先日『林業少年』(堀米薫)の紹介で、ブックデザインについて、ベスト3に入ると述べましたが、自分でいっておいて、じゃあ他の2冊は? と考えました。ぱっと思い浮かんだのが、
『トーキョークロスロード』(濱野京子)ポプラ社、そして『引き出しの中の家』(朽木祥)ポプラ社でした。奇しくも両方ポプラ社ですね。デザイナーはどなたかはわかりません。『引き出しの中の家』は、カバーをめくったときの目を見はる美しさ。『トーキョークロスロード』は、物語を読んでみたくなるイラスト。それから、くもん出版の『龍の腹』(中川なをみ)と『魔の海に炎立つ』(岡崎ひでたか)も揚げておきたいです。この2冊は本文中のイラストの入れ方にうっとりします。
この二冊はとても「おしゃれ」でもあります。だったらみんなこんなふうなおしゃれなのがいいかというと、そうはいかない。内容とのバランスも大事。だからデザイナーさんは、きちんと原稿も読んだ上でデザインをされているはずです。すごいなあ。「トーキョークロスロード』、タイトル文字と作者名の入り方、普通と違うことに今気づきました。文字デザインも、書体、色、位置で随分印象が変わります。
装丁とブックデザインの違いは、装丁はカバーや帯などのデザインで、ブックデザインとなると、本文部分の紙や、文字の大きさなど全て含む……のかな? というのが私のイメージ。違うでしょうか?
カバーを開いた本体の表紙は、以前まではカバーの絵と同じ、あるいは無地というのがほとんどでしたが、この頃上の『引き出しの中の家』のように、カバーを開くとあっと驚くという別の絵があり、楽しめるものが増えているようです。『林業少年』(堀米薫)がそうだったし、『糸子の体重計』(いとうみく)童心社もそうでした。これ、図書館だとカバーを貼り付けてしまうので、楽しめないのですよね。
ブックデザイナーで思う浮かぶのは、名久井直子さん、大御所では祖父江さん、菊地さんという方もいますね。(下の名前が思い出せない)目立てばいいというものでもなく、手にした人が気づかないところまでデザインされているはず。職人ですね♪
「童子」のお仲間、三島ひさのさんの句集『長女』の表紙もいいです。いただいたときには、「うわあ」と声を上げました。これは、辻桃子主宰の絵。書き下ろしです。
画像が小さいなあ。大胆な色彩感覚。本物はもっときれいです。