「わーい、ぼく、いま、うまれたよ!」
この声の主は、はくさいです。
お腹がすいていたねずみくんは、農家のビニールハウスにしのびこみ、白菜が生まれた瞬間の声を聞いたのです。しかも、はくさいぼうやときたら、ねずみくんに、
「はじめまして! きみ、ぼくのともだちになってくれる?」と言うのです。
ねずみくん、「う、うん、いいよ……」。
ねずみくんは、お腹がすいていたけれど、がまんして帰り、だいじにしまっていたイナゴのあしをカリカリとかじります。そして、そのよるは、「はくさいぼうやが、ぼくをともだちっていったよ」とくちもとがにやけてしかたがなかったのです。
それから、はくさいぼうやは畑に移り、ねずみくんも畑に通います。
白菜は玉を巻いてくると、わらでしばられます。よく売られている白菜の形にするためです。
はくさいぼうやは、「えっへん、すごいでしょう!」とはちまきを自慢します。
白菜の旬は冬。他の白菜達は、だんだんとられていきますが、はくさいぼうやは残っています。
さあはくさいぼうやは、それからどうなっていくのでしょう。ねずみくんは?
畑仕事をしてらっしゃる堀米さんにしか書けない作品。堪能しました。
こしがわさんの絵が、また素敵なんです。こしがわさんも、畑に白菜を育てながら描かれたとのこと。
きっとロングセラーの絵本になるでしょう。なっていただきたい。
ところで、私はこの絵本を読んで、俵万智さんの短歌を思い出していました。
白菜が赤帯しめて店先にうっふんうっふん肩を並べる 俵万智
堀米さんの絵本とは、関係ありません。ごめんなさい。こっちは、どこか下町の八百屋さんですね。
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