伊藤とし子のひとりごと

佐倉市議会議員4期目
議会、市民ネットワーク千葉県、さくら・市民ネットワークの活動あれこれ、お知らせします

発熱しても5日間も入院できないとは。コロナで医療崩壊か? 独居のSさんの場合

2021-01-14 22:52:41 | 新型コロナウイルス問題
私、伊藤とし子は1月8日にコロナ感染の自宅待機は解除になりました。
しかし、その後も咳が出る、2時間のオンライン会議でも発言すると息苦しくなる、
などの症状が残っていますが、これも、日にち薬で、少しずつ改善していくはず、
と考えています。

私よりももっと重症化した方の、発症から入院までの記録です。
問題だと思える対応が満載ですが、明日は我が身と検証も含め、ご紹介します。

「八街市在住のSさん(男性 63歳 一人暮らし)の場合」

12月28日 
離れて暮らす妹N子さん(施設入居者)と落ち合い、酒々井町に墓参りに来る。
12月31日 
N子さん 発熱。
1月1日  
N子さんPCR検査を受ける
1月2日  
Sさん発熱(39.5度)
昼間12時頃よりコールセンターに多数回電話するが、繋がらず。→問題①
友人3人もコールセンターに電話するが繋がらず。(回数は計140回か?)
1月3日 
明け方4時49分、やっとコールセンターにつながるが「印旛保健所に相談するように」と指示される。→問題②
 
保健所に状況説明してPCR検査を希望するが、濃厚接触者(N子さん)と接触後
5日が経っていることを理由に検査は受けられず。→問題③
      
午後N子さんPCR検査が陽性と判定。施設の自室内での待機を指示される。

Sさん印旛保健所に再度電話で相談。
午後、翌日10時に成田徳洲会病院でPCR検査を受けるよう連絡あり。
高熱39度前後が続く。→問題④

1月4日
  高熱のまま、八街市から成田駅近くの徳洲会病院に車を運転して行く。→問題⑤
14時、Sさん陽性判定。
病院の指示は「自宅で、保健所からの連絡を待つように」
高熱39度のまま、自分で運転して帰宅。
夜、39.6度の高熱で寝られず。

1月5日
明け方3時、救急車を自分で手配。
午前4時、救急車到着するが、受け入れ病院が見つからず。
Sさんを寝室に戻して救急車は帰る。→問題⑥

9時頃、N子さんから酒々井在住の知人OSさんに
「兄が衰弱して大変な状態にあるので助けてほしい」との緊急要請が入る。
OSさん印旛保健所に電話して収容・入院を要請するが
「病院に空きが出来たら収容に向かいます」の返事で確約を得られず。
「第三者は口を出すな」の言葉に引き下がる。 →問題⑦

15時、N子さんの要請でOSさんがSさんに電話するも繋がらず。
印旛保健所に電話で容体と見通しを聞くが、「第三者には答えられない」の言葉のみ。
保健所にはSさんの食料枯渇状況を伝えて善処を乞う。

16時、宮川伸衆議院議員、新見八街市議と相談して、八街市の支援を要請するもかなわず。
19時頃、社協から夕食の差し入れあり(翌朝判明)

1月6日
  朝、本人と連絡取れず。
印旛保健所に電話するが、13時3回目の電話の問い合わせに、病院に行ってもらう手配が
ついたことを知るが、「どこの病院かは言えない」との返事。→問題⑧

15時 本人と連絡が取れて、北総病院で診察を受けていることを知る。
CTで肺炎と診断される。38.8度の熱があったにもかかわらず、帰宅させられていたことが、後刻判明。
本人は自分で運転して朦朧とした体で、印西牧の原から八街市の自宅に帰宅させられる。 →問題⑨

1月7日
  10時、保健所から13時に成田国際福祉病院に行くよう指示あり。
  自分で運転し、そのまま入院。
  15時、本人より個室に落ち着いたとの連絡あり、これまでの経緯を聞いた。

**********************

以上は酒々井在住のO.Sさんから教えていただいた、友人Sさんの体験談です。
Sさんは、現在重態から快復しましたが、両肺が真っ白との事。
生還できて、本当に良かったです。

問題⑥
この体験談で一番の問題は、発熱から入院まで5日間もかかったことです。
医療崩壊の危機と言われていますが、救急車が高熱の患者を置き去りにして帰ってしまうことが、現実に起こったのです。

東洋経済(1月10日)記事に、日本では感染者の受け入れは公立病院や公的病院に集中しており、
全体の8割を占める民間病院の受け入れが進んでいないのが問題、とあります。
法的な義務がないため、コロナ感染患者を受け入れるかどうかは、各医療機関の院長の判断によります。
行政主導により、地域単位で協議の場を設け、感染患者の受け入れを要請すべきであり、それができないなら、
特別措置法を改正して、医療機関への指示ができるような仕組みを検討すべきである。
飲食店や国民の行動制限に罰則を作るよりも、医療崩壊をくい止める方が、緊急性が高いはずです。

問題⑨
自力で医療機関に行けない場合、どうすべきでしょうか?

公的交通機関、タクシーなども使えません。
また、たとえ友人で会っても、コロナ感染禍では助けに行くこともできません。
Sさんの場合、無理を押し、朦朧とした状況で自力運転で、PCR検査、CT検査、入院と何度も病院に足を運びました。
こういう場合、どうすればよかったのでしょうか。

県HPには「県搬送または保健所搬送の場合」とあり、委託事業で搬送を契約していたはずです。
何度も高熱の独居者に、自力運転をさせたことには驚きました。
船橋市は患者搬送に委託事業者と契約をしています。
「運転はできますか?県搬送もできますよ」と、なぜ言わなかったのでしょうか?

問題④
PCR検査になぜ遠方の医療機関を指定したのでしょうか?
発熱外来として一覧表に載っている医療機関は少ないですが、八街市内にも1か所「湯沢クリニック」があります。
名前を出さなくても他にもあるはずです。
近場の医院をなぜ指定しなかったのでしょうか。

問題⑦⑧
家族で無ければ、SOSも言えないのでしょうか?
「ひとり暮らし」はこれから多くなります。
友人が親身になって心配してくれることは、恵まれたことです。
菅首相のお好きな「自助、共助、公助」の共助ではないですか。
個人情報の問題があることは確かですが、しゃくし定規な対応は命取りになることも念頭に、
今後どうすべきか、柔軟に対応を検討すべきです。

問題③
高熱があるのに、なぜ、濃厚接触者じゃないからとPCR検査を拒否したのでしょうか?
妹N子さんとSさんは同時に感染した可能性があり、N子さんの濃厚接触者かどうかは関係ないはずです。
感染拡大で、感染源を追跡する疫学調査では後手後手で、意味をなさなくなっています。
まずは検査。おかしいなと思ったら検査。無症状であっても検査です。

問題①
なぜコールセンターは繋がらなかったのでしょうか?
夜間(20時~翌朝8時)はたったの3回線。
オペレーター3人に看護師1人で対応することになっています。
調査した結果は、夜間12月29日97件、30日120件、31日113件、1月1日128件、2日103件、3日121件です。
問題の日は1月4日なので調査外で不明ですが、どちらにしても100件から140件の間です。
一人のオペレーターが1時間に対応したのは最大3.6件。
1件20分ほどになります。その数字も妥当なのか疑問です。

問題②
一番の問題点は、やっとつながったコールセンターが「保健所に相談するように」と対応したことです。
以前の委託事業者との契約では「緊急時は救急要請」とあります。
なぜ、39.5度の高熱に苦しみ、コロナかもしれないと一人心配している患者を見捨てるような対応をしたのか。
コールセンターは命をつなぐ役目があります。
看護師まで配置した委託事業者のはずですが、一連の対応から、無責任な仕事ぶりに驚くばかりです。

千葉県は、来週、コールセンターの事業者の立ち入り調査を行うという事です。
当初は「電話で聞き取りをしている」と言っていましたので、問題の重要度が上がったという事でしょうか。
人員は約束通り満たしていたのか。
なぜ、処理件数が年末年始、極端に少なかったのか。
救急対応マニュアルに不備はなかったのか。
しっかりと検証するよう要請しています。



お目汚しですが、PCR検査キットです。
駐車場の車中で、検体を自分で採取。



これは便利。
自宅待機中の希望者には7日分の食料品の配送があります。
また、スーパーの配送も注文できます。