[12月24日21時00分 天候:雨 東京都中央区日本橋浜町 某クリニック『特別処置室』]
リサ「はい、上がったよ」
早苗「了解です」
特別処置室内にはバスルームがあり、リサと絵恋が2人で入った。
リサ「お風呂の栓は抜いて、流しておいた。サナエの好きな温度は分からないから、それは適当に入れて」
早苗「分かりました」
早苗はバスルームに行くと、再び栓をして、それからお湯を入れ始めた。
その間、リサと絵恋は冷蔵庫に入れておいたペットボトルのジュースを飲む。
リサ「お風呂上がりのジュースは美味しい」
絵恋「そうね。……何か、とても入院してるような感じじゃないわねぇ……」
絵恋は周りを見渡して言った。
確かに室内は病院の処置室そのものである。
ベッドだって3人横並びにベッドが置かれているが、それもキャスターの付いた入院患者用のものだった。
3人一緒ということで、特に1人ずつカーテンで仕切られているようなことはない。
絵恋「それにしても、この部屋だけどうして窓が無いのかしら……」
リサ「さあ……?(私が変化して壊したからだろうな……)」
室内にはテレビもあって、自由に観て良いということになっている。
また、入院病棟のように、特に消灯時間が決まっているというわけでもなかった。
起床時間は決められているが。
そして、天井。
明らかに、この部屋を監視するカメラが付いている。
カーテンを付けないのは、監視しやすくする為だろう。
但し、着替えなどは見えないように、可動式の衝立がある。
バスルームの入り口前とかにある。
リサ達は検査着のまま寝ることになり、エンジ色のそれを着たままである。
リサ「何だかタイクツ……」
早苗「トランプでもやりますか?」
リサ「持って来てんの?」
早苗「ええ。何にします?ポーカー?それとも、ブラックジャック?」
リサ「どちらも、バイオハザード絡みか……。『今日、警備員のスコットとエリアス、研究員のスティーブと一緒にポーカーをやった』とか、『ルーカス・ベイカーの残虐ブラックジャック~!』とか」
早苗「さすがは魔王様。何でも知ってるんですね」
リサ「アンタも知ってるんじゃないの?」
早苗「まあ、有名な話ですから」
絵恋「私は知らないわ?」
早苗「……さて、そろそろお湯が溜まった頃かなぁ……」
リサ「熱いお湯が好きなの?」
早苗「一緒に入ります?」
リサ「んん?」
絵恋「ちょ、ちょっとォ!」
リサ「いや、さっきエレンと一緒に入ったからいいって」
早苗「そうですか。じゃあ、私1人で……」
リサ「ゆっくり入ってきなよ。先にトランプやってるから」
絵恋「そうよ」
早苗「それじや、お言葉に甘えて……」
リサ「サナエ」
早苗「何ですか?」
リサ「ダクトは塞がれてる。脱出はできないよ?」
早苗「あらあらあら。それは残念ですねぇ……」
絵恋「な、何の話ですか?」
早苗「なーんでも……」
リサ「……無い」
早苗はタオルや洗面道具、換えの下着などを持ってバスルームに向かった。
尚、これとは別に洗面所やトイレもある。
トイレはリサを安心させる洋式である。
リサ「早速やろう」
絵恋「はーい」
リサ「やっぱり女は黙って……」
絵恋「ソリティア?」
リサ「ソリティア……って、何でやねん!?1人用だろ!」
絵恋「あっ……」
リサ「女は黙ってバカラだろ?」
絵恋「ええーっ!?ギャンカス魔王様……」
リサ「何か言った?」
絵恋「い、いえ、何でも……」
リサ「昔、お兄ちゃんがエレンんとこのメイドさん達とそれやってたけどね?」
絵恋「なっ……!あのメイド達……!」
リサ「お兄ちゃんの大勝ちだったみたいだけど……」
絵恋「り、リサさん!ギャンブルとは関係の無いトランプにしましょう!ババ抜きとか……」
リサ「うーん……分かった」
それからしばらくして、バスルームから斉藤早苗が出て来る。
リサ「ダクト、塞がれてたでしょ?」
早苗「まあ、そうですね」
絵恋「だから一体、何の話?」
リサ「それより早苗、トランプやろ!」
早苗「じゃあポーカーにしましょう」
絵恋「だから、何で2人してカジノのトランプをやりたがるの?」
それから1時間ほど経過……。
絵恋「外は雨が降ってきたみたいよ」
リサ「窓が無いのに、よく分かるな?」
絵恋「ウェザーニュースのお知らせよ」
早苗「沖縄は冬でも急に天候が変わって雨が降ったりするからね」
リサ「ふーん……。おっ、よし!フォーカードだ!」
絵恋「ええっ!?」
リサ「エレンは?」
絵恋「私……ワンペアでした……」
早苗「2人とも、甘いですね。ロイヤルストレートフラッシュ!」
リサ「おい、フザけるな!さっきもストレートフラッシュだったじゃん?」
早苗「ちょっと魔王様。2連勝したくらいで、イカサマ呼ばわりはやめてもらえます?」
リサ「だって、サナエの所にばっかりジョーカー行かない?」
普通、ポーカーにはジョーカーは使わない。
しかし、東京中央学園上野高校では、伝統的にポーカーにはジョーカーを使うローカルルールがある。
そのジョーカーは何のカードの役割を果たしても良いことになっており、また、ジョーカーが2枚あるトランプにおいては、『悪魔の手札』として、ロイヤルストレートフラッシュよりも上、つまり最強というローカルルールまであった。
但し、『悪魔の手札』を何度も行っている者は悪魔に呪われるという、“東京中央学園上野高校七不思議”の1つとして語られることもあった。
その為、一時期は生徒会などで校内におけるポーカーの自粛を呼び掛けられるほどであったという。
早苗「来ちゃうんだから、しょうがないですよ。まだ、2枚来ないだけマシってなもんです」
リサ「うーん……」
絵恋「だからリサさん、『ジョーカーの2枚入っているトランプでポーカーをやる場合、必ずジョーカーを全部抜くか、1枚のみにしなければならない』っていう決まりもありましたよね?」
リサ「あったけど、あんなもの絵に描いた餅でしょ。だって本当に悪魔が宿っていたら、抜いていたところで、いつの間にかトランプの中に戻っていて、狙いを付けた人間の所に行くっていう話もあったよ?」
早苗「つくづく、東京中央学園って怖い所だったんですね」
リサ「サナエ。……オマエ……いや、あなたと言った方がいいか?“トイレの花子さん”でしょ?白い仮面は持ってる?」
絵恋「ええっ!?」
早苗「何のことですか?」
リサ「忘れたの?あなたが幽霊だった頃、わたしが旧校舎に行ってよく話をしたじゃない。わたしの悩みとかも聞いてくれて……」
早苗「さあ……覚えてませんね。幽霊も成仏したり、転生したりすると、幽霊だった頃の記憶なんて無くなると言いますし、気のせいってことにしてください」
リサ「むー……」
絵恋「もうやめましょ。私どうせ弱いから、ツーペアとかスリーカード以上は出せそうにないし、そろそろ寝ましょうよ」
リサ「ん。エレンがそう言うならそうしよう」
早苗「明日、6時起床からの検温とかですよね。長旅の疲れもありますし、そろそろ寝ましょう」
絵恋「歯磨きしてくる」
リサ「わたしはトイレ」
リサは自分のベッドから下りて、スリッパを履いた。
その時、大きく足を開いた為、検査着の下に穿いている黒いショーツが丸見えになる。
リサ「まさかとは思うけど、寝てる間に襲うなよ?」
早苗「魔王様こそ」
リサ「わたしはそんなことしない」
リサは吐き捨てるように言うと、室内にあるトイレに向かった。
トイレは所謂、多目的トイレになっている。
リサはそこに入ると鍵を閉め、便座に腰かけた。
リサ「はい、上がったよ」
早苗「了解です」
特別処置室内にはバスルームがあり、リサと絵恋が2人で入った。
リサ「お風呂の栓は抜いて、流しておいた。サナエの好きな温度は分からないから、それは適当に入れて」
早苗「分かりました」
早苗はバスルームに行くと、再び栓をして、それからお湯を入れ始めた。
その間、リサと絵恋は冷蔵庫に入れておいたペットボトルのジュースを飲む。
リサ「お風呂上がりのジュースは美味しい」
絵恋「そうね。……何か、とても入院してるような感じじゃないわねぇ……」
絵恋は周りを見渡して言った。
確かに室内は病院の処置室そのものである。
ベッドだって3人横並びにベッドが置かれているが、それもキャスターの付いた入院患者用のものだった。
3人一緒ということで、特に1人ずつカーテンで仕切られているようなことはない。
絵恋「それにしても、この部屋だけどうして窓が無いのかしら……」
リサ「さあ……?(私が変化して壊したからだろうな……)」
室内にはテレビもあって、自由に観て良いということになっている。
また、入院病棟のように、特に消灯時間が決まっているというわけでもなかった。
起床時間は決められているが。
そして、天井。
明らかに、この部屋を監視するカメラが付いている。
カーテンを付けないのは、監視しやすくする為だろう。
但し、着替えなどは見えないように、可動式の衝立がある。
バスルームの入り口前とかにある。
リサ達は検査着のまま寝ることになり、エンジ色のそれを着たままである。
リサ「何だかタイクツ……」
早苗「トランプでもやりますか?」
リサ「持って来てんの?」
早苗「ええ。何にします?ポーカー?それとも、ブラックジャック?」
リサ「どちらも、バイオハザード絡みか……。『今日、警備員のスコットとエリアス、研究員のスティーブと一緒にポーカーをやった』とか、『ルーカス・ベイカーの残虐ブラックジャック~!』とか」
早苗「さすがは魔王様。何でも知ってるんですね」
リサ「アンタも知ってるんじゃないの?」
早苗「まあ、有名な話ですから」
絵恋「私は知らないわ?」
早苗「……さて、そろそろお湯が溜まった頃かなぁ……」
リサ「熱いお湯が好きなの?」
早苗「一緒に入ります?」
リサ「んん?」
絵恋「ちょ、ちょっとォ!」
リサ「いや、さっきエレンと一緒に入ったからいいって」
早苗「そうですか。じゃあ、私1人で……」
リサ「ゆっくり入ってきなよ。先にトランプやってるから」
絵恋「そうよ」
早苗「それじや、お言葉に甘えて……」
リサ「サナエ」
早苗「何ですか?」
リサ「ダクトは塞がれてる。脱出はできないよ?」
早苗「あらあらあら。それは残念ですねぇ……」
絵恋「な、何の話ですか?」
早苗「なーんでも……」
リサ「……無い」
早苗はタオルや洗面道具、換えの下着などを持ってバスルームに向かった。
尚、これとは別に洗面所やトイレもある。
トイレはリサを安心させる洋式である。
リサ「早速やろう」
絵恋「はーい」
リサ「やっぱり女は黙って……」
絵恋「ソリティア?」
リサ「ソリティア……って、何でやねん!?1人用だろ!」
絵恋「あっ……」
リサ「女は黙ってバカラだろ?」
絵恋「ええーっ!?ギャンカス魔王様……」
リサ「何か言った?」
絵恋「い、いえ、何でも……」
リサ「昔、お兄ちゃんがエレンんとこのメイドさん達とそれやってたけどね?」
絵恋「なっ……!あのメイド達……!」
リサ「お兄ちゃんの大勝ちだったみたいだけど……」
絵恋「り、リサさん!ギャンブルとは関係の無いトランプにしましょう!ババ抜きとか……」
リサ「うーん……分かった」
それからしばらくして、バスルームから斉藤早苗が出て来る。
リサ「ダクト、塞がれてたでしょ?」
早苗「まあ、そうですね」
絵恋「だから一体、何の話?」
リサ「それより早苗、トランプやろ!」
早苗「じゃあポーカーにしましょう」
絵恋「だから、何で2人してカジノのトランプをやりたがるの?」
それから1時間ほど経過……。
絵恋「外は雨が降ってきたみたいよ」
リサ「窓が無いのに、よく分かるな?」
絵恋「ウェザーニュースのお知らせよ」
早苗「沖縄は冬でも急に天候が変わって雨が降ったりするからね」
リサ「ふーん……。おっ、よし!フォーカードだ!」
絵恋「ええっ!?」
リサ「エレンは?」
絵恋「私……ワンペアでした……」
早苗「2人とも、甘いですね。ロイヤルストレートフラッシュ!」
リサ「おい、フザけるな!さっきもストレートフラッシュだったじゃん?」
早苗「ちょっと魔王様。2連勝したくらいで、イカサマ呼ばわりはやめてもらえます?」
リサ「だって、サナエの所にばっかりジョーカー行かない?」
普通、ポーカーにはジョーカーは使わない。
しかし、東京中央学園上野高校では、伝統的にポーカーにはジョーカーを使うローカルルールがある。
そのジョーカーは何のカードの役割を果たしても良いことになっており、また、ジョーカーが2枚あるトランプにおいては、『悪魔の手札』として、ロイヤルストレートフラッシュよりも上、つまり最強というローカルルールまであった。
但し、『悪魔の手札』を何度も行っている者は悪魔に呪われるという、“東京中央学園上野高校七不思議”の1つとして語られることもあった。
その為、一時期は生徒会などで校内におけるポーカーの自粛を呼び掛けられるほどであったという。
早苗「来ちゃうんだから、しょうがないですよ。まだ、2枚来ないだけマシってなもんです」
リサ「うーん……」
絵恋「だからリサさん、『ジョーカーの2枚入っているトランプでポーカーをやる場合、必ずジョーカーを全部抜くか、1枚のみにしなければならない』っていう決まりもありましたよね?」
リサ「あったけど、あんなもの絵に描いた餅でしょ。だって本当に悪魔が宿っていたら、抜いていたところで、いつの間にかトランプの中に戻っていて、狙いを付けた人間の所に行くっていう話もあったよ?」
早苗「つくづく、東京中央学園って怖い所だったんですね」
リサ「サナエ。……オマエ……いや、あなたと言った方がいいか?“トイレの花子さん”でしょ?白い仮面は持ってる?」
絵恋「ええっ!?」
早苗「何のことですか?」
リサ「忘れたの?あなたが幽霊だった頃、わたしが旧校舎に行ってよく話をしたじゃない。わたしの悩みとかも聞いてくれて……」
早苗「さあ……覚えてませんね。幽霊も成仏したり、転生したりすると、幽霊だった頃の記憶なんて無くなると言いますし、気のせいってことにしてください」
リサ「むー……」
絵恋「もうやめましょ。私どうせ弱いから、ツーペアとかスリーカード以上は出せそうにないし、そろそろ寝ましょうよ」
リサ「ん。エレンがそう言うならそうしよう」
早苗「明日、6時起床からの検温とかですよね。長旅の疲れもありますし、そろそろ寝ましょう」
絵恋「歯磨きしてくる」
リサ「わたしはトイレ」
リサは自分のベッドから下りて、スリッパを履いた。
その時、大きく足を開いた為、検査着の下に穿いている黒いショーツが丸見えになる。
リサ「まさかとは思うけど、寝てる間に襲うなよ?」
早苗「魔王様こそ」
リサ「わたしはそんなことしない」
リサは吐き捨てるように言うと、室内にあるトイレに向かった。
トイレは所謂、多目的トイレになっている。
リサはそこに入ると鍵を閉め、便座に腰かけた。