報恩坊の怪しい偽作家!

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“大魔道師の弟子” 「飴玉婆さんを追え」 3

2019-04-03 10:24:43 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
 ※(学校法人東京中央学園について)

 雲羽作品に登場する架空の学校法人。
 現在のところ、“ユタと愉快な仲間たち”シリーズと“私立探偵 愛原学”シリーズに登場している。
 映画などで行われるスター・システムの学校法人版と言える。
 漫画では手塚作品やその直弟子達の作品でよく行われている。
 スター・システムである為、二作品に繋がりは無い。
 内部のモデルは“アパシー・シリーズ”(シリーズ化される前のホラーゲーム“学校であった怖い話”と言った方が分かりやすいかな?)に登場する学校法人鳴神学園。
 立地条件のモデルは高等部においては岩倉高校(上野高校)と昭和鉄道高校(池袋工業高校)、中等部においては墨田区内の区立中学校。
 鳴神学園同様、大東亜戦争前より開校している歴史のある学園である。
 上野高校だけ怪奇現象が多発する危険地帯であったが、稲生ら新聞部の調査により、魔界の入口に立地してしまっているが故であることが判明した。
 魔界の入口は普段は閉じているものだが、大東亜戦争中の米軍の空襲(特に東京大空襲)により開いた可能性があるという。
 鳴神学園に出没していた『飴玉婆さん』が東京中央学園に来たのは偶然であろうが、『飴玉婆さん』をも凌駕する怪奇現象が多発するようになった。
 稲生達の尽力により、取りあえず穴だけは塞いだ。
 しかし再び開くようになり、今度は魔道師達で塞いだ為、一応今は塞がっている状態。
 木造の旧校舎は取り壊される予定だったが、耐震補強工事を施された上で『教育資料館』として再生した。
 魔界の穴は塞がっている為、『教育資料館』で怪奇現象が発生することは殆ど無いが、発生していた頃の名残は多々存在する。
 尚、人間が織り成した怪奇現象においてはこの限りではない(怪談話の中には妖怪や幽霊は全く登場せず、そこに登場した人間達による『流血の惨』だけが語られるものもある)。
 魔道師達が注目するほどのホラースクールとなったわけだが、今再び舞台として注目されている……。

[3月14日17:00.天候:曇 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校裏門付近]

 このくらいの時節になると、まだ明るい。
 それにしても、下校のチャイムが何らかのメロディであることはよくあることだ。
 中には、自治体の防災無線で流れて来るようなメロディであることも多々ある。
 ところがこの学校の場合……。

 https://www.youtube.com/watch?v=0YXZUzDlKTQ

 これが流れる。
 季節によっては他のメロディに変わることもあるのだが、要はこのメロディが流れている間に帰れということらしい。
 ホラーゲームのBGMを使っている時点で、実はまだ呪いは断ち切れていないことを示唆している。

 マリア:「……私のハイスクールでは、普通に鐘が鳴っていただけだったけど?」
 稲生:「日本人は何らかのメロディを流さないと気が済まないんでしょうね。鉄道の発車メロディとか、接近メロディとか……」
 マリア:「なるほど。日本の文化……」

 イギリス人に日本の文化が誤解される一歩手前。

 稲生:「……来ませんね」

 メロディは2コーラスほど流れて終わるのだが、その後もまだチラホラ裏門から出て来る生徒達がいた。
 中には寂しそうな生徒もいるのに、『飴玉婆さん』は現れない。

 マリア:「チッ、私達が張っているのがバレたか?」
 稲生:「そりゃ僕達が『飴玉婆さん』と間違えられそうな恰好してますもんね」
 マリア:「門はここだけか?向こうにも門があるんだろう?」

 マリアは正門の方を指さした。

 稲生:「そうなんですが、正門は17時で閉鎖されるんですよ」
 マリア:「普通、さっきのメロディが鳴ってからじゃないのか?私のハイスクールも鐘が鳴ってから閉まってたけど?」
 稲生:「この学校も怪奇の脅威に晒されましたからね。新聞部でも取材しましたよ。あれは幽霊の絡む話ですから、『飴玉婆さん』は関係無いですよ」
 マリア:「幽霊か。河合有紗みたいだな」
 稲生:「そうですね。この学校でもイジメで自殺した生徒は何人もいるんです。そのうちの1人ですよ。有紗みたいに事故死ではないです」
 マリア:「私に相談してくれれば、安い報酬で対応してあげるのに……」
 稲生:「依頼の仕方が普通分からないし、マリアさんのやり方だと絶対に『流血の惨』を伴うでしょ?」
 マリア:「当たり前だ」

 マリアはさも当然のように大きく頷いた。

 稲生:「一応、正門を見て来ますよ。もしかしたら、今は開いてるかもしれない」
 マリア:「そうしてきて」

 稲生は正門の方に歩いて行った。

 稲生:「多分、まだ閉まってると思うんだけどなぁ……」

 大通りに面した正門。
 行ってみると、やはり閉まっていた。

 稲生:「まだ幽霊は出るんだろうか?」

 稲生が話を聞いた限りでは、正門を閉められた幽霊は学校の中に入ることはできず、その前で恨めしそうに佇んでいるとのことだが、少なくとも稲生の目には見えなかった。
 と、その時だった。

 男:「ねぇ、そこのキミ。もしかして、『飴玉婆さん』の知り合いじゃないかい?」
 稲生:「えっ!?」

 男は稲生より背が高く、フードのついたパーカーを着ていた。
 そしてそのフードを被って、サングラスをしている。

 稲生:「どうしてそれを?」
 男:「やっぱりそうだ。色は違うけど、『飴玉婆さん』と同じ格好をしてるもん」
 稲生:「え?あ?ああ……そうか」

 稲生は今回は魔道師のローブを着ている。
 『飴玉婆さん』には、シマ荒らしを取り締まりに来たイリーナ組として会う為だ。

 稲生:「『飴玉婆さん』をどうして知ってるの?」

 稲生は最初、もしかしたら『飴玉婆さん』に飴をもらったことのある人物ではないかと思った。
 そして、それはどうやら当たりのようだ。
 舐めた者は、この世に2つと無い美味さに惚れ込んで、再び『飴玉婆さん』から飴をもらおうとするらしい。
 稲生は多分そのパターンだと思ったのだが……。

 男:「やっぱりだ。ちょっと話があるんだ。こっちへ来てくれないかな?」

 男は満面の笑みを浮かべて、稲生を物陰に誘った。

 1:誘いに乗る。
 2:だが、断る。
 3:マリアを呼んで来る。
 4:男が何者なのか尋ねる。
 5:逃げる。

 ※バッドエンドあり〼

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