梅さんのかわら版.umelog

我が家の琉球朝顔~オーシャンブルー

"過ぎし日のおもひで”

2015-04-24 16:32:32 | ダンスの競技会
親戚の葬儀に参列したところ、立派な遺歌集が作られていました。
この方は夫の伯母にあたる方で、享年96歳、亡くなるまで日記のように歌を詠んでいたそうです。

   物資無き子育て時代語り合ふ老いし姉妹も今は幸せ

舅のお姉さんたちはとても長生きで、一番上のお姉さんは昨年亡くなりましたが享年100歳でした。
他の姉妹も交えて、昔ばなしをに花を咲かせたのでしょう。

   故人となりし家族懐かし満月の仰ぎ呼びたる父母兄姉を

この歌のところに写真が載っています。
母49歳 姉26歳 本人17歳 妹14歳 弟7歳 (昭和10年5月万力公園にてとメモがあります。)
ちょうど80年前の写真です。女学生でしたね。袴姿がその当時を彷彿させます。
舅はまだ7歳でした。


   短歌詠むたのしき趣味を呉れし人遠き戦地に果てて逝きなむ

戦死したお兄さんが一人います。そのお兄さんから短歌を教わったのでしょう。
与謝野晶子や柳原白蓮という有名な歌人が活躍していた時代です。

   手の平に落花を掬う我が侘しさを誰一人として知るものぞ無し

   回想は感傷呼びて果てし無し若き日遠く永久に去り逝く

ここには一人の女性としての心の内が詠われています。
じっと耐えてきた苦難の人生、歌に詠むことで救われたのでしょう。

生前あまり会うことのなかった伯母ですが、この歌によりその人となりを垣間見ることが出来ました。
歌を披露することによって、供養としたいと思います。 合掌