン4.0の集団がボコッと出てくるのが見えた。
 それはジャニスの命令で動いているのがすぐに分かった。

 シンディ:「なるほどね。了解」

 シンディは手始めに、バージョン4.0の1つに狙いを定めた。
 そして……。

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