報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「雪の週末」 4

2023-10-25 20:32:47 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月22日18時00分 天候:曇 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家3階ダイニング]

 

 予定通り、夕食はすき焼き鍋とした。

 

 私はすき焼きは溶き卵を付けて食べるのが習慣となっている。

 愛原「うん、美味い美味い」
 リサ「美味しい!」
 パール「お肉は沢山ありますので、どんどんお召し上がりください」
 愛原「ありがとう。安肉でも多めに買っといて良かったよ」
 リサ「でも、わたしが本当に食べたいのは、先生のおにk……」
 愛原「はーい!それ以上はBSAAが出動してくるからシャラップだぞ!」
 リサ「レイチェルが武装してやってくるね」
 愛原「そういうことだ」

 因みに今、リサは体操服にブルマという服装ではない。
 スーパーに行った時の服のままなので、完全に私服姿である。
 具体的にはパーカーを着て、下はデニムのショートパンツといった感じである。
 リサは家ではリラックスしている為、鬼形態となっている。
 残念ながら、今はこちらが正体であり、人間形態の方が『化けている』状態なのである。

 リサ「食べたら、デザートのビーフジャーキー」
 愛原「どこがデザートだw」
 リサ「“鬼ころし”も飲まないと、でしょ?」
 愛原「そうだけど、今、精神状態はどうなんだ?暴走しそうなら飲むべきだけど、そうでない場合は無理して飲む必要は無いと思うんだな。何せ、テスト勉強しないといけないだろ?酒が入ると勉強できなくなる」
 リサ「1パック飲むだけだから、大したこと無いと思うけどね……。分かった。やっぱり、デザートと食後の飲み物にする。で、お風呂に入って汗を流せばいいんだ。そしたら、酔いも覚めるでしょ?」
 愛原「そう上手く行くかな……」
 リサ「でも、わたしの暴走を防ぐ為には飲んどいた方がいいわけで……」
 愛原「まあ、そりゃそうだけどな……」
 リサ「それじゃ、急いで食べよう」
 愛原「何でそうなるw」

[同日19時00分 天候:曇 愛原家3階リビング]

 リサ「フンフーン♪テザート♪デザートぉ~♪」

 夕食後、リサはスーパーの福引でもらったビーフジャーキーと、“鬼ころし”を持って来た。
 まるで牛乳でも飲むような感覚だ。
 リサは酒に弱いというが、それは『鬼としては弱い』というだけで、やはり“鬼ころし”1パック飲めるだけの強さはあるということだ。

 高橋「先生。こいつ機嫌良さそうですから、酒は取り上げてもいいんじゃないスか?」
 愛原「ま、まあ、ここまで来たらしょうがないよ。パール、俺には食後のコーヒーを頼む」
 パール「かしこまりました」

 リサが袋からビーフジャーキーを取り出して、齧り始める。
 厚切りのハードタイプらしく、牙で肉を嚙み千切るようにして食べていた。

 愛原「俺にも一切れもらえないかな?」
 リサ「えー?……んー……ん、いいよ」

 リサは少し考えてから頷いた。
 そして袋から一切れ、ビーフジャーキーを取り出して咥えると……。

 リサ「口移し。んー」
 愛原「オイオイ……」

 ゴッ!(ゲンコツの音)

 リサ「いでっ!?」
 高橋「何やってんだ、間抜け!」

 それでもジャーキーは落とさない徹底ぶり。

 リサ「冗談なのに……」
 愛原「いやいや。リサの肉をもらおうとした俺が悪かった。コーヒーだけでいい」
 高橋「そもそもビーフジャーキーのお供がコーヒーってのも、どうかと思いますが……」
 愛原「まあな」
 リサ「そりゃそうだ」

 

 リサは“鬼ころし”を啜った。
 テレビのバラエティ番組を見ながら、鬼型BOWが“鬼ころし”を飲むのは、どこかシュールである。

 高橋「先生、書類の方は大丈夫だったんですか?」
 愛原「ああ。明日、クライアントの小野瀬さんが来られるだろ?その報告書類が分かりにくいって話が前にあったから、今回は書式を変えて……」

 私が高橋と仕事の話をしていると、LINEの着信音が鳴った。
 どうやら、それはリサのスマホからだったようだ。
 リサはソファに座り、片手で“鬼ころし”やビーフジャーキーを齧りながら、もう片方の手でスマホを覗き込んでいる。
 どうも、BSAA本部では、スマホとかの使用も制限されるらしい。
 今のところはまだBSAA支部の監視下で、その窓口機関であるデイライトがしっかりリサを監視している為、そこまで厳しくはないからである。
 イーサン・ウィンターズ氏の場合は、本部が出動したのが運のツキだったと言えよう。

 リサ「先生。レイチェルね、明るい青のブルマの入手経路を見つけたみたいだよ」
 愛原「そうなのか?ネット以外で?」
 リサ「ネットみたいだけど、新品で手に入るんだって」
 愛原「そりゃ凄いな。だけど、場合によっては高額だぜ?大丈夫なのかな?」
 リサ「うん。必要経費はBSAAで出してくれるみたい。留学先での学校で必要な物ってことにするみたいだよ」
 愛原「マジかよ」

 ブルマに限らず、東京中央学園では学校指定の体操服は緑色である為、明るい青のブルマは対象外のはずだ。
 どうやって上手く申請したのだろうか?

 リサ「あとね、それで思い出したんだけど、購買部で買えるブルマ、紺色もあるんだよ」
 愛原「紺色?……あれかな?見せパン用かな???」
 リサ「もしかしたら、テニス部とか、ダンス部のアンスコ用かもしれないね。ブルマが1度廃止になっても、そういう部はしばらくアンスコ用として使ってたみたいだから」
 愛原「なるほどな」

 緑色というのは、案外他の服の色と合わせにくいという難点はある。
 だが、紺色なら合わせやすいというのは事実だろう。
 リサが最初、学校用の緑色のブルマと一緒に紺色のブルマを購入したのは、そこに理由がある。
 恐らく、リサのような買い方をするコを狙ったのかもしれない。

 リサ「それでね、学校の購買部で販売されるブルマがどんな物なのか気になるから、1着買ってみてもいいかな?」
 愛原「うーん……。まあ、紺色なら私服にも使えるからな」
 リサ「そう。ぶっちゃけ、またサイズが合わなくなりつつある……」
 高橋「太ったのか?w」
 リサ「体が少し成長したの!」

 “鬼ころし”を飲むようになってから、Gウィルスの活動が一時的に抑えられるのか、その間だけ体が成長するようである。

 愛原「まあ、本来は育ち盛りだし、サイズがキツくなったって言うなら、買い替えてもいいぞ」
 リサ「わぁい!」
 愛原「まだ高校生活、あと1年あるしな」
 リサ「そうそう!」

 まあ、私も学校公式で売られているブルマがどんなものが気にならないわけではなかった。

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