テレビや新聞広告などでさかんに宣伝が行われていたので、どんな映画だろうかと気になって見に行ってきた。映画の内容は、下記の通りだ。
《解説》
第8回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した中山七里の同名小説(宝島社・刊)を、俳優として活躍するほか「クロエ」が第51回ベルリン国際映画祭に出品され監督としても評価の高い利重剛が映画化。火事により家族を失い自らも大怪我を負った少女が、ピアニストを目指して練習を重ねていくうちに、不可解な事件に巻き込まれていく。主演は「桐島、部活やめるってよ」「貞子3D」の橋本愛。「神童」やテレビドラマ『のだめカンタービレ』で演奏シーンの吹替を担当した人気ピアニストの清塚信也がピアノ教師役を演じている。また、テレビドラマ『新参者』の脚本を手がける一方、音楽家としても活躍する牧野圭祐が利重剛とともに脚本に携わっている。(goo映画より)
《あらすじ》
両親や祖父、帰国子女の従姉妹らに囲まれながらピアニストを目指す16歳の少女・遥(橋本愛)。ある日、祖父と従姉妹とともに火事に巻き込まれ、ただ一人生き残った遥も全身に大怪我を負う。それでも遥は不遇にめげずに、ピアニストになる夢を実現させるべくコンクールに向けて練習を積み重ねる。そんな中、彼女の周辺で次々と不可解な出来事が起こる……。(goo映画より)
《キャスト》
•香月遥:橋本愛
•岬洋介:清塚信也
•香月玄太郎:ミッキー・カーチス
•片桐ルシア:相楽樹
ミステリーは好きなジャンルなので、音楽が絡んだミステリーとはどんな話なんだろうという興味が大きくて見たかった映画だった。しかし、結論から言うと、ミステリーとは、ほとんど言えないような内容で、そんな期待を持たずに見たほうがよかったくらいだ。祖父と従姉妹とともに火事に巻き込まれ、ただ一人生き残った遥は大怪我を負いながらも、従姉妹のルシアとの約束を果たそうとピアニストの道を目指す。だが、その後、遥の身の回りで彼女の命を狙うような出来事が続発する。祖父の遺産が莫大なことから、その遺産争いにまつわる事件だろうというのは、だいたい察しがつく。しかも、登場人物は限られ怪しい人物もあらかた察しが付いていた。この映画はミステリーというよりも、ピアニストを目指す少女の熱血根性ものといった側面のほうが大きいくらいだ。遥の命を狙った犯人は、後半いとも簡単に明らかとなり、探偵の謎解きのような場面も全くない。脇役で登場するキャストたちも、ミステリー映画に登場してくるようなアクが強いような俳優ではなく、今一つ物足らない人選だったような気がした。
とはいえ、それだけの感想で終らせるような映画でもない。ミステリー物としては物足らないが、火事で全身大やけどを負いながらもピアニストの夢を追うヒロイン・香月遥を演じた橋本愛は素晴らしい演技だったといってもいい。やけどの後遺症による厳しいリハビリに打ち込みながら、最後にピアノコンクールでドビュッシーの「月の光」を見事演奏し終わる様子は感動ものである。同曲のイメージには「優しい」「癒し」「切ない」「温かい」など多数のキーワードが挙がり、日本人に好まれる要素だという。橋本演じる遥がコンクールで弾く「月の光」のピアノ演奏はほぼノーカットだったそうで、もともとピアノが弾ける俳優さんだったのかもしれないが、その美しい旋律は十分聞きごたえがあった。
また、もう一つの見どころは、孤独な遥を献身的に支えるピアノ教師・岬洋介を演じている現役ピアニストの清塚信也である。「神童」やテレビドラマ『のだめカンタービレ』で演奏シーンの吹替を担当したピアニストで、この作品で俳優デビューを飾ったという。初めてながら、優しくて温かく遥を指導するピアノ教師の役は、まさに彼の風貌とともに嵌っていた役どころといえる。劇中、清塚信也が弾くリストのピアノ曲「超絶技巧練習曲第4番マゼッパ」は、さすが現役のピアニストは違うなと圧倒されてしまう。
ただ一つ、ミステリーとしてヤラレタと思ったことがある。それは、遥の抱えていた重大な秘密だ。ミステリー好きで感のいい人なら、早い時点で気づいたかもしれないが、私はまったく気づかなかった。この秘密がわかった時、遥の苦悩が改めて思い知らされたのである。その秘密は何かという事については、映画館で確かめてもらうしかない。
《おまけ:作品中に登場した曲目》
•超絶技巧練習曲第4番『マゼッパ』:リスト
•アラベスク:ブルグミュラー
•熊蜂の飛行:リムスキー
•ヴァイオリン協奏曲:メンデルスゾーン
•アイネ・クライネ・ナハトムジーク:モーツァルト
•ピアノ協奏曲第5番『皇帝』:ベートーヴェン
•12の練習曲:ショパン
•月の光:ドビュッシー
•アラベスク第1番:ドビュッシー
どなたといらっしゃいました?
主役の橋本愛ちゃんはまだあんなに若いのに
「告白」 とか 最近では 「つなぐ」 や 「桐島部活やめるってよ」など
存在感のある役で沢山出演していますね。
とっちーさんも書いていらっしゃるとおり ピアニストの清塚信也が出演している事でも 話題になりました。
これね・・・迷っているのですよ・・
夫はとても付き合ってくれそうに無くて・・・
一人で行くのもなんだか恥ずかしいし
やっぱり パスかな~
などと 迷っているうちに終わってしまいそうです。
若い人向けだったのでしょうか?
自分では、そんな事は気にせず、ミステリーと音楽が融合した映画という観点で見ました。
橋本愛と清塚信也の演技は良かったですが
映画の内容を含めた全体的な出来は、今一つでした。
最後のシーンは感動ものとは書きましたが、泣けるほどではなかったです。
やはり、若い人向けだったようですね。