梅さんのかわら版.umelog

我が家の琉球朝顔~オーシャンブルー

"芥川賞作家が俳句を作ったら…”

2015-12-13 18:46:01 | プレバト俳句
イルミネーションが灯り、宝くじが売り出され、世間は年末に入ったのだが…
どうも、年末と言う感じがしない。

そんなに振り返ってみる事も無いが、取りあえず俳句の勉強会は今日が最終日だった。
いろいろ追われるままに作って、そしてたまには大会に投句して、たまには入賞して…
そんな日々だった。

  
いつもの俳句の査定に、芥川賞作家が出るというので見てみた。
又吉に続き、作家はどんな句を作るのか興味津々…
一人は苦役列車の西村賢太氏。
この顔からは、どんな句を作るか想像できない。
そしてもう一人は、又吉と一緒に受賞した羽田圭介氏。
この人はこの番組二回目らしいが一回目は見ていない。
   
西村氏30点と羽田氏70点、一位と最下位という評価が下された。

   いつ動く墨絵のなかで凍てる宿  (原句) 西村
背景の写真のような風景を見て作るという題なので、色のない雪景色を墨絵と見たのだろう。
そして、列車を宿と見立てた。雪の中で止まった列車を詠んでいる。
これが同添削されたかというと

   列車いつ動く墨絵のごとく凍て (添削後) 西村

本人は分かっていても、写真を見ていない人には分かりづらい宿という言葉を排除した。
だが、西村氏が最下位だと言っても才能がないわけではない。俳句というジャンルになれないだけだ。
手強い相手だと思う。
次は羽田氏の作品

  ジオラマかアクリル性の冬の波  (原句) 羽田

  無音なるアクリル性の冬の波    (添削後) 羽田

「尋常じゃないですよこの人の感覚は」と夏井先生は絶賛しているのだが、こんな俳句は見たことがない。
この句は、風景全体ではなく、波だけに焦点を絞っている。
冬の波は、アクリルのガラスのように冷たく尖っているようだといっているのだ。
なるほど、切り口が鋭い。従来の俳人にはこう詠む人はいないだろう。

今までは多少素養がある芸能人が出て来て、初心者の域を出ない俳句で競っていたが、
又吉直樹をはじめ、芥川賞作家などレベルの高い人が出ることにより俄然面白くなってきた。
上手い、下手ということではなく、その視点と表現が面白いのである。
俳句の歴史の中では、芥川龍之介や夏目漱石なども俳句を作っていた。
現代を代表する作家にも大いに期待したい。