fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

お知らせ・防備録。
記事および画像の無断転用はお断りいたします

『波乱に満ちておもしろい! ストーリーで読む伝記② 伊達政宗』佐々木ひとみ著・鈴木純子絵(岩崎書店)

2020年02月29日 | 本の紹介
        

 戦国武将人気ランキングで、信長に次ぐ第二位だったという仙台藩主伊達政宗。その生涯を、仙台在住作家佐々木ひとみさんが描きました。
 伊達政宗と言えば、「伊達男」の由来とか、子どもの頃疱瘡を患い片目となったとか、秀吉が小田原城を攻めたとき、出遅れたことが、戦略だったのかどうなのか? とか、そのくらいしかわかっていませんでした。あと、よい家臣に恵まれていたとか? 
 それが、誕生からこの世を去るまで、じっくり読むことができます。
 戦国時代といえば、今大河ドラマで明智光秀をやっていますが、同じ時代に、奥羽では、政宗公がいたわけです。私は秋田の人間なので、読んでいて「佐竹」さんが、出てくるたびに、「はあ、なるほど」と思いました。秋田藩主佐竹さんは、外様大名。だから、戦国時代は、もともとのお国、水戸にいたんですね。あれ、ってことは、その頃の秋田は誰が藩主だったわけ? 
 なんとまあ、何も知らない! じっくり学べば面白いだろうなあ。
 でも、なかなかそうもいかず・・・。という人が多いと思います。

 そう言う人にとって、児童書ってとってもいい! そんなに時間がかからず、わかりやすく、面白く読めるのですから。
 読みながら、佐々木さんは、これを書くために、どれほど勉強しただろうか! とも思っていました。読者は、楽ちんです。その作者の努力のおかげで、すらすらと読めるのですから。ストーリーで楽しむ なので、自然描写あり。合戦の途中では音がなくなったり。読者がその世界に入っていけるようになっています。
 乳母となった女性片倉喜多、その弟の小十郎が魅力的。全体の分量からしたら、そんなに出てくるわけでもないのに。

 伊達政宗がいたから、今の仙台の繁栄あり!
 人の上に立つ人物次第で、世は変わるというのが、わかります。さて、今の日本は? 世界は? ・・・。
 
 伊達政宗、また大河ドラマでやってくれないかな。あの兜の前立! センス抜群ですね。

 佐々木ひとみさんは、現在、河北新報で「がんづきじゃんけん」という作品を連載中。これは、震災を経験した一家の奮闘記です。『兄ちゃんは、戦国武将』は、今、仙台で活躍しているおもてなし集団を物語化したもの。他の作品もそうですが、地元に根ざして、描いてらっしゃることに敬服。きっとまだまだ、出てくるんだろうな。楽しみです。
 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿