秋田県立美術館で開催中。
現代アートに表現された異界の数々に触れることができます。
秋田出身の鴻池朋子さんの絵やオブジェ(といったらいいのか、白無垢にアレンジを加えた、斬新なもの)とか、初めて拝見する山本太郎さんの日本画(にっぽんが、と言うのだそうです。古いものと新しいものが一枚の絵の中に存在していて、不思議な空間を描いていらっしゃいました)
今回展示作家の中では、唯一故人となっている石井徹也さんの絵もあります。
陶芸家田村一さんのオブジェも。
各スペースの入り口にある異界の概念を文章化したものがすばらしく、感心しました。(学芸員の方が書かれたのでしょうか? 名前がなかったので)
これは巡回展ではないので、秋田へ行かなくては見ることができません。
そして、観ている人は一部屋数人、時に自分だけという贅沢な空間。絵の鑑賞はこうではなくてはいけません。
藤田嗣治の「秋田の行事」という、ここでしか観られない巨大画も必見です。
「石井徹也をひらく」という講演会も聴いてきました。石井徹也という画家は、31歳で亡くなられ、10年経つという方。生前はそれほどでもなかったけれど、今では海外でも注目されているとのこと。うつろな目をした自画像と、いろいろなものが合体して(学校とか、トイレとか、ダルマとか……)、シュールで、どこか不安、でも、どこかユーモアも残っている不思議な絵ばかり。
それにしても、ポケモンgoもある意味、異界からこちらの世界に現れたのものという気がします。現実がゲームに侵略されているみたいな風景。岩手ではそんなに感じませんでしたが、多摩センターはすごかった。
今後、似たようなものがいろいろ出ると思う。ポケモンだからかわいいけど、そう、百鬼夜行の妖怪達とか、男向けには、美女、女向けにはイケメン。他にも思ってもみなかったようなものが? まずいんじゃあないでしょうか? 異界はめったに行けない、よほどじゃないと結界が破られない、だから魅力があるのでは?