fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『次郎物語』(下村湖人)

2013年03月06日 | 日記

 先日、下村湖人ゆかりの建物が火災で全焼したというニュースがありました。東京都小金井市の小金井公園近くのようです。小金井公園には何度も行っているのですが、近くにそういう建物があることを知りませんでした。

 『次郎物語』は、小学校のときに読んでいます。子どものときに読んだ本を大人になって再読すると新たな発見があるものですが、『次郎物語』はその最たるもの。次郎は赤ん坊のときから乳母に預けられ、実母からはうとまれ、兄からはいじめられていたかわいそうな子。そういうイメージが残っていたのです。ところがところが、もう一度読んでみるとこれが全然違う。驚きました。次郎の両親も兄も、母の実家の人達も、皆次郎を愛しているのです。次郎はきちんとした人達のなかでしっかりと育った子どもでした。

 でも次郎視点で書かれているから、読んでいて次郎の孤独感が最もせまってきたのでしょう。それはいたしかたないのかなとは思いますし、子どもが読む物語を書いているものとしては、こちらが書いたものを全てくみ取ってもらえなくても、それは当然と心するところです。何か一点心に残るものがあるといいと思います。

      雪の上の足跡。

 左側の穴はなんなんだろう。