小さな町や市には、必ずといっていいほど歴史資料館があり、なるべく訪れたいと思っています。象潟の資料館は、行ったら初めて館内の電気を点けるという案配でした。そういうところ、初めてではありません。でも中身は、なかなかなもので楽しめます。
えさし藤原の郷という観光地が岩手にあり、こでは平安時代のロケ用の郷。時代劇のロケがよく行われています。セットなので、そこはまあまあという程度なのですが、隣にあった歴史資料館に行ったところ、江戸時代の和算の大きな額があり、「おっもしろい」と思いました。その内容がすばらしくって! で、早速歴史物を書いている友人Kさんにメールをしたところ、あっさりと「ああ、それがね『天地明察』の冒頭なのよ」と返ってきて、当時ベストセラーになっていたその本を買いに走ったのでした。私はでも本を読んで、この和算の図式を思い浮かべることができたかなあと、そのとき思いました。でもとにかくここに目を付けて、調べて、書いた作者に敬服。江刺にあったのは、映画のような絵馬ではなく、畳一畳くらいある板の額でした。
あのとき、和算の図がたくさん載っていたパンフレットも買ってきたんだけど、どこにしまってしまったかなあ。あまり感動して、
蛙鳴く和算むづかしおもしろし あぶみ
なんて俳句も作ってました。
写真は、映画で使われていた歩数計です。「天地明察」の脚本家加藤正人さんは、秋田出身だそうで、秋田県立図書館で、「天地明察」コーナーがあり展示されていました。これを使って日本中を歩数を数えながら歩く場面が一番感動的でした。笹野高史さんと岸辺一徳さん演じる北極出地隊のお二人が年下である算哲(後の渋川春海)が北極の高度を的中させると、子どものように喜ぶ姿。その二人と算哲が歩きながら、これで歩数を記録していたわけです。
映画になることになって、渋川春海が岡田くんということで、ちょっとイメージではないと思ったものの、岡田くん、よかったです。でもラストの京でのシーンは、少々大げさで、どうでしょうか。最後、字幕に妻と同じ日に死んだと書くのも、それがまとめかいと思ってしまいました。(岡田くんは、木更津キャッツアイ以来のファンです)
数日前に、気象庁が二十四節季の見直し云々の記事もあり。でも映画のエンディングにこの二十四節季が出てきて、中国との距離で実際の感覚と確かにずれがあるけれど、日本の文化は中国から伝わってきているのが多いわけだし、日食の予想がはずれるというのとは違うのだし、その少しのずれもまたよしと思うのです。そういえば今年の秋分は、22日でしたね。天体観測と計算とで出しているのでしょうが、私の頭ではとうてい理解できません。